50歳からの資産運用 資産運用 なぜテクニカル分析では勝てないのか?デイトレはしない方がいい理由とは

なぜテクニカル分析では勝てないのか?デイトレはしない方がいい理由とは

近年、投資が一般的になってきたとはいえ、個人投資家の方がアクセスできる情報はまだまだ偏ったものが多い現状です。よくメディアで扱われるデイトレの投資手法などには確固たる根拠もなく、その実はギャンブルと呼ばざるを得ません。その理由を解説します。

資産運用
最終更新日:2017年09月10日

本屋やマネー系の情報雑誌を見ると、「100万円が3年で1億円に!」というようなキャッチーなタイトルのもので溢れかえっていますし、テレビなどでも「1日30分で月収300万円を達成する」といったような株式の短期売買を勧める内容のものばかりです。

 

こういった「短い期間(時間)で稼ぎを得よう」とするものの多くは、チャート分析を根拠に売買をする“テクニカル分析”を主としているものが大半です。

 

「短期売買で利益を得る」ということには人を惹きつける魅力と言うか、魔力とも呼べるような何かがあります。

 

誰でも短期間でお金が何倍にもなったらうれしいですよね。

 

雑誌などのメディアは、多くの人の関心を集める必要があるため、興味を惹きつけやすい短期売買の記事ばかりを扱うのだと思います。

 

しかし、金融に関わる仕事をしているプロのファンドマネージャーや機関投資家の中では、テクニカル分析は実はあまり重んじられていません。

 

資産を増やす方法としては適切ではないのです。

 

もちろん、デイトレ(デイトレード)で資産を増やしたという人も中にはいますが、多くの人はそのあと損をし、結局マイナスになってしまっています。

 

言うなれば、デイトレはギャンブルに過ぎないのです。

 

 

なぜデイトレが普及したか

 

では、なぜデイトレは普及したのでしょうか?

その理由としては「規制緩和」や「技術の進歩」といった背景があります。

 

1. 規制緩和

以前は、証券会社に支払う売買仲介手数料が固定されていましたが、規制緩和と共に自由化されました。

ネット証券も誕生し、手数料がどんどん安くなることで、1日に何回も取引することが可能になっていったのです。

 

 

2. 技術の進歩

また、取引自体もパソコンの前でクリックするだけよくなり、売買手続きも容易になりました。

 

さらに、様々なテクニカル分析の指標を個人でも簡単に使えるツールも発達し、取引量は増加していきました。

 

情報という側面においても、インターネットの普及により、かつては金融機関のプロに優先的に集まっていた情報が、個人投資家でも素早く手に入れられるようになったのです。

 

このように情報格差がなくなってきたことも、デイトレ普及の一因と言えます。

 

そして、デイトレが普及したことで、ある期間で見るとお金を増やしているという人も増えてきました。

 

資産が長期的に見て本当に増えたのかは定かではありませんが、一時的にでも増えていればメディアは取り上げます。

 

上手くいけば儲かる方法として世の中に認知されたので、参加者が増えていったのでしょう。

 

 

デイトレが勝てない理由はランダム・ウォーク

 

デイトレは一時ブームにはなりましたが、長期的に見て勝ち続けるのは不可能に近いでしょう。

 

デイトレで売買の根拠に用いるのはチャート分析です。

この分析手法には、様々なものがありますが、有名なのは「ゴールデンクロス(短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から交差する)」などでしょうか。

 

あるチャートの形について言及し、必勝パターンを主張する人は山のようにいますし、そのパターンも星の数ほどあります。

 

これらに共通しているのは、「過去の値動きの結果をもとに、未来の値動きを予測する」ということです。

 

しかし、これは全くナンセンスな投資手法です。

 

なぜなら、株価の動きは「ランダム・ウォーク」だからです。

過去の値動きをもとに、将来を予測できる合理的な理由はありません。

 

「株価の動きに法則性があるのか?」

この問いに対して様々な経済学者がこれまで研究を重ねてきました。

 

その結果、株価は効率的な市場においては、短期的にはランダムに動くという事が確かめられています。

 

効率的な市場とは、株価形成に影響を及ぼす情報が瞬時に広まり、情報格差がないような市場を指します。

 

この効率的市場においては、株価の短期的な動きは「ランダム・ウォーク」「ブラウン運動」などと表されます。

 

ブラウン運動とは、水中の粒子などが全く不規則に動くことを指します。ブラウンが水中に浮かんだ花粉の粒子を観察することで見つけたと言われています。

 

こういった動きを予測しようとすることは無意味で不可能なのです。

 

デイトレで資産を築いたという人も存在しますが、運が良かっただけだと言わざるを得ないでしょう。

 

市場への参加者が多ければ、たまたまで勝ちを拾う人もある程度は出てきます。世の中には宝くじに当たる人もいるのですから。

 

世の中に溢れる雑誌などの記事に、確固たる根拠が無いということは肝に命じておいた方がよいかもしれません。