近年のグローバル化に伴い、若くして「海外駐在」を経験するサラリーマンの数は急増しています。
海外駐在を経験すると、視野が広がるだけでなく、各国の情勢や文化が理解できたり、語学が堪能になるなど、たくさんの知識や経験を得ることができますが、その得られるものの中の一つに「収入」があります。
海外駐在することで、若くして一気に貯蓄額を増やす人は少なくありません。
駐在員が資産を貯め込みやすいのには、
・海外で仕事をしていようとも、日系企業の多くは日本の基準で給料を支払う
・住宅等の補助が出るほか、「危険手当」等の様々な手当が支給される
・途上国であれば、物価が低く生活費(日々の出費)が安い
・身近に遊べる友人が少ないため、自然と交際費が抑えられる
などといった、様々な理由があります。
こういった事情から、海外駐在を経験した人は、20代でも数百万から、多い人では1,000万円も2,000万円も溜め込むことができるのですが、実際にはそのほとんどを銀行に眠らせたままにしてしまっている方が大半です。
これは非常にもったいないことだと思います。
今回は、海外駐在員のように若くしてある程度の資金を手に入れた人にこそ、資産運用が重要なワケをお伝えしたいと思います。
現在価値と将来価値 – 駐在員こそ運用を強く意識した方が良い理由 –
若いうちからまとまった資産を築いたとしても、それをそのまま銀行口座で眠らせたり、はたまた日本に帰ってから使い込んでしまっては何の意味もありません。
早いタイミング(20代〜30代前半)でまとまった金額を手にしていることには、非常に大きな意味があります。
早くから運用をスタートすると、複利の効果が働いて、想像以上に大きな金額に膨れ上がる可能性があるのです。
この「早ければ早く手に入れただけお金の価値は高い」というのは、金融の世界では当たり前、かつ非常に重要な考え方です。
「現在価値」 「将来価値」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、お金の価値を比べる為には「タイミング」を揃えないといけません。
一方、世間一般ではあまりそのような認識はありません。
30歳の時に貰う1,000万円と50歳の時に貰う1,000万円に、大した違いはないと思っている人は大勢います。
この「現在価値」「将来価値」という考え方の大切さをイメージして頂くため具体的な例を用いて計算してみましょう。
仮に30歳時点で1,000万円を元手に運用を始めたとして、年利5%で運用すると、1,000万円の元手は50歳の時に2,650万円になります。
つまり、30歳時点で貰う1,000万円と、50歳時点で貰う2,650万円が、ちょうど同じ価値なのです。
これは年利5%で運用した場合の試算ですが、日銀が目標に掲げる2%インフレで試算したとしても、30歳の1,000万円は、50歳での1,486万円に相当します。
これほどまでに「現在価値」と「将来価値」の差は大きいのです。
若くしてそれなりに大きなキャッシュが手に入ったのであれば、そのお金の「将来における価値」もよく考えましょう。
一気に使い込んでしまうようなことは控え、長期的な目線で運用することを意識するのが大切なのです。
「駐在リッチ」はどのように運用をすべきなのか
では、駐在などによって、若くしてまとまった貯金ができた場合にはどのように運用をすべきなのでしょうか?
この低金利時代に銀行への預け入れなどは運用としては論外として、その他にも株式やFX・仮想通貨等々、選択肢は色々とあります。
資産運用を考える際の大前提としてまず間違いなく言えることは、「長期投資を心掛けた方が良い」ということです。
若くして築いた資産には運用に充てる時間がたっぷりとあります。
退職金でまとまったお金を手に入れるのと、20代30代で手に入れるのとでは残された時間が全然違います。
まずは長期的な目線で資産運用をすべく、どっしりと構え、短期のトレンドに惑わされない、安定した成果を出し続けることを第一義としましょう。
この際、やはり「為替」や「仮想通貨」などは避けた方が賢明でしょう。
為替は、基本的に「ゼロサムゲーム」です。
これは、市場の勝ちと負けを足すと丁度ゼロになっているということで、市場全体で見ると、富を奪い合っているだけということになります。
短期で大きく儲けたいときにギャンブルの1つとしてはアリだと思いますが、長期的に安定した運用するのであれば、全体が上がっていくような場所(方法)で投資をするのが鉄則です。
また、仮想通貨ですが、これは純粋に投機的な商品になっていることが理由です。
投機的になること自体に問題があるわけではありませんが、実際の価値に裏付けがないなかで人気だけで価格が釣り上がっていく状態(バブル)は、どこかで破綻します。
この破綻のタイミングが数カ月後なのか数年後なのかは分かりませんが、少なくとも最後のタイミングは突然訪れますので、長期の投資先としては不向きであると言えます。
やはり、長期で投資することを考えるのであれば、投資の基本中の基本ではある株式への投資を考えるのが賢明でしょう。
株式市場というのは全体的に緩やかに上がるため、為替のようなゼロサムゲームとは違うという利点があります。
なお、長期で株式に投資する際、特に市況の値動きに左右されづらい割安株を狙う「バリュー投資」が有効かと思います。
「バリュー投資」とは、成長性のある企業や将来性のある企業に賭けるのではなく、資産的な裏付けのある企業の株式を買うことで、値下がりのリスクを限りなくヘッジし、いつかどこかのタイミングで会社の価値が認められた時に収益を出すという手法です。
このバリュー投資という手法は、短期で大きな成果を上げることが少ない分、時間をかけて取り組める状態であれば非常に安定したリターンを望める方法です。
投資の世界で神様と呼ばれているウォーレン・バフェット(Warren Edward Buffett)も、このバリュー投資を軸に資産を増やしてきました。
国内にも非常に優れたバリュー投資を実践し、毎年10%以上の手堅い利回りを出し続けている優良なファンドが存在します。
ヘッジファンドの見極め方やポイントについては以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方は是非ご一読ください。
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