相続時に定期預金がおすすめされるワケ
相続の時に、銀行から相続定期預金をおすすめされることは珍しくありません。
突然、まとまった資金が入ってくる「相続」という特殊なケースに合わせた、専用のプランであるこの相続定期預金ですが、なぜ銀行はこの「相続」に合わせてこの優遇したプランを提案してくるのでしょう。
人生の中でなかなか機会の無い相続ですが、それは突然やってきます。
もしもの時に誤った判断をしないよう、前もって少し勉強しておきましょう。
相続定期預金のプランは選択肢が多い
そもそも相続定期預金とはどんなものなのでしょう。
特別なプランのように銘打ってはいるものの、一般的な定期預金と大きな違いはありません。
このプランを活用する際には
・相続したお金が資金であること
・被相続人の死亡日から1年以内などの期間的制約
・まとまった金額(プランにもよるが100万円以上など)
などといった条件がありますが、一般的な定期預金と比較すると
・期間が比較的短い(3ヶ月、6ヶ月、1年など)
・金利が高い(0.5~1.0%程度、通常の定期預金+0.25%などとしているものもある)
とおトクな面があります。
※それぞれの銀行のプランによって詳細は異なります
このようにお得な相続定期預金ですが、多くの銀行でそのプランを用意しています。
各銀行のプランを比較しているようなサイトもあるので、興味のある人は調べてみても良いかもしれません。
相続定期預金の例:
参考:相続定期預金|横浜銀行 http://www.boy.co.jp/kojin/sonaeru/sozoku/teiki.html武蔵野銀行|
参考:相続定期預金|大垣共立銀行 https://www.okb.co.jp/personal/save/teiki-souzoku.html
参考:むさしの相続定期預金 http://www.musashinobank.co.jp/invest/inheritance/
銀行が相続の時に優遇してくれる理由
では、なぜ相続に伴って銀行はここまでの優遇をしてくれるのでしょう?
それにはもちろん銀行側にメリットがあるからです
銀行は、とにかく預金残高を増やすことが重要です。
預かり資産を増やすことで、より多くの融資(貸付)をすることができ、利益を拡大するだけでなく、経済の発展にも寄与します。
また、その資金から投資信託のような運用商品の販売に繋げることができれば手数料収入の増加(増収)も期待できます。
そのためにありとあらゆる手段で資金を集める必要があります。
相続は、大量の資産の名義が一気に移る数少ないタイミングです。お父様やお母様からお子さんへ。旦那様から奥様へ、数百万〜数千万円という資金が一気に動きます。
ご家族にとっても大きな話ではありますが、銀行側にとってもこれは大きなピンチであり、またチャンスにもなり得る機会です。
資金の名義が移るということは、その資産が他の銀行に流れていってしまう可能性がありますし、また他行から資金を刈り取れる可能性もあります。
この機会を逃さずに、あの手この手で自行に資金を入れようとするための相続定期預金なのです。
高金利という甘い蜜で資金を集める銀行側の意図が見え隠れします。
銀行の言いなりでは損をする
たしかに相続定期預金は、金利も高く、若干の手間を除けば悪いことではありません。
しかし、銀行に言われるがままに、定期預金に組み入れては、最終的に損をしてしまいかねません。
なぜ銀行の言いなりではいけないのでしょうか。
相続定期預金に入れた資産がその後どうなってしまうのか順を追って考えていきましょう。
相続定期預金のその後は銀行の意のままに
相続定期預金は、その短い満期が完了すると、そのまま自動で通常の定期預金に移行するものがほとんどです。
大切な人がお亡くなりになってバタバタしている時に、あまりきちんと考えることができず、そのまま銀行のいいようにされてしまう人は少なくありません。
突然のことに、難しいことを考える余裕もなく、勧められるがままに少し金利の高い相続定期預金に預けてしまい、そのまま定期預金に資金を移されてしまうと、あとは銀行が営業を仕掛けてくるのを待つだけになってしまいます。
ほとぼりの冷めた頃に、「資金が十分なので〜」などと理由をつけて投資信託などでの運用を勧めてくる可能性は十分にあります。
相続したお金をどうするかはあらかじめ考えておく
突然まとまった資金が入ってくることや、身内の不幸という事態が、冷静な判断をしにくくさせます。
いつくるかわからない、突然やってくる相続という機会に備えて、そうなってしