株に必勝法は存在するのか
「株式投資で勝つ方法」
「株式投資の必勝法」
「株式投資の達人が教える!絶対に勝てる投資術」
こういったタイトルの雑誌や記事を、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
胡散臭いカリスマトレーダー”もどき”や、実力派個人投資家風の人間が出てきて、自身の投資哲学や必勝法を語るような記事です。
実際に自分で投資を始めようとしている方は、ついついそういった「必勝法」を語る記事や、その内容が気になってしまうでしょう。しかし、これらの必勝法を鵜呑みにして投資をするのは絶対に避けるべきです。
彼ら「カリスマトレーダー風」の人間達は、「株式価格がこのような動きをしたら絶対に買いだ」「東京オリンピックまでは〜系株式が絶対い買いだ」といった断定的な提言をしますが、それらに本質的な根拠は何もありません。
彼らの言う事を信じて彼らの投資方法を踏襲しても、何一つ成果は得られないでしょう。
株式市場では常に「人間 vs 人間」
巷に溢れる、株式投資の「必勝法」とは、一言で言えば「こういう株を買えば確実に勝てる」「こういうタイミングで買えば勝てる」というような、成功が約束された株の買い方のことです。
しかし、大前提として、「株価」というのは、そもそも本来的な価格が決まっていてそれを人々が当てる、「神様 vs 人間」のゲームではありません。
「株価」というのは、買う人達がその値段を決める「人気投票」のゲーム、つまり「人間 vs 人間」のゲームなのです。
言い換えると、事業が何一つとして成功しておらず、事業ドメインとしても将来性がなく、持っている資産もボロボロ、そんな会社であっても、万が一社長のプレゼンが抜きん出て上手く、投資家達の心を掴めるのであればその会社の株価は高くなります。
「その会社の株価は上がるに違いない」という大衆の勘違い自体に、株価を引き上げる効果があるからです。
そして多くの投資家が買いに走り会社の株価が値上がりすれば、その他多くの投資家にとっても、それは一見魅力的な銘柄に映るでしょう。「この会社の株価は今上がっているので、今後も上がり続けるかもしれない」と考える人がいるためです。
その会社に本来的には何の価値もなくても、そういった株を古くから持っていた人は、投資家としては勝ちなのです。
この「株式市場(株価)=人気投票」という性質に注目すると、「必勝法」というものが存在するとすれば、それは「常に人々の心理がどう動くのか」を言い当てられる方法、ということになります。
常に勝ち続ける為には株式市場の争いに参加しているプレイヤー達の心理を全て把握し、常にその一つ上を出し抜いていくことが必要になるのです。
マーケットに対する深い洞察と経験を前提にして、色々な条件の元で、「世の中にこのくらいの情報が出ているので、経験則としてこの程度の値動きがあるだろう」という見通しを立てていくことこそが、この必勝の為に必要な技術・能力になります。
さて、この勝つための能力自体は確実に存在するはずで、このため「優れたとレーダー」と「無能なトレーダー」がいることは間違いありませんが、ここで言う勝ち方を「一言で」もしくは「一記事で」書き切ることは、果たして本当に可能でしょうか?
株価推移の予想をたてる場合には、その株式のこれまでの株価の推移に加えて、日本の株式市場全体のセンチメントや為替のトレンド、そして当該企業の持っている本質的価値や、それがどの程度世の中に知られているのかを考えなければいけません。
また、企業内の人員構成に加えて、事業ドメイン自体の将来性、加えて競合の状況や投資可能性のある法人の動き、既存株主の動きや、当該企業と関係の深い大手金融機関のリアクション等、全ての状況を考慮に入れる必要があります。
(書いているだけで気が遠くなってきました・・・)
優れた投資家が特定の銘柄に投資する理由は「総合的に考えて良い株だから」という理由であって、「株価の動きが〜だから」「新規事業が〜だから」といった部分的な理由にはなりえないのです。
私の知る限り、優秀なトレーダーであるほど、考慮している要素が多く・そして深いことは間違いありません。
本当に優れた人間の考察は、とてもではありませんが一言で書けたり一記事に収まったりするものではないのです。
株について詳しく知りたければ、専門家の話を聞くのがオススメ
今回私が伝えたいのは、「こうすれば確実に勝てる!」や「これが株式の勝ち方だ!」といった、“安易に”必勝法を謳ってくる記事は、少なくとも疑ってかかるべきだということです。
これは記事に限らず、例えば証券会社の窓口で何も分かっていない営業マンから「今この投資信託が人気です」と勧められる場合も同様です。
➡︎ 本当に頼りになる投資アドバイザーは誰か!?銀行や証券会社に相談してはいけない3つの理由
➡︎ 投資信託だけは買ってはいけない3つの理由 − 金融のプロはどうやって儲けているのか
浅い知識で中途半端に判断することが、最も危険なのです。投資の世界は奥が深く、何も分かっていない素人が中途半端な知識で売り買いをしたところで長期にわたって勝ち続けることは難しい、高度で複雑な戦場なのです。
投資を始めることを考えているのであれば、まずはあなたの身の回りにいる、頼れる金融関係者や、ファンド(ヘッジファンド/投資ファンド)の関係者などに問い合わせてみるのが良いでしょう。
海外のファンドなどは最低出資金が1億円などと、なかなかハードルが高いものも多いですが、国内の小型ファンドであれば、数百万〜出資できるところも見つけることができます。
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