初心者におすすめ!代表的な金融商品とその特徴
資産運用を始めようと思っても、投資対象となる金融商品は数多くあります。
それぞれの金融商品について、「どのような仕組みなのか」「どんなリスクがあるのか」「投資家として考えておくべきことは何か」など、必要な知識を挙げ始めたらきりがありません。
きちんと理解せずに闇雲に投資しては、いたずらに資産を減らしてしまいます。
ここでは、これから資産運用を始める方に是非知っておいていただきたい、代表的な金融商品の特徴をまとめてみました。
定期預金
まずは、皆さんご存知「定期預金」から紹介してきます。
金融商品には大きく「元本保証」か否かの違いがありますが、定期預金はこの「元本保証」に当たる代表的なものです。
定期預金のように、元本保証のものは投資した資金が減ることはなく、非常に安全で安心な仕組みです。
一方で、定期預金の金利は非常に低いのが現実です。
例えば1年もので考えるとそれぞれの金利と得られる利子は以下のようになります。
銀行 | 金利 | 利子 ※100万円運用した場合 |
みずほ銀行 | 0.010% | 100円 |
住信SBIネット銀行 | 0.020% | 200円 |
イオン銀行 | 0.050% | 500円 |
このように、金利が高いと言われているネット銀行でさえ、100万円運用しても1年間で数百円しかもらえません。
これは、投資しているとはとても言えないようなリターンです。
バブルの頃は、金利が年に数%もついていたようですが、金利が低い今の時代では、銀行に預金するという運用方法では、資産を増やすことは難しいでしょう。
外貨預金
同じ預金でも「外貨預金」という方法もあります。
外貨預金では通貨によって金利が異なります。ここでは、住信SBIネット銀行を例に通貨ごとの金利を比較してみましょう。
1万通貨未満 | 1万通貨以上 | |
米ドル | 0.400% | 0.400% |
ユーロ | 0.001% | 0.001% |
英ポンド | 0.010% | 0.010% |
豪ドル | 1.100% | 1.100% |
NZドル | 1.100% | 1.100% |
カナダドル | 0.350% | 0.350% |
スイスフラン | 0.001% | 0.001% |
イメージを掴みやすくするため、簡単に米ドルを1ドル100円として考えてみます。
すると、1万ドルすなわち100万円預けて金利は0.400%なので利息は4,000円となります。
これは日本円で預金するときに得られる金利とは比較にならない大きさです。
ただし、外貨で預金する際には、為替レートが変動するリスクがあります。
例えば1ドル100円のレートで、100万円を1万ドルにかえて、1年間運用すると1.004万ドルになります。
この1.004万ドルを当初と同じ1ドル100円のレートで戻せれば、1,004,000円(4,000円のプラス)となりますが、仮に1ドル99円になると、993,960円(6,040円のマイナス)となり一気に損失に転じてしまうのです。
このように為替変動リスクを考慮すると、外貨預金で得られる金利差など微々たるものです。
それであれば、次に紹介するFXで運用することをオススメします。
FX
同じ外貨での取引を行うものでも、外貨預金とは別に、「FX」と呼ばれるものがあります。
外貨預金が「金利差」を狙ったものなのに対し、FXでは「為替差益」を狙って運用を行います。
また、FXではレバレッジをかけた取引を行うことができるため、保有する資産が少額でも1万通貨以上の取引を簡単に行う事が出来ます。
現行のマックスである25倍のレバレッジで考えると、4万円あれば100万円の取引を行う事が出来ます。
つまり、1ドル100円のレートの場合、1万ドルを4万円で買えてしまう計算です。
為替レートが1ドル100→101円と円安になっただけでも、1万ドルの取引であれば101万円となり1万円のプラスです。4万円の元手で1万円のプラスですから+25%と非常に大きな利益率であることがわかります。
ただし、これは大きくマイナスに振れる可能性も同様にあるということにも注意しなければいけません。
そもそも、為替変動の予測は、経済評論家でも難しいと言われており、一般の方が手を出すのは、ほぼギャンブルに等しいというのが通説です。
FXで一夜にして数百万円、数千万円失ったという話もあるくらいですから、初心者は控える事をおすすめします。
先物取引
「先物取引」とは未来の売買をある価格で行うものです。
有名な商品としては「日経225先物」があります。これは、日経平均が今後上がるか下がるかを予想して売買するものです。
レバレッジもかけられて小額から始められますし、銘柄選びも不要なため取引を始めるのは簡単です。
一方で、日経平均の上昇や下降は、実に様々な要素が影響しており、予想するのは非常に困難とも言われています。
未来を正確に予想することはどんな人間でもできません。ゲーム感覚でやる分にはいいですが、資産運用という観点から考えると、避けるべきでしょう。
不動産
「不動産投資」もメジャーな投資手法の一つです。不動産という実際の”モノ”があることや大家と言うステータスからも人気があります。
不動産投資で収益を上げるためには、何よりも物件を安く買う事が重要です。
しかし、近年は2020年の東京オリンピックの影響もあり物件価格はどんどん高騰しています。
不動産とは借り入れをして購入するのが普通ですので、価格が下がると被害は甚大です。
それこそバブルが弾けたときには痛い目を見た人も多かったはずです。
資産を増やす(稼ぐ)という目的においては、少なくともここ数年はやらない方が賢明でしょう
金(きん)取引
実際に”モノ”があるという意味では、「金」投資という方法もあります。その名の通り、資産を金として持っておくという方法です。
