【不動産業】今村さんの場合
今回は「不動産屋」の方々の資産運用について考えていきたいと思います。
誰しもがお世話になっている不動産屋さん。個人の資産運用としても注目を集めやすい不動産投資ですが、それを仕事に生活をされている不動産屋さんの資産運用はどのような方法が考えられるのでしょうか。
今回は、その一例として、埼玉県で不動産業を営んでいる、今村さん(仮名)にお話を伺いました。
※一部個人が特定できる内容については内容を伏せてありますがご了承ください。
インタビュー対象者:今村貴之(仮名)57歳。埼玉県川越市で不動産業を営まれている。本業が投資の要素も含む「不動産」であるが個人の資産運用についてはどのようにお考えなのか、詳しくお話を伺ってきた。
– 本日はよろしくお願いいたします。まずは簡単な自己紹介をお願いします。
今村:今村と申します。埼玉県の川越市で不動産屋をやっております。両親と妻と2人の子供と暮らしています。
– どういった経緯で今のお仕事をされることになったのでしょうか。
今村:元々父がやっていた不動産業を引き継いだ形になります。親父もまだ健在ですが、体力的に厳しくなってきた面もあり、10年ほど前に長男だった私が引き継ぎました。
– 元々は別のお仕事をされていたんですか?
今村:親父の仕事を引き継ぐ前も不動産関係の仕事をしていました。将来的に今の形(お父様の仕事を引き継がれること)になるのは、ある程度想像できていたので、それを見据えての就職でしたね。
– かねてより不動産業界に就職される展望がおありだったのですね。現在のお仕事はどのような感じですか?
今村:親父の代から引き継いだ地盤があるのでなんとか家族は養えています。仕事人としてはまだまだ半人前なところも多いんで親父に助けてもらうことも少なくありませんが。最近は大手の企業さんが強いんで厳しいところも多いですが、日々勉強しながら頑張っています。
– 不動産のお仕事と言うと、賃貸や管理のイメージが多いですが、どういったことをされているのですか?
今村:もちろんそれらの仕事も重要ではあります。賃貸収入は重要ですし、住んでいただく方に気持ちよく住んでもらうこと、また物件をより良い状態に保つことも重要なことですので。加えて、物件そのものをどうするかについてもいろいろと考えなければいけません。
– 考えるというと、具体的にどのようなことをされるのでしょうか。
今村:まずはじめに今ある物件をただ持っていればいいというわけではありません。街の発展や人気の上下もあるため、最も利益率が高くなるように絶妙な家賃を設定する必要があります。高ければ、入居があったときの収入が大きくなりますが、空室になるリスクが上がりますし、逆もまた然りです。
– なるほど。難しそうですね。
今村:もちろん、今の話も重要なのですが、家賃の調整だけでは限界があります。物件自体の売買を検討する必要もありますし、物件のリフォームやリノベーションなどといった手を加えることを検討することもあります。その場合は、どんな手を加えるかの検討も必要ですし、果たしてかかった経費分の収益増が見込めるかの考慮もしなければいけないので難しい判断が求められます。他にも、収益性がありそうな物件があれば購入を検討しますし、いろいろと考えたりやることは多いんですよ。
– まさに不動産投資といった感じですね。
今村:そうですね。どの物件についても、どんな家賃でも、どんなリフォームをしたとしても確実に収益が上がるという保証はないので、いつでもリスクがつきまとう判断を求められるところではあります。
– そのような時には何を基準に最終的な判断をされるのですか?
今村:いろいろと情報収集をして分析を重ねることは当然ですが、もちろん最終的には自分の判断になります。どこまで突き詰めても全てがはっきりとわかることはないので、自分の経験から判断をすることもありますし、リスクを許容した上で受け入れることもあります。他の物件とのバランスもありますし、その時々で様々な基準で判断されますね。
– なるほど。お仕事についても投資の要素があることはよくわかりましたが、今村さん個人としては資産運用などはされていますか?
今村:個人の資産はほとんど貯蓄に回ってしまっていますね。
– ご自身の資産はあまり運用するおつもりはないのでしょうか。
今村:そうではありません。仕事柄、投資についての理解はある方だと思いますし、興味もあります。ただ、不動産を通じていろいろやっているからこそ、自分で株やFXといった運用をやるのは抵抗がありますね。分析には時間がかかること、というか、時間をかけなければいけないことも理解していますし、情報収集でプロに敵わないことも知っています。なので、手が出ていないといった状況でしょうか。
– 個人として不動産投資をされるということは検討されないのですか?
今村:一時期検討したこともありましたが、それだったら会社(法人)としてやった方がいろいろと都合がいいので、個人としては今は検討していません。
– なるほど。では最後に個人で投資を考えている方々に一言お願いします。
今村:あくまでも不動産を扱っている人間としての意見ですが、どんな投資でも”プロ”の意見を聞くことが非常に重要になってくると思います。というか、情報収集でも分析でも、プロには勝てないと思った方がいいと思いますよ。それでも個人で投資をされるという方を、止めることも責めることもしませんが、投資にはどこまでいってもある程度のリスクが付いてまわるということを常に意識して、それを許容する態勢を作ることが重要かなと思います。
– なるほど。大変参考になりますし、多くの方にとって有益なアドバイスになりました。本日はお忙しいところありがとうございました。
今村:こちらこそありがとうございました。
− 編集後記 − 今村さんにオススメの運用について考える
今回お話を伺った今村さんは不動産業を営んでいるということもあり、投資にも精通しておられ、非常に理解が深い方でした。
今村さんのお話のキーポイントに「情報収集でも分析でもプロには勝てない」というものがあったかと思いますが、これは個人の資産運用についても同様のことが言えると思います。
株でもFXでも、もちろん不動産でも、どんな金融商品であれ、プロの投資家(機関投資家など)に個人で勝つことは非常に困難だと言えます。
もちろん流動性の高い、株やFXでは、”たまたま”大当たりする銘柄・通貨を引き当てることで、瞬間的に高い利益を上げられることもありますが、あくまでも”たまたま”でしょう。
だからと言って個人での資産運用を諦める必要はありません。プロの力に及ばなくとも、プロの力を借りて運用を行えば良いのです。個人がプロの力を借りる方法としては
ファンド(ヘッジファンド/投資ファンド)に運用を任せる
といった方法が考えられます。
ファンドとは、運用に特化した、まさしく資産運用プロの集団であり、そこに資産を預けることで、プロの運用をそのまま自分のパフォーマンスに還元することができます。
もちろん、ある程度の手数料は取られますが、自分で苦労しない分を含め、数十億〜数百億の規模をもつファンドでの運用の恩恵を受けられると思うと、決して高くはないでしょう。
********************************
海外のファンドなどは最低出資金が1億円などと、なかなかハードルが高いものも多いですが、国内の小型ファンドであれば、数百万〜出資できるところも見つけることができます。
当サイトでは、私の外資系投資銀行時代の知識と経験から、信頼のおける優良ファンドをランキング形式で紹介しています。興味のある方は是非参考にしてみてください。