リスクヘッジで重要な「分散投資」
大切な資産を運用するわけですから、より低リスクで安全・確実に運用したいと考える人は少なくないと思います。不用意に大きなリターンを狙わずに、着実な運用をすることは決して悪いことではありません。
むしろ、長く安定した運用をすることができれば、複利の効果で、最終的により大きなリターンを手にすることができます。
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リスクを適切に回避(リスクヘッジ)し、確実な運用をするときに有効なのは「分散投資」です。
分散投資とは、複数の銘柄に投資することで、1つの銘柄の株価が乱高下した際の影響を小さくする、投資の王道手法です。
金融の世界では「卵を一つのカゴに入れない」とも比喩されており、投資をする人間であればかならず知っておかなければならない投資の知識の一つです。
分散投資をしないとどうなるのか
とはいえ、「分散投資でリスクを回避」と頭ではなんとなくわかっていても、実践できていない人は少なくありません。
複数の銘柄に投資するということは、それだけたくさんの銘柄を分析しなければならないということであり、手間や時間もかかります。
また、「そんなに難しいことはわからないし、有名な大手企業の株を買っておけば大丈夫(急な値動きは滅多に起こらない)だろう」と考えていても無理はありません。
しかし、誰もがよく知っているような銘柄でも短期間に、大きな値動きをすることは珍しくありません。以下のチャートを見てみましょう。
これは大塚家具【8186】の2018年11月中旬~2019年2月中旬の株価のチャートです。大塚家具は、数年前に父と娘の経営権争いで非常に話題になりましたが、元をたどれば1969年創業の誰もが知る老舗高級家具メーカーです。
このチャートを見るとわずかな間に大きく株価が上下していることがわかります。
特に、2018年12月20日~21日の高騰と、2019年2月13~18日の暴落は凄まじく、どちらもストップ高、ストップ安を記録しています。
2018年12月21日にはEasyHome(居然之家)との業務提携を発表しています。また、2019年2月13日には、中国からの出資を受けるという「報道があり」、同月15日にハイラインズ社との業務・資本提携とヤマダ電機との業務提携が正式に発表(プレスリリース)されています。
たった3ヶ月ほどの間に、2,3日で株価が20~30%も高騰/暴落するようなことが、5,6回も起きているのです。
この間、保有し続けているのであればあまり問題ありませんが、この間に下手に売買を繰り返していたとすると目も当てられません。
ちなみに、2月13日の暴落の原因ですが、中国からの出資を受けるという「報道」があったのみであり、正式なことはこの時点では何も明らかになっていません。確かに新聞で報道されていますが、確証のない噂話でこれほどまでに大きな影響が出たことには驚きです。
1企業の株価が、いかに簡単に揺れ動いてしまうかがわかる非常にいい例でしょう。
個人が「適切に」分散投資をするには
このように単一の企業の株価はいとも簡単に暴落してしまいます。このことからも分散投資がいかに重要かを理解していただけたでしょう。
ただし、分散投資とはいえ、複数の銘柄に投資すればなんでも良いというわけではありません。
敵対する(ライバル)企業の株を持てば、片方の株が下がった時にもう一方が上がっているかもしれません。しかし、同じ業界の場合、業界全体が不振に陥るようなことがあれば、どちらの株も合わせて下落してしまうでしょう。
また別の業界だったとしても、ビジネスに繋がりがあったり、業務提携・資本提携などがあれば、業績は連動し一緒に暴落する可能性を回避できません。
分散投資は、組み合わせによってコントロールできるリスクが変わってくるため、思っている以上に難しいのです(とはいえ、1つの銘柄に投資するよりは十分にリスクヘッジをできますが)。
個人投資家が分散投資を考える場合、自分で複数の銘柄に投資するのではなく、「分散投資と同じような価値がある金融商品」に投資する方が懸命です。
その最たる例は、投資信託やETFでしょう。
特に、その国や地域、世界経済に連動するように運用されるETFは、非常にたくさんの銘柄に投資しており、それ一つで分散投資の効果があります。他にも、最近はロボアドバイザーなどでもAIが分散投資を支援してくれます。
また、ヘッジファンドを活用すれば、投資のプロであるファンドマネージャが、適切にポートフォリオを組んで運用してくれます。
リスクを回避したい投資家にとって、分散投資は非常に有効である一方で、決して簡単ではありません。
投資の手段(選択肢)は決して一つではないので、ぜひ様々な手段や投資先を検討してみてください。