セミナーには必ず目的がある
世の中に資産運用セミナーはごまんとありますが、有料・無料関係なく、セミナーを開催する側にも必ず目的があります。
慈善事業でもない限り、全ての活動は、企業・組織の利益に繋がっていると考えるべきです。
ここでは、数ある資産運用セミナーの裏に隠された真の目的から、セミナーに参加することがいかに無意味かを考えていきたいと思います。
セミナーそのもので収益がある
これは有料のセミナーに限りますが、参加費を徴収しているセミナーの場合、セミナーそのものが利益目的の場合も少なくありません。
たくさんの参加者を集めて、参加費を徴収すれば、その会自体で収益を得られます。
その際、セミナーの内容が資産運用に対して有益であるかどうかは重要なことではありません。
要は、人を集められさえすればよいのです。
「セミナーに参加した結果、受講生が投資に成功して利益を得る。その利益のxx%をいただきます」
というのであれば、セミナーの内容にも期待できるかもしれませんが、参加した時点でお金を払ってしまっているセミナーで、有益な情報が得られるかというと甚だ疑問です。
営業目的である
有料セミナーが利益目的であることは、簡単に想像がつくかと思いますが、実は無料セミナーであっても油断はできません。
無料セミナーの場合、セミナーの中で自社の商品を営業(販売)してくる場合があります。
〇〇手法について解説をして、「凄そうだな」「でもちょっと難しいかも」と考えているところに、「これを使えば簡単にできますよ」といってツールを売り込んでくることは珍しい話ではありません。
あるいは、自社の有料サービスに加入するとか、セミナーを通じて会社そのものの認知度を高めようとする広告効果を狙ったものも存在します。
無料セミナーだからといって油断はできません。
個人情報を収集している
一切金銭のやりとりがなかったとしても、個人情報を集めている場合もあります。
セミナーに参加すると、アンケートと称して、あなたの名前や年齢、職業、連絡先などを求められるでしょう。これらの情報は自社でのサービス品質の向上や、メール・チラシといった広告に活用されます。
セミナーの前後で一切お金を払わなくとも、開催側にメリットはあるのです。
そもそも大して有益な情報が得られない
ここまでは「セミナーを開催する側に裏の目的がある」という話でしたが、セミナーそのものについても、大切な時間を割いて参加する意味があるのかを考えてみましょう。
セミナーは2~3時間を要するものがほとんどです。
そんなにも長い時間、受講者の気持ちを掴んでいるためには、セミナーの内容を面白いものにする必要があります。
セミナーは、受講者(参加者)に満足して帰ってもらう必要があるので、当然開催側はその2~3時間を「面白かった」と思ってもらえるような内容に仕上げてきます。
つまり、セミナーとは講義というよりもプレゼンに近いのです。
もちろん、ある程度の知識を得られたり、基本的な考え方を説明はしてくれるでしょうが、真面目に勉強をしたいのであれば、書店に行って、たくさん並んでいる本の中から自分に必要なものを選んで読めば十分です。
そもそも、優秀なトレーダーであれば、セミナーなどではなく本業のトレーディング(投資業)に専念しているはずです。
そのことを考えても資産運用セミナーに登壇する人間の話を聞くことが本当に有益なのか疑問が残ります。
ヘタなセミナーではなく、著名な投資家の話を聞く
セミナーは、開催側にメリット(営利目的、営業目的、個人情報収集など)があり、一方でその内容はたかが知れています。
投資のテクニックや、一般的なやり方・理論を学ぶのであれば、本を何冊か読む方が遥かに有益でしょう。
時間もお金も節約することができますし、何よりたくさんの情報が手元に残ることを考えれば、こちらの方がはるかに費用対効果が高いはずです(少ない支出で高いリターンを得るのは投資の基本ですね)
それでも「誰かの話を聞いてみたい!」というのであれば、有名な投資家やヘッジファンドのマネージャなどの講演会が良いかも知れません。
カリスマトレーダーとして知られ、ひふみ投信の代表取締役社長兼CIO(最高投資責任者)を務める藤野英人氏の講演会などは良いかもしれません。
藤野氏は、まさに日本のトレーダー(ファンドマネージャ)として、最高峰の人物であり、彼の投資観や理念などに触れることができれば、資産運用において重要な本質を理解できる可能性もあります。
ちなみに、彼自身も、偉大な投資家として知られる本多静六氏や、世界的な投資家であり、オマハの賢人と称され、世界最大規模のヘッジファンドの一つである、バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway Inc.)の創業者、ウォーレン・バフェット(Warren Edward Buffett)氏から学ぶものがあると、インタビューなどで度々応えています。
ちなみにバフェット氏が語る、バークシャー・ハサウェイの株主総会は、世界中の名だたる投資家がこぞって参加しますし(そのために株主になるトレーダーも少なくありません)、2019年には、彼とのランチの時間を5億円で落札した人がいるとのニュースもありました。
それほどまでに、優秀な投資家の話は、タメになることも多く、有意義なものです。
いくつかのインタビュー記事などを読めばわかることですが、その中で語られているのは、「投資のテクニック」などではなく、理念や資産形成についての価値観などです。
先人・賢人に学ぶのであれば、こういったより投資の本質に近いものの方が有益なのではないでしょうか。
投資・運用を始めようと思ったときに、何から手をつけて良いかわからず、ついついネットに転がっているようなセミナーに手を出してしまいたくなります。
確かに「〇〇必勝法伝授」「〇〇テクニック解説」などと聞くと興味を唆られますが、安易に飛びついてはいけません。
その程度の情報であれば、本やネットで十分なのです。
あなたの時間を何に費やし、どんな知識を理解するかというところから既に投資は始まっています。
無駄なことに時間もお金も費やすことが無いよう、気をつけましょう。
ひふみ投信
■ ファンド名:ひふみ投信
■ 運用会社:レオス・キャピタルワークス株式会社
■ 最低出資額:毎月1万円から積み立て可能
■ 主な投資戦略:国内成長株、外部環境に合わせた柔軟な運用
■ URL:https://www.rheos.jp/
藤野 英人(Fujino Hideto)
参考、画像出展:藤野 英人 | 運用部インタビュー | レオス・キャピタルワークス株式会社
https://www.rheos.jp/interview/fujino.html