50歳からの資産運用 なぜ個人投資家は損をするのか?行動経済学でわかる素人が勝てない2つの理由

なぜ個人投資家は損をするのか?行動経済学でわかる素人が勝てない2つの理由

株価の動向を左右する要因にはいろいろなものがありますが、最終的には人間が決定します。しかし、投資の世界ではこの「人間の心理」こそが損を出す方向に働きがちという話があるのです。素人投資家が失敗する理由について行動経済学の観点から解説していきます。

最終更新日:2017年07月17日

株価の動向を左右する要因は何でしょうか。

政治、経済、景気・・・これらが影響を与えていることは言うまでもありません。

 

しかし、株の売買の判断は、結局”人間”が行います(システムトレードなどもありますが)。

株価には、最終的には、人間の心理が大きく関わってくるのです。そのため、株の取引において取引をする人たちの心理的な面を考慮することも重要です。

 

この、人の心理と経済を合わせて考える学問に「行動経済学」というものがあります。ここでは、個人投資家が失敗する理由について行動経済学の観点から考えて行きたいと思います。

 

 

 

失敗する理由① 人間はとにかく損をしたくない

投資家の心理の一つとして「とにかく損をしたくない」という気持ちが強いことが挙げられます。

これは誰にでもある気持ちだと思います。

 

ここで一つ、あなたが投資家に向いているかどうかが分かる有名な実験がありますのでご紹介します。

実験

a. 80万円もらえる。
b. 100万円もらえる。しかし、15%の確率でもらえない。

あなたはどちらを選びますか?

 

c. 80万円支払う
d. 100万円支払う。しかし、15%の確率で支払わなくてよい。

あなたはどちらを選びますか?

 

a. は確実に80万円の利益を上げられるという選択肢です。
b. は85%の確率で100万円もらえますので期待値は85万円になります。
c. は確実に80万円の損失が出る選択肢です。
d. は85%の確率で100万円支払いますので期待損失は85万円になります。

 

あなたの選択肢は何だったでしょうか?

おそらく(a,d)と答えた方が多いのではないでしょうか。

 

これは、利益を得るときは確実に欲しいが、損失が生じるときはできるだけ回避したいという心理に依存し、「プロスペクト理論」と呼ばれます。

誰だって損をするのは嫌ですよね。損失はできる限り避けたいし、利益は確実に欲しいと考えると思います。

 

ですが、投資の世界においてはこの心理が失敗につながります

 

投資家として成功するなら、先述の選択肢で(b,c)と答えなければなりません。理由は、期待値を考えたら明白ですよね。

この「プロスペクト理論」に引っ張られると損切りができなくなります。損切りとは自分の保有する株式が下落し始めたら損失が大きくなりすぎる前に売却し、少ない損失で確定させることです。

 

人間は、損失を”確定させる”という行為を心理的に避けたがるので中々この損切ができません

 

例えば、1,000円で買ったものが800円になったところで損切すれば、200円、すなわち20%の損失で済みます。これができずに、ダラダラと保有し続け500円にまで値下がりしてしまい、にっちもさっちももいかないなんてことはよくある話です。

 

逆に利益の方はすぐに確定させてしまいがちです。1,000円の株が上昇トレンドに乗って1,200円になったとします。多くの人は利益を確実なものにしたいのですぐ売却して確定させてしまうのです。

ですが、1,200円、1,400円、1,600円と上昇する可能性はまだまだあります。仮に、2,000円まで値上がりする見込みがある株でさえ、1,200円ですぐに利確させてしまいたくなりがちなのが、”素人投資家の心理”なのです。

利益を得るときは大きく得られるように、利確させたい気持ちにじっと耐える忍耐強さが必要なのです。

 

 

失敗する理由② 人間はとにかく自分がコストを費やしたものを大切にする

有名なエピソードに「コンコルドの誤謬(ごびゅう)」と呼ばれるものがあります。コンコルドとはイギリスとフランスによって共同開発された飛行機でマッハ2ものスピードが出ることが話題となりました。

通常6時間かかるロンドン〜ニューヨーク間をなんと3時間で移動できるというのが”売り”でした。

 

しかし、開発途中でコンコルド事業は黒字になる確率が極めて低いことが判明しました。莫大な開発費や維持管理費と比較して輸送できる人員が少なかったためです。

 

こういった状況の中でも、イギリスとフランスは開発をやめることができませんでした。なぜなら、それまでにも多額の開発費用を投入してしまっていたからです。

結果は散々で250機の受注が採算の水準ラインと言われている中、20機の製造で終わってしまいました。

 

途中でやめるという判断ができなかったために、損失が拡大してしまったと言えます。

 

このように、既に投入して回収できないコストの事を「サンクコスト(埋没費用)」と言います。この”サンクコスト”が将来の行動に悪影響を与えることを「サンクコストの過大視」と言います。

 

投資の世界において、サンクコストはどのような悪影響を及ぼすでしょうか。それは、”ナンピン”と呼ばれる行動に現れます。

 

ナンピンとは、「自分が購入した株が値下がりしたときに、売却して損切りするのではなく買い増しを続けることで、平均購入価格を引き下げ、より利益を出しやすくする手法」のことを指します。

つまり、既に損が出てしまっている株価に対して、“なんとか利益に繋げられないものか”と手を尽くす、言わばムリやりな方法なのです。

 

確かに、価格が戻れば利益が大きくなるのですが、値下がりし続けると損失は拡大し続け目も当てられない状況になります

ナンピンだけはするな!と唱える人もいるくらい、致命的なダメージを被りかねない手法で本来は避けるべきです。

 

しかし、自分が時間を掛けて選択した銘柄であったり、すでに資産を投入してコストを費やしていたりすると、このナンピンを選択してしまいたくなります。

つまり、サンクコストが生じているため、途中で売却して手じまいにする(損きり)という事が非常に難しい心理状態になっており、正しい判断ができなくなるのです。

 

 

 

訓練を受けていなければプロに任せよう

 

人間の心理は、投資の世界で成功しにくいようにできています。

一部の訓練を受けた専門家だけが、それらの障害を克服しファンドマネージャーとして活躍しているのです。もちろん、一般の個人投資家でもじっくり訓練を繰り返していけばいつの日か克服できることでしょう。

 

しかし、一朝一夕で出来るものではありません。そのため、これから投資を始めるという方は専門家に運用を任せるというのも一つの手段です。

投資信託もありますが、管理人としてはヘッジファンドの方が断然おススメです。ヘッジファンドについては以下の記事などで紹介していますので、是非チェックしてみて下さい。

 

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