日本は金融後進国
日本は「金融後進国」と言われています。
欧米諸国や世界の基準と比べると、金融業界の発展が遅れており、また私たち一般消費者のリテラシーも低いということです。
これは次のようなデータから確認することができます。
参考:資金循環の日米欧比較|2016年12月22日 日本銀行調査統計局
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf
日本銀行調査統計局の調査結果によると、2016年の資産の割合のうち、運用(債務証券、投資信託、株式等の合計)に充てている割合は、アメリカが51.3%、ヨーロッパが28.7%なのに対し、日本はわずかに15.1%となっています。
ヨーロッパの約半分、アメリカの3分の1以下の割合しか投資に回していないところからも、日本人の資産運用に対する知識や経験、リテラシーが低いことが伺えます。
また、アメリカのモーニングスターが世界25ヶ国の投資信託市場を評価した「Global Fund Investor Experience Study」によると、日本は25ヶ国中下から2番目に低いC-の評価となっています。
参考:モーニングスター [ アナリストの視点(ファンド) 日本は“投信後進国”!?グローバル調査下位の理由]
http://www.morningstar.co.jp/fund/analyst/2015/3q/MFA120150709.html
世界の基準と比較して手数料が高いことや、目論見書などの文書が不必要に長く複雑で、正しく情報公開が行われていないなど、マイナスの評価に繋がっるポイントが数多く存在するのが日本の投資信託事情です。
有益な金融商品がない日本
とある調査によると、日本で販売されている投資信託の約90%で利回りがマイナスになっていると言われています。
「投資信託 オススメ」などで検索すると、人気の投資信託100選など、様々な銘柄を確認することができ、その多くで高いパフォーマンスを確認することができます。
一見すると、高い利回りのものを多く確認できるため、「儲かるんじゃないか」「自分も始めてみようかな」と考えてしまいがちですが、実は日本国内で販売されている公募株式投信の数は5,406本です。
このうち約9割がマイナス運用というとなので、4,800~5,000種類はパフォーマンスがマイナスになっているということなので、高い利回りが出ているものはごく一部、氷山の一角であることがわかります。
この“ごく一部”の商品を見て投資信託全体を評価してはいけないということです。
2017年4月7日に行われた、森金融庁長官による基調講演「日本証券アナリスト協会 第8回国際セミナー 「資産運用ビジネスの新しい動きとそれに向けた戦略」」においても、以下のように述べられています。
積立NISAの対象となりうる投信は、インデックス投信とアクティブ型投信あ わせて約 50 本と、公募株式投信 5,406本の1%以下となりました。ところが、同じ基準を米国に当てはめてみると、全く異なる結果となります。米国で残高 の大きい株式投信については、上位10本のうち8本がこの積立 NISA の基準を満たしています。一方、我が国の残高上位30本の株式投信の中で、この基準を満たしているのは 29 位に一本あるだけです。
(※本文より一部抜粋)
出典:「日本の資産運用業界への期待」 日本証券アナリスト協会 第8回国際セミナー 「資産運用ビジネスの新しい動きとそれに向けた戦略」における 森金融庁長官基調講演
http://www.fsa.go.jp/common/conference/danwa/20170407/01.pdf
また
日本においても、企業のファンダメ ンタルな価値を適切に評価する投資家の層が厚みを増し、質の高い、長期投資に資するアクティブ型投信が増えることが望まれます。
(※本文より一部抜粋)
出典:「日本の資産運用業界への期待」 日本証券アナリスト協会 第8回国際セミナー 「資産運用ビジネスの新しい動きとそれに向けた戦略」における 森金融庁長官基調講演http://www.fsa.go.jp/common/conference/danwa/20170407/01.pdf
とも述べられており、裏を返せば長期投資に資する投信が非常に少ないことが伺えます。
それほどまでに、日本の金融事情は世界と比べて質が低いと言わざるを得ません。
注目を集める私募ファンド
では、日本で有益な資産運用を行うことはできないのでしょうか。
そこで、今注目を集めているのが私募ファンド(ヘッジファンド/投資ファンド)での運用です。
1990年代後半から2000年ごろにかけて一度数を減らしたファンドですが、2000年以降急速に数を増やし、今もなお右肩上がりで規模を拡大しています。
参考:2016年の市況 ファンド オブ ザ イヤー (Fund of the Year) 2016 | モーニングスター アワード
https://www.morningstar.co.jp/event/foy2016/market.html
また、注目したいポイントとして、私募(※緑色)の割合が年々増えていることが挙げられます。
これは、海外で主流になっているヘッジファンドへの投資が日本にも少しずつ浸透してきていることを表しています。
一部の投資家の間では、日本国内にも優秀なファンドがあることが知られるようになり、人知れず成長を重ねているのです。
ただし、実際にこういったファンドを自分で探して投資しようとしても、一般の方々には難しいところもあるでしょう。何故ならば、それらのファンドは「私募」であり、一般に情報発信をしているわけではないのです。
ヘッジファンドについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、是非こちらも合わせてご一読ください。
➡︎ 個人投資家にこそ絶対におすすめのファンドへでの運用とは
➡︎ ヘッジファンドを徹底解剖!世界の富裕層に選ばれる投資の世界を知る
また、当サイトでは、独自の視点で分析・評価したファンドをランキング形式で紹介しています。興味のある方は是非参考にしてみてください。