ファンド人気は右肩上がり
個人レベルで資産運用をする人が増えている中で、改めて「ファンド」での運用に人気が集中しています。
以下のグラフを見ても、リーマンショックのあった2009年以降純資産残高、ファンド数ともに右肩上がりに急激に数、規模(資金)を増加させ、2018年時点では、純資産残高が約100兆円、本数も6,000本を超えるまでに規模を拡大させていることがわかります。
参考:2018年の市況 ファンド オブ ザ イヤー (Fund of the Year) 2018 | モーニングスター アワード
http://www.morningstar.co.jp/event/foy2018/market.html
このように人気が高まっているファンドでの運用ですが、その中でも注目すべきは投資のプロであるファンドマネージャが運用する「ヘッジファンド」のような、より専門的なファンドでの運用です。
証券会社で取引されている「投資信託」のことをファンドと呼ぶこともありますが、その本質はまるで違います。
ここでは、より専門性の高いプロが運用する「ファンド」の魅力について考えてみましょう。
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ヘッジファンドが人気な3つの理由
運用が安定している
ヘッジファンドは、何と言っても運用が安定しています。以下のグラフは、日銀のレポートによるもですが、全ての期間において、株式市場の利回りを上回るリターンを記録していることがわかります。
参考:日銀レビュー 最近のプライベート・エクイティ・ファンドの増勢について(2018年4月)
https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2018/data/rev18j01.pdf
2006~2017年の約11年間で2倍近くのリターンを出しているので、年平均6~7%の利回りになります。個人が株や投資信託でこれだけのリターンを記録することは簡単ではありません。
と言うと、「年6~7%なら自分にも」と思った人もいるでしょう。確かに単年であれば、ありえなくもない数字ですが、これを10年以上にも渡って安定して継続することが非常に難しいのです。
もちろん、ファンドのリターンも必ずしも一定ではありませんが、平均して6~7%ということは、それ以上のリターンを残した年もあるということです。
ファンドは投資のプロであるファンドマネージャが運用するという専門性だけでなく、その資金力やネットワークを駆使しているためにこれだけのリターンを残せています。
きちんと実力に裏打ちされた実績(パフォーマンス)と言えるでしょう。
手間がかからない
ファンドの運用が人気の理由には、「運用が楽(ラク)」ということも理由として考えられます。
一度ファンドに預けてしまえば、あとはファンドマネージャが運用してくれるため、あとは放っておいても勝手に運用されます。
自分で株や投資信託を買ったときのように、銘柄選びに四苦八苦しながらチャートや四季報、決算報告書などととにらめっこをする必要もありません。
また、日々の値動きに一喜一憂することもありません。というか、できません。
自分で運用する場合は、常に自分の資産が上下しているため、心が休まらないこともあります。特に、相場が荒れているときなどは、仕事が手に付かなくなるかもしれまんせん。
ファンドの場合、預けている資産は、定期的なレポートによって運用の成果の報告を得るため、常に気にしていても仕方がありません。月に一度や、四半期に一度のレポートのタイミングでのみ確認することになります。
その間、自分の資産を確認できない、すぐに換金できないなどの流動性リスクはありますが、時間的に手間がかからないだけでなく、精神的にも健全に運用できます。
社会的な意義もある
ファンドで運用すると、単にお金儲けという意味だけでなく、社会的な価値・意義のあるお金の使い方をすることにもなります。
自分で株を買っているだけの場合、単にお金が増えたor減ったという結果しか残りませんが、ファンドを通じて投資することで、株主としての立場を活かし、会社経営や事業運営の改善に関わることができます。
あくまでも、資金を提供するだけなので、間接的な関わり合いにはなりますが、例えば地方の中小企業や、経営に課題を抱える非上場企業などに投資するファンド(PEファンドなど)に投資することで、結果的に日本の社会問題や、社会課題の解決に寄与することにも繋がります。
また、その結果として、投資家(出資者)として利益を得ることもできます。単純なお金儲けに止まらない価値も期待できるのがファンドで運用することの魅力なのです。
運用の目安は1,000万円
このようにメリットの多いファンドでの運用ですが、投資家の数を限定しており、最低出資金のハードルも高くなります。
設定額はファンドによって様々ですが、1,000万円を一つの目安にすると良いでしょう。
また、基本的には「私募」のため口コミや紹介での出資となります。直接問い合わせることのできるファンドもいくつかあるので、興味のある人は是非ランキングを参考にしてみてください。