「VALU」というサービスをご存知でしょうか?
これは、株式会社VALUが運営しているサービスであり、新しい形の投資のプラットフォームです。
一部でこれを使って儲けている人もいるということなので、今回は、この「VALU」が”投資対象”としてどうなのかを考察していきたいと思います。
VALUとは
「VALU」の仕組みを簡単に説明したいと思います。
「VALU」では、個人が”VA”と呼ばれる売買可能なポイントのようなものを発行ます。そして、それを欲しいと思った人達がポイントを購入することで資金を集めることが出来るのです。
VAを発行する個人は、そのポイントを発行するに際して、その購入者に優待を設定することができますが、必ずしもその必要はありません。
つまり、優待のないVAを買う人は、純粋にその発行者を応援したいということになります。
その人のVAを持つこと自体に価値を感じている人、つまり”ファン”がVAを買うのです。
ここまでの仕組みを見てみると、個人がプロジェクトを立ち上げそれに対しての応援を募る「クラウドファウンディング」と類似していると思われるかもしれません。
クラウドファウンディングとの違いは、「プロジェクト」を応援するか「人自体」を応援するのか、という点です。
そして、クラウドファウンディングと最も異なる点は、発行されたVAをその後「自由に売買できる」ということです。
VAは金融商品?
株式会社VALUは当初、このサービスを「個人が発行出来る株式」として売り出してきました。
確かに、ここまでの話を整理すると、VAとは「個人が発行出来る株式」のとして捉えることもできます。
しかし、「VA」は、今のところではありますが、金融商品ではないという扱いになっています。
つまり、一般的な金融商品に適用される法律が、VAの取引に対しては適用されないということです。
これに伴い、Youtuber(ユーチューバー)のヒカル氏によるインサイダー紛いの事件が最近問題になりました。
人気Youtuberであるヒカル氏が、自身の知名度を生かしてVAを発行し、その後、VA保有者に優待を付けることをほのめかしてVAの価格を意図的につり上げました。
その後、ヒカル氏の関係者がそのVAを売り抜いてキャピタルゲインを得て、またヒカル氏も自身の保有していた5,000VAを売りに出しました。
これによりVAの値段は暴落します。
結果的に、ヒカル氏とその関係者が合計で5,000万円の利益を得た一方で、そのヒカル氏を応援してVAを買ったファンが損をするという事態を引き起こしました。
この件については、同様のことが株式による取引で行われていたら「インサイダーに当たるだろう」と指摘されています。
VAは金融商品ではないのでインサイダーとして摘発されることはなさそうですが、一方で「優待をつける」という説明については”詐欺罪”として指摘される可能性が充分に残っています。
VALU、そして様々な投機的商品
VALUでは、「有名人のVAを初期から保有し、高値になった時に売り抜く」ことで儲けるような”投機的”な手法で利益を上げている方もいるそうです。
さて、このVALU限らず、世の中には様々な種類の投資があり、その儲け話は後を絶ちません。
最近ではビットコインを始めとした仮想通貨が話題ですが、Rippleという仮想通貨によって数千万円から数億円の利益を得ているような人も実際にいます。
私自身は、安定した運用ということで「リスクを抑えて10-20%の利益を目標とする」という投資戦略を採っているので、こういった「ある種様々なリスクと向き合いながらの投機はしない」と決めています。
一方で、少「ない元手から一攫千金を狙いたい」という人もいるはずで、こういった方にとっては価値のある投資法なのだろうとも思います。
何も、「安定的に資産を運用すること」が全てではありません。
何十倍ものレバレッジをかけてFXをするような人もいて、その手法により一晩で億万長者になる可能性もあります。
ただし、今回のこのVALUの件でヒカルさんのVAを購入してしまった人のように、取引をしている張本人達が、どのようなリスクがあるのかを正しく理解出来ていないことは相当な問題だろうと思います。
「儲かると聞いたのに損をした」という負の感情しか残らないからです。
「儲かること」「損をすること」自体ではなく、最も重要なのは「自分のリスクやリターンに対しての理解を深めること」だと思います。
皆さんも様々な情報に触れ、金融に対する教養を高めていって頂ければと思います。一緒に頑張りましょう。