50歳からの資産運用 ファンド なぜバフェットは投資の世界で成功したのか?世界一の投資家の投資哲学に学ぶ

なぜバフェットは投資の世界で成功したのか?世界一の投資家の投資哲学に学ぶ

ウォーレン・バフェットは言わずと知れた世界No.1の投資家です。彼はなぜそこまで上り詰められたのでしょうか。それは個人投資家でも真似できるものなのでしょうか。
彼の投資手法や裏付けとなる理論をわかりやすく徹底解説したいと思います。

ファンド
最終更新日:2023年01月10日

 

ウォーレン・バフェット(Warren Edward Buffett)という名前を聞いたことがある人は少なくないでしょう。言わずと知れた世界No.1の投資家で、Fobesによる世界長者番付2017では第2位にランクインしています。

 

彼はなぜそこまで上り詰められたのでしょうか?

それは個人投資家ではマネできないものなのでしょうか?

 

 

ウォーレン・バフェットを世界No.1に導いた2つの発見

 

「あなたは会計を理解するだけではなく、会計の行間に潜む機微を理解する必要がある。会計はビジネスの共通言語だ。言語として完全とはいいがたいものの、会計を学ぶ努力をしない限り、そして財務諸表を読んで理解する努力をしない限り、自分で株の銘柄を選択することなど夢のまた夢である」

 − ウォーレン・バフェット −

 

ウォーレン・バフェットには偉大な師匠がいます。

それは、バリュー投資の父と呼ばれるベンジャミン・グレアムです。

ベンジャミン・グレアムの弟子はバフェット以外にもいたはずですが、なぜバフェットだけが世界No.1の投資家になりえたのでしょうか。

 

そこには、ウォーレン・バフェットがベンジャミン・グレアムの手法を元に新たにつけ加えた2つの発見があります。

1. 永続的な競争優位性を持つ優良企業をどのように”見分ければいいのか”
2. 永続的な競争優位性を持つ優良企業をどのように”評価すればいいのか”

 

バフェットは財務諸表を駆使してこの2点を判断することが非常に大切だということを発見しました。これらを戦略に加えたことでバフェットは世界No.1の投資家になることができたのです。

 

 

バリュー投資の父「ベンジャミン・グレアム」に足りなかったもの

 

バフェットの発見を理解するには、「株式市場そのもの」と「その参加者たち」の性質を理解しておく必要があります。

株式市場には投資家もいますが、そのほとんどが投資家を騙った「投機家」であり、ギャンブラーたちの巣窟になっています。

 

投機家は一獲千金を目指し株価が上がるか下がるかというギャンブルを繰り返しています。中には一時的に成功し名を馳せるギャンブラーもいますが、ほとんどは夢半ばに株式市場から退場していきます。

 

特に近年ではコンピューターの進歩によりシステムトレードも活発化してきています。

「年利50%のプログラムが組めた」
「どんな相場でも必ず勝てるシステムを開発した」
「あとは寝ていてもプログラムが勝手に稼いでくれる」

 

中世の錬金術師ではないですが、チャート分析を主戦略にしたトレードで永続的に勝ち続けることは不可能と言ってよいでしょう。

少なくとも「プロ」として金融に携わる人間でチャート分析を信仰している人間はいません。

 

1930年代初頭、若きベンジャミン・グレアムはある一つの大発見をしました。

それは、「ウォール街で活躍している投資家たちは株の売買を繰り返しているにもかかわらず、その企業の長期的経済性に注目していない」という事です。

 

投機家の多くは短期的に見た株価の推移のみに関心を払っていました。

そのため、ときには企業の長期的経済性とはかけ離れた水準の株価まで跳ね上がったり、逆に低水準の株価に暴落したり、という状態も散見されました。

 

この暴落した瞬間をベンジャミン・グレアムはこの上ない好機とみなしたのです。

長期的に見た適正価格より著しく暴落した株価は、いつか市場が間違いに気づき再評価されるはずである

適正価格に向けて株価が再び上昇したとき、株式を売却すれば利益を上げることができる。これがベンジャミン・グレアムが提唱したバリュー投資の基本です。

 

しかし、ここで注意しなければならないのはベンジャミン・グレアムは投資先のビジネスには注意を払っていなかった、という点です。

ベンジャミン・グレアムは全ての株式を同等に扱っていたのです。

 

ベンジャミン・グレアムの株式売買ルールには以下のようなものがありました。

✔︎ 保有キャッシュ額の半値以下で取引されている企業の株を買う
✔︎ PERが10倍以上の銘柄には手を出さない
✔︎ 購入後に株価が50%上昇したら売却する
✔︎ 購入後の2年間で50%に達しない銘柄も売却する

