資産運用は難しい
貯蓄が少しずつ増えてくると、投資・資産運用を考える人が増えてきます。
銀行に預けているだけでは、ほとんど金利も付きませんし、周りにも投資をしている人が増えてくると、「自分もやってみようか」と考えたくなるものです。
ちなみに預金が1,000万円あっても、金利が0.02%では、1年間で2,000円しか得ることはできません。これが仮に投資で1%でも利益を産むことができれば、10万円の収益になります。
NISAなど、様々な制度もありますが、便利になる一方で、投資の選択肢は増え、個人投資家にとっては難しい判断を迫られることになります。
そこで、今回は、人気の資産運用の方法である「証券(株や投資信託)」「不動産」「ファンド」の3つについてそれぞれの概要とメリット・デメリットをまとめていきたいと思います。
代表的な3つの運用方法
証券投資(株、投資信託)の概要
「投資=株、投資信託」というイメージを持つ人が多いほど、王道の投資が「証券投資」です。
証券投資は、その名の通り株や投資信託といった「証券」の売買を通じて利益獲得を狙う投資の方法です。
上場している株式会社について、銀行や証券会社を通じて、市場(東証やマザーズなどの証券市場)で取引をすることができます。
証券の価格は日々(常に)上下しているため、買ったときの価格よりも高く売れれば儲けとなりますし、低い値段で売ることになれば損をすることになります。
単に買って売るだけでなく、先物取引などのオプションも豊富にあり、非常に奥が深く難易度の高い投資の方法です。
証券投資(株、投資信託)のメリット/デメリット
株や投資信託で運用する利点として、誰でも簡単に始められるという特徴があります。
最近はネット証券なども普及してきており、口座開設の手間もコストもほとんどかかりません。
また、様々な銘柄があり選択肢も豊富にあります。上場している株式会社は3,600社以上、投資信託は6,000本、合わせて1万近い選択肢があるのです。
中には1,000円から投資できるものもあるので、「まずは」と気軽にはじめやすい投資の手段と言えます。
▶︎ 関連ページ:証券会社選びの基準は?3つのポイントとおすすめネット証券を
一方で、株式投資は奥が深く、非常に難しいところがあります。
銘柄数だけでなくオプションも豊富・複雑で素人が全てを理解するのは現実的に不可能でしょう。
また、銘柄の見極めも難しく、投資した銘柄が高騰することもあれば、暴落する可能性もあります。株式投資で大きく儲けた人もいれば、大損をくらったという人も少なくありません。
リターンを得る可能性もありますが、大きなリスクもあります。素人がいきなりまとまった資金を運用するのには適していないでしょう。
不動産投資の概要
不動産投資も人気があります。いわゆる地主のような昔ながらの不動産屋だけでなく、最近ではマンション経営など、普通の会社員(サラリーマン)の方にも一般的になってきています。
不動産投資の内訳は、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2つの収入に分けて考えられます。
インカムゲインとは、いわゆる「家賃収入」のことです。
所有している物件を貸し出せば、家賃という形でいわゆる「不労所得」を得ることができます。
管理にかかるコスト(管理会社に支払うもの)やローンの返済などがあるため、それらとの差額が手元に残ります。仮に物件を借りる人が見つからなければ、出費だけが残ることになるので、損をする場合もあります。
また、キャピタルゲインとは、物件の売買そのものに関わる収益のことです。
2,000万円で買った物件が、手放す時に2,500万円に値上がりしていれば500万円の利益になりますし、1,500万円に値下がりしていれば500万円の損失になります。
もちろんローンを完済して、完全に自分の資産にすることもできますが、いわゆる「土地(物件)転がし」のような側面もあることを理解しておきましょう。
不動産投資のメリット/デメリット
不動産投資は、物件の見極めが難しく、優良な物件にめぐり合うのも半分「運」のようなところがあります。
また、売買したいと思ったからといって、買い手・売り手が見つからなければすぐに取引ができるわけではないという点にも注意しましょう。
仮に優良な物件が見つかれば、比較的安定して、また労せずに収入を得ることができますが、他の投資の手段と比較して、利回りは決して高くないと言われています。
優良物件でも3~4%が相場なので、あまり大きな利益は期待できないかもしれません。
※ 資産が何十億もある不動産屋は、この利回りでも十分なのです(10億円の3%なら3,000万円)。業界の中心的な存在が大きな元手を、小さくても確実に回すスタイルのため、あまり高額な投資ができない個人投資家も、その煽りを受けることになるのです。
ファンドの概要
ファンド(ヘッジファンド、プライベートファンド)は、投資の専門機関である「ファンド」に資産を預け入れ、プロの投資家であるファンドマネージャに管理、運用を一任するものです。
運用の仕方、戦略、リスク/リターンなどはファンドごとに様々ですが、仮に株式で運用するものだとすると、銘柄の調査や分析、選定、売買のタイミングの判断まで全てを請け負ってくれます。
また、数十億〜数百億円を運用するファンドという立場(規模)を活かし、投資先の会社の経営に関与し、ときに交渉するなど様々な手段を駆使して運用します。
投資家(出資者)はファンドの運用リターンのうち、手数料を引いたものを受け取ることができます。
ファンドのメリット/デメリット
ファンドはプロが運用するため、より高い安定した利回りが期待できます。
また、個人投資家は下げ局面などで損をしがちですが、プロであるファンドマネージャであれば、上げ相場だけでなく、下げを活かしむしろ利益に繋げることも可能です。
相場の上げ下げに左右されず、安定した利益が期待できるのがファンドのメリットでしょう。
一方で、出資のハードルは高く、最低出資金(購入単位)が1,000万円を超えるものも少なくありません。
またロックアップ期間(資金の出し入れができるタイミング)も定められており、数ヶ月〜半年、年単位でしか入金・出金ができないものもあります。
ファンドごとにそれぞれ設定しているはずなので、きちんと確認するようにしましょう。
また上場企業と異なり、公開されている情報も少ないので、自分自身の目で確かめる必要があります。気になるファンドには直接問い合わせてみましょう。
まとめ
このように資産運用の手段は様々あり、それぞれにメリットやデメリット、向いている・向いていないなどがあります。
また、ここでは概要を説明しましたが、同じ運用の方法であっても、その中身によって得られる結果は様々です。
A社とB社の事業や株価の値動きが違うように、物件によって条件や利回りが違うように、ファンドによっても戦略やリターンが変わってきます。
重要なのは、最終的には一つ一つをきちんと自身の目で見て精査し考えて判断することです。
以下のページで様々な投資先について個別に評価し、ランキング形式で紹介しているので興味のある人はぜひ参考にしてみてください。