50歳からの資産運用 詐欺に要注意!「元本保証で高利回り」をうたった金融商品の危険性とは

詐欺に要注意!「元本保証で高利回り」をうたった金融商品の危険性とは

世の中には多種多様な投資話がありますが、その中でも「元本保証で高利回りをうたった投資案件」は詐欺の可能性があります。
今回は、投資詐欺とはどのようなものなのか、元本保証とどのような関係があるのかについて詳しく紹介し、詐欺に引っかからないようにするために重要なポイントについて解説していきたいと思います。

最終更新日:2023年01月10日

 

「元本保証」をうたって出資者を集める投資詐欺は、定期的に金融の世界で話題になります。

 

「大切な元本を減らさず、しかも確実に年利10%で運用」などと聞くと、ついつい飛びつきたくなってしまうかもしれませんが、そこは一度冷静になり、投資商品の「健全性」を確認する必要があります。

 

今回は元本保証をうたった投資商品がなぜ危険なのか、そういった詐欺商品は投資家達をどのように騙しているのか、ということについて説明していきたいと思います。

 

 

投資詐欺の代表格:ポンジ・スキーム

 

まずは、最も代表的な投資詐欺のスキーム(仕組み)を紹介・解説したいと思います。

国内外には大小様々な投資詐欺が存在していますが、一番典型的な詐欺スキームが、この「ポンジ・スキーム」といわれるものです。

 

これはチャールズ・ポンジ(Charles Ponzi)が、1920年代にアメリカで行ったことにより命名された詐欺手法で、仕組みとしては、まず架空の投資話を設定するところから始まります。

 

チャールズポンジは、

「国債返信用切手の交換レートと外貨の交換レートに差があり、その利鞘で稼ぐことが出来る」

という、いかにも実際にありそうな非常に巧妙な投資話を作り、「確実に90日間で40%の利回りが出る」として投資家を募りました。

 

さて、この投資話に乗っかった人達から一気にお金を集めるわけですが、実際には集めたお金をきちんと運用するわけではありません。

というよりは、そもそもそんな投資案件が存在しないのです。

資金は運用せず、そのままプールしておきます。

 

そして、投資家達に配当を渡すタイミングになると、このプールされている元本をそのまま切り崩して“見せかけ”の配当を与えていくのです。

投資している人達は実際に配当を受け取ることができるで、投資話が本当にあったのだとより一層信じることになります。

 

さて、運用をしていないので、配当を支払い続けるといつかプールしていた資金も底をついてしまいますが、それを防ぐ為に、チャールズポンジは継続的に新規の出資者を募りました。

 

新規の出資者の投資資金を切り崩して、投資家達に配当を支払う。

投資家達の間では、実際に配当が入って来るので投資案件としての良い噂が広がり、さらに新規の投資家が流入する。

 

もちろん、投資家達の元本はどこにも存在していないので、投資家が一斉に資金を引き出したいと言っても、対応することができません。

この、投資家の出資金をそのまま配当に充てるという単純な活動を自転車操業で繰り返していくのが、ポンジ・スキームと言われる詐欺の仕組みです。

 

歴史上で最も被害総額の大きかったポンジ・スキームの事件はバーナード・マドフ(Bernard Lawrence Madoff)というアメリカの詐欺師による事件で、なんと被害総額は6兆円にも達したと言われています。。

 

 

元本保証とポンジ・スキームの一般的な関係

 

さて、「元本保証」をうたって投資家を集める活動と、上記でみてきたポンジ・スキームとはどのような関係にあるでしょうか?

 

ポンジ・スキームをもとにした詐欺では、投資家を継続的に集めないといけないため、投資案件を非常に魅力的に見せる必要があります。

そこで、「元本保証で確実に年利30%が出ます!」といったようなうたい文句で投資家を集めるのです。

 

 

しかし、そもそも元本保証を約束して出資を取り付けること自体が、実は「違法」です。

これは、「出資法」という法律により規定されているもので、これによると、銀行などの一部金融機関を除いて、「元本の返還が約されている」ものを禁止しています。

出展:事務ガイドライン 第三分冊:金融会社関係 http://www.fsa.go.jp/common/law/guide/kaisya/02.pdf

 

これは金融リテラシーの低い人たちを、詐欺などから守る為に存在する決まりなのですが、それほどまでに「元本保証」という言葉は人々を惹きつけやすく、また危険な側面が大きいのです。

 

 

投資の話を聞いた時にどのような点に注意すべきなのか

 

基本的に「元本保証」という言葉が飛び出した瞬間、「怪しいな…」と思った方が賢明でしょう。

公に元本保証をうたってよいのは、銀行くらいです。

 

いかなる投資案件であったとしても、「元本は保証されていますか?」という質問に対しては、「いいえ、元本を下回る可能性があります」としか回答しえません。

 

逆に、自分が投資を検討している案件があるのであれば、元本についてはまず自分から聞いてみるのが良いと思います。

 

加えて、自分の全く未知の投資案件の場合は、よほど信頼出来る筋の人からの話でない限り、警戒したいところです。

「洞窟への投資」「養殖業への投資」等々、世の中には多種多様な投資案件が溢れていますが、知識のない状態で説明を聞くと、だいたい良く聞こえてしまうものです(説明する側も出資者を口説くつもりで巧妙な説明をしてきます)。

 

やはり一定以上の金額を投入するのであれば、「株式投資」や「不動産投資」等、最低限自分が理解出来る内容の投資に留めておいた方が懸命でしょう。

 

利回りについても、不自然に高いもの(「安定して30%」など)は逆に怪しむべきです。

世の中にそんなに美味しい話は簡単に転がっていません。

 

 

限りなく詐欺的な手法のファンドにも注意

 

詐欺とは呼べないものの、限りなく詐欺的な手法で運用しているファンドにも注意しましょう。

 

FXファンドなどでよくある手法なのですが、とにかく限界までレバレッジをかけてハイリスク・ハイリターンの投資を仕掛け、投資家の資金を高いリスクにさらす手法です。

 

さて、このような運用をする悪徳ファンドは、成功報酬として上がり幅の数十パーセントをとる契約を結んで一か八かの勝負をしかけます。

そこで運良く勝負に勝てれば、投資家としてもファンドとしても儲かるので問題なく大金を得て事なきを得ます。

 

ただし、負けてしまった場合には投資家の資金を完全に溶かしてしまうことになります。

高いレバレッジをかけているために、元本が丸々なくなってしまうようなことも往々にして起こり得ます。

 

この場合投資家に対しては、「予測不能なマーケット状況の荒波に捕まり運用に失敗してしまいました」などと謝るのみです。

この場合投資家は資産を大きく失いますが、実はこれらの悪徳業者は他人(出資者)の資金で勝負をしていただけなので実質的に損失はありません。

 

ポンジスキームのような明確な投資詐欺とは言えませんが、このような、投資家の想定を遥かに超えたハイリスクな投資をする手法も、非常に悪質であることには変わりありません。

 

株式投資をしている、不動産投資をしている、FX投資をしている、という運用方法を聞いた上で、投資家としてはとっているリスクを充分にチェックしなければなりません。

 

過度なレバレッジをかけている場合や、何か一つの銘柄に極端な集中投資をしている場合などは、実はリスクが内在しているかもしれません。

危険な投資案件をさけ、優れた金融商品に投資して確実に資産を運用していきましょう。

 

危ないファンドの見分け方については、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある人は是非ご一読ください。

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