ヘッジファンドの平均運用期間
ヘッジファンドの存在感
ヘッジファンドは世界に7,000~8,000もあると言われ、運用総額は200~250兆円にも上ると言われています。
ヘッジファンド全体の運用総額もさることながら、1つのファンドが運用する資金も数十億~数百億を超え、世界でもトップクラスのものになると数千億円規模にもなります。
特定のヘッジファンドの取引(「〇〇社の株を買った」など)が金融業界・株式市場に与える影響も大きく、投資・運用に携わる人であれば必ず考慮に入れるべきものです。
ヘッジファンドの年齢
しかし、世界に名を馳せる(トップ10クラスの)ファンドを除いた多くのヘッジファンドは、実は創業して間もない生まれたてのファンドなのです。
実際にヘッジファンドの平均運用期間は5年と言われており、年間に700~800(約1割)のファンドが潰れているとも言われています。
また、新しく組成されたファンドの3分の1は、誕生から3年以内に破綻しているというデータもあります。
なぜこれほどまでにヘッジファンドは長続きしないのでしょうか?
やはり、世界的なファンド以外は、その激しい競争の中で淘汰されてしまうのでしょうか?
ヘッジファンド業界の入れ替わりが激しい理由を考察していきたいと思います。
実はファンドは潰れてない!?
解散の理由
解散するファンドの中には、もちろん文字通り「潰れる・破綻してしまう」ファンドも少なくありません。
この場合の多くは、運用が思うようにいかず、資金が集まらなくなってきたことで「解散」という選択肢をとっています。
しかし、実はファンドの解散の理由はそういったネガティブなものばかりではありません。
その一つが、金融業界のルール変更や業界の変化に対応すべく、業態や運用形態を変えるための、いわゆる積極的な解散です。
積極的な解散とは
金融業界は日々ルールや規則が変化しています。
最近の例で言えば、Fintech(フィンテック)の代表格であるビットコインなどの仮想通貨の登場によって、関連する法案が多く議論されるようになりました。
常に技術や環境が変化しているため、それに合わせて法律や規制なども変化しています。
あまり注目されることはありませんが、投資・ファンドに関するルールも日々変わっており、毎年のように新たな規則が設定されています。
このルールの変化によって、今までのビジネスモデルが続けられない・効率が悪くなってしまった、という例は少なくありません。
また、新しいルール下で成果が得られそうな新たなビジネスモデルを創出し組織を立ち上げる(ファンドを組成する)というケースもあります。
中小規模のファンドで多い積極的な解散
世界的に規模の大きいファンドであれば、その潤沢な資金を活かして、免許を取得したり様々な手続きを踏むこともありますが、組織の再組成や免許の取得などには多くの費用(コスト)がかかります。
そこで、中小規模のファンドでは、外部環境の変化に合わせて「積極的に」ファンドを一度解散し再組成するという選択をすることがありるのです。
その方がコストがかからず、投資家のためにもなるからです。
もちろんこれはルール上なんの問題もありませんし、むしろ合理的でヘッジファンドらしい判断と言えるでしょう。
投資先のヘッジファンドが破綻・解散する際には、一般にその時の持分(出資金)がそのまま出資者に還元されます。
「解散=会社がなくなる=預けていた資金もなくなる」という訳ではありません。
もちろん、経営が上手くいかないがために解散を余儀なくされるようなファンドの場合、資金が目減りしている可能性もあります。
しかし、ここで解説したような、法令対応のための組織変更などに伴う「積極的な」解散の場合、運用はそのまま引き継がれることもしばしばです。
「解散」という言葉やプロセス自体を過度に心配する必要はありません。
会社だけでなくファンドマネージャを追う
ファンドマネージャーの実績
では、世の中に数多存在する組成して間もない「若い」ファンドの中から優良なファンドを見つけるにはどうすれば良いのでしょうか?
ファンドの運用戦略や投資理念、手数料などを確認することももちろんですが、合わせてファンドの運用に責任を持つファンドマネージャの経歴や実績を確認してみましょう。
ファンド自体の歴史は2~3年でも、ファンドマネージャは5年10年と長く運用をしており、尚且つ結果を残してきた、という場合は信頼ができるでしょう。
実際にヘッジファンドを利用している世界の富裕層も、そのほとんどがファンドマネージャーの「人」で判断して投資を行っています。
ヘッジファンドの探し方
このようにヘッジファンドを評価するときは、ファンド組織・企業だけでなく、その中の人物も確認する必要があります。
長く続いているヘッジファンドはそれだけで信頼ができるように思えるかもしれませんが、規模にかまけて、ただダラダラと続けているだけの場合も少なくありません。
しっかりとしたパフォーマンスが期待できるファンドを見極めるべく様々な視点からファンドを確認しましょう。
ファンドマネージャーの人物像や、現行ファンド以前の実績なども加味した投資先としておすすめのランキングを以下に作成していますので、よければ参考にしてみて下さい。