1900年代中旬には貨幣価値を安定させるために金本位制が取られていたように、金の価値は安定していると考えられています
そのため、貨幣価値が下がるインフレ局面などでは、金の価格が上昇する傾向があります。
特徴は、基本的には値動きが小さく安定している点です。長期投資に適していると言えるでしょう。
また、現物だと盗まれそうで嫌だという方は、「積立投資」や「金ETF」などもあるので検討してみてください(「純金積立」などは人気がありますね)。
ただし、株のように配当がつくということもないため、資産を増やすという意味ではあまり有用ではありません。
どちらかと言うと今ある資産を「守る投資」と言えるでしょう。
投資信託
「投資信託」は運用を金融機関に任せる商品の事です。
例えば株の投資信託を考えてみましょう。
株に投資しようと思っても「どの銘柄を買ったらいいか分からない」という人たちに向けて、「銘柄選びはこちらでやります、ただその分の手数料は頂きます」というのが投資信託です。
一口に「投資信託」と言っても商品によって戦略は異なり、「経済指標に連動させている商品」や「広く分散投資しているもの」「AI関連銘柄」などテーマを絞っているものと多岐に渡ります。
しかし、投資信託はその「構造(仕組み)の問題」から、資産を増やす投資には向いていません。
その理由については、以下の記事で詳しく解説しているの是非そちらもご一読ください。
➡︎ 『投資信託だけは買ってはいけない3つの理由 − 金融のプロはどうやって儲けているのか』
ETF
「ETF」とは上場投資信託と呼ばれるものです。
上場されているため株式のようにリアルタイムで価格が変化し取引できます。
また、投資信託ですから銘柄選び等の投資戦略は任せることができ、自分自身の運用手間を省くことができます。
一般的な投資信託と比較して、手数料が安いのも人気の理由でしょう。
ただし、ETFも、投資信託同様に「資産を増やす」という意味では適していません。
「(長期)資産形成」を目標に運用したい人にはおすすめできません。
株式投資
「株式投資」の主な目的(狙い)には「キャピタルゲイン」と「配当」があります。
「キャピタルゲイン」とは、株を購入した価格より高い価格で売却する際の、その差額を収益とすることです。
また、「配当」とは企業が事業で得た利益のうち一部を株主に還元するものです。株主にどれだけ戻すかは、配当性向と呼ばれる数値で表されますが、企業によって大きく異なります。
株式投資は、保有しているだけで配当として利益を得られ、値上がりすれば売却益も出るため、大きく収益を上げられる可能性があります。
しかし、上場銘柄数は3,500社以上にもなり、その中から値上がりする株を選ぶのは初心者には難しいでしょう。
株式投資は玄人向きであり、初心者はプロに任せる方法が賢明でしょう。
投資家に代わって資産運用してくれるサービスには「ヘッジファンド」などがあります。
初心者でも儲かる資産運用の始め方とは
ここまで、どんな金融商品があるのかを細かく見てきました。
では、実際に初心者が投資を始めようと思ったとき、どの「金融機関」からスタートしたらいいのでしょうか?
金融機関という販売する側の立場を考慮しつつ、順を追って解説していきます。
銀行
銀行にある程度の預金があると、営業の電話がかかってくることもあるでしょう。
当然ですが、投資や資産運用は元手となる資金がなければできないので、銀行側は顧客一人一人の残高を常に把握するようにしています。
そして、ある程度資金を貯めた顧客に対して、運用(株や投資信託の購入)を勧めてくるのです。
銀行の主な収入源は、売買等に対して発生する「手数料」です。新しく投資信託を購入したときや、切り替えたときなどに課される手数料を主な収入源としています。
もちろん投資信託であれば、信託報酬として保有している間も手数料をとられていますが、基本的には「売買をすると、より儲かる」という仕組みです。
投資信託などで運用していて成績が振るわないと、他の投資信託への切り替えを勧められたことはないでしょうか?
なぜ、切り替えを勧めてくるのかというと、投資信託を切り替えると彼らが儲かるからなのです。
そして、最も大事なことは、投資信託のパフォーマンスが良いかどうかは彼らの儲けに関係ないということです。
つまり、銀行での運用には、投資家と金融機関の利益の方向が一致していないという問題があります。
証券会社
では、証券会社はどうでしょうか?
証券会社も基本的に「売買の際に」手数料がかかります。
基本的には売買の際に手数料がかかり、証券会社としては何度も売買してもらえれば儲かる仕組みになっています。
また、銀行と同様に売った商品が投資家に利益をもたらしたかどうかは彼らの利益と関係がありません。
そのため、証券会社も、投資家の利益と彼らの利益が一致していません。
ヘッジファンド
あまり聞きなれないかもしれませんが「ヘッジファンド」で運用するという方法もあります。
「ヘッジファンド」とは投資信託のように資産の運用を代わりに行ってくれるサービスです。
プロが代わりに運用してくれるので、初心者であってもプロと変わらない運用結果が得られます。
投資信託と1点大きく違うのが、ヘッジファンドでは運用益をシェアする形をとる事です。
運用成績がファンド側のリターンに直結するため、ファンドの利益と投資家の利益が常に同じ方向を向いていることになります。
運用を実践するヘッジファンド側に「成果を出したい」というインセンティブがあることが魅力です。
まとめ
このように「金融商品」には様々な種類がります。また、取引できる「金融機関」の種類もいくつかあり、迷ってしまうかもしれません。
私個人としては、初心者が資産運用を始めるなら、株式に投資するヘッジファンドから始めるのがベストだと考えています。
ただし、どの分野に投資しても、仮に損をしたとしてもあなたの経験値を高めることは間違いありません。