 

ベンジャミン・グレアムの投資スパンは、それまでの投資家よりは長かったものの10年後の未来を見据えたものではありませんでした。

 

 

永続的な競争優位性を見極める事こそ、投資で勝つ唯一の方法である

 

1950年代、ウォーレン・バフェットはベンジャミン・グレアムからバリュー投資を学びました。

その後、バフェットは、ベンジャミン・グレアムが経営する運用会社に入り、アナリストとして働きました。

 

数千社分の財務諸表を読み込んでいく日々を過ごしたバフェットは、グレアムの引退後、生まれ故郷のネブラスカ州オマハに戻りました。

そこで恩師の投資手法の見直しに着手し、いくつかの事実を発見しました。

 

 

1. 過小評価されている企業は全てが値を戻すわけではない

グレアムの手法により過小評価されていると判断した企業は、そのすべてが株価を戻すわけではありませんでした。一部は実際に破綻してしまうのです。

そこで、グレアムはこのリスクをカバーするべく幅広く分散投資をするという手法を取っていました。ときに投資先が100社を超えることもあったと言われています。

 

 

2. 50%上昇して売却した企業の中にはさらに成長を続ける企業もある

グレアムのルールに則り50%上昇して売却した企業の中には、売却後もずっとずっと長きに渡って成長を続ける企業もありました。これは、宝くじが1億円当たっているのに焦って1,000万円で換金してしまうというような非常にもったいない状況でした。

 

これらの発見からバフェットは「株価が上昇し成長を続ける企業は他と何が違うか」を考えるようになりました。

 

研究の結果、それらの企業はある種の競争優位性により成長を続けられているということが分かりました。

もしそれらの企業が競争優位性を永続的に持ち続けられるのであれば、その企業価値は年を追うごとに増加し続けることになります

そうなってくると、できるだけ長く投資をすることこそが大きな利益をあげる秘訣となります。

 

また、競争優位性をもつ優良企業に投資する手法は、経済的に優れている企業に投資することに等しく、破産の危険性も限りなくゼロに近づけることができます。

リスクを限りなく低くし、長期で保有することで莫大な利益を上げるこの手法こそがウォーレン・バフェットを世界No.1の投資家へと導いた秘訣だと考えられます。。

 

 

1,100万ドルが11億ドルに

 

ここでバフェットの投資の実例を見てみたいと思います。

1973年、バフェットは永続的な競争優位性を持つと判断し、ワシントンポストという新聞社に1,100万ドルを投資しました。

 

バフェットは40年以上そのポジションを保有し続け、長期保有の原則をきっちりと守りました。そして、手放すときにはその価値は11億ドルほどになっていたと言われています。なんと100倍と言う驚きの成長率です。

これこそが、永続的な競争優位性をもつ企業の株式を長期で保有するという手法の絶大な効果だと言えます。

 

 

バフェットの投資を実践する方法とは


「あなたは数え切れないほどの企業の年次報告書と財務諸表を読まなければならない」

「プレイボーイを読む連中もいるが、わたしは年次報告書を読む」

 − ウォーレン・バフェット −

 

ここまで、バフェットの手法が巨額の富を生み出す秘訣を紐解いてきました。

これらを実践するためのカギは、何といっても財務諸表を読み込むことです。ひたすら財務諸表を分析して、企業が長期的に見てどれだけの価値を生み出すのか正確に把握することが重要です。

 

バフェットの理論は、意外にも本質的に難しいものではありません。

ただし、手法は理解できても個人投資家がこの通りに実践するのは難しいでしょう

大多数の方は、平日は本業(会社員)で忙しいですし、終業後や土日を勉強に充てるのは大変な根気を必要とします。

 

個人投資家がバリュー投資を実践する現実的な方法としては、バリュー投資を実践している個人投資家向けヘッジファンドを利用するという方法があります。

彼らは、個人投資家の資産を預かり、投資家の代わりに運用を行ってくれます。このサービスを利用することで投資家は自分自身の時間を拘束されることなくバリュー投資を実践できるのです。

 

ただし、一言で個人投資家向けヘッジファンドといっても多種多様なので注意してください。

バリュー投資をしているのかしていないのか、ファンドマネージャーは実績がある人なのかどうなのか、メンバーは信頼できるのか。

投資をご検討の際は必ず直接説明を聞き、不明瞭な点を確認するようにしてください。

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