これがある企業は儲かる!他社にマネできない競争優位性とは
そもそも「競争優位性」とは何かご存知でしょうか。
競争優位性とは「企業が市場での競争に勝つために、他社にマネ(模倣)できない能力」のことを指します。
ここで重要なのは、単に「競争に勝つための能力」ではなく、それが他社にマネできないという特徴を併せ持っているということです。
一時的に競争に勝つことができても、それが簡単に周りにマネされてしまって長続きしないものは競争優位とは呼べないのです。
例えば、一生懸命開発した新技術でも、すぐに周りがマネして同じような商品を作れてしまう場合、”真”に勝者となることはできません。
最近はiPhone Xが、全面スクリーンを採用し話題になりましたが、すぐに同じようなスマートフォンが他社からも大量に発売されてしまいました(もちろんスマートフォンの競争優位性は、スクリーンだけではありませんが)
レストランであれば、「美味しい料理」で勝負するのであれば、他の誰にもマネできないような美味しさの料理を作れなければいけないのです。
ただ美味しいだけでなく、特別な技術が必要だったり、他では調達できない食材を使っているなど、他のお店が「マネできない美味しさ」でなければいけません。
身近なスマートフォンやレストランであればある程度イメージできるかと思いますが、企業の場合ではどうでしょうか?
テレビでも紹介されていた面白い例を紹介したいと思います。
1日5,000万円も儲かる理由とは!爆売れするFrancfrancのバスソルト
Francfrancで取り扱っている「バスソルト」をご存知でしょうか?
入れ替わりが激しく人気商品が多いFrancfrancにおいて、入浴剤部門で売上1位も記録した大ヒット商品の一つです。
このバスソルトを作っているのが、かつて笑っていいとも!で活躍したタレントのランディ・マッスル氏(の経営する会社)なのですが、なんとその会社は1日に5,000万円もの売上を誇っているようです。
この商品は、イランの上質な塩を使用しており、発汗作用が促進され美容に良いと評判でありながら、1,300円と安価なため、広く人気があり売上に繋がっています。
この「質のいい塩」から作ったバスソルトが「安い」というのが人気の理由なのですが、実はこれこそが競争優位性に裏付けられています。
この「高品質」と「安さ」の両立こそが、他の誰にもマネできないのです。
この上質な塩は、イランにあるウルミエ湖から取れるのですが、イランの湖から塩を採掘するというのが誰にでもできることではありません。
マッスル氏は、国から採掘権を得て、この塩を調達しているのですが、そもそもイランは経済制裁の影響で、他の国の業者が立ち入ることができません。
つまり、この採掘権は、イラン人であるマッスル氏だからこそ採掘権を獲得できたとも言えます。
もちろん、この塩をバスソルトとして日本で販売するためには、日本語はもちろん、日本の商習慣にも精通していなければいけません。
・ウルミエ湖(イラン)で塩を採掘できる=イラン人である
・日本語ができ、日本の商習慣に理解がある
という、複数の条件をクリアしなければ「品質の良い塩」と「低価格(1,300円)」は両立できません。この2つを実現できる、マッスル氏のビジネスには、まさに競争優位があります。
ちなみに、他の業者が、イランの中間業者などを仲介して、同じような商品を作る場合、最低でも3,000円程度(約2.3倍)の価格になってしまうようです。
マッスル氏の企業がいかに優れてるかがわかります。
業績の上がる企業は株価も上がる(儲かる)
マッスル氏が代表を勤める、有限会社マッスルパワーズ は上場企業ではないため、株を買うことはできませんが、株価が上がる(投資で儲かる)企業は、業績が良い(儲かっている)企業です。
株式投資においては、投資先の業績が良いかどうかを調査・分析する必要がありますが、その際に、今回解説したような、競争優位性があるかどうかを判断できれば、その企業が今後も業績を上げ続ける(儲かる)ことができるかどうかを判断することができます。
つまり、その会社の競争優位性が判断できれば、株価が上がるかどうかを判断できるのです。
今回のケースであれば、
・バスソルトを製造している企業であることを知り
・バスソルトが人気な理由は「品質」と「価格(安さ)」であることを分析し
・イランの塩は質が良いこと
・イランの塩を調達するには採掘権が必要なこと
・イランには経済制裁の影響で他国の業者が入れないこと
・代表がイランの人であること
ということを全て把握して、初めて
「この企業の商品は(価格も込みで)素晴らしい」
「他の企業にはマネできない強みがある」
だからこそ、「業績が伸びていきそう=株価が上がりそうだ」という評価ができるということになります。
今回は一つの企業を取り上げて解説しましたが、実際に株式投資をしようと思った場合、3,615社ある(※)上場企業の中から、いくつかに当たりをつけて業績が競争優位性に裏付けられているかどうかを分析しなければいけません。
※2018年4月25日時点
このように一つ一つの企業をきちんと丁寧に分析していけば、「きちんと上がる株(銘柄)を見極める=株で儲ける」ことができるでしょう。
専門的な知識や調査・分析力が必要で根気のいる作業ですが、きちんと根拠のある判断をすることで皆様の投資(資産運用)が上手くいくことを願っております。
※画像は、TBS「坂上&指原のつぶれない店」(2018年4月22日放送)より拝借 http://www.tbs.co.jp/muryou-douga/tsuburenai-mise/001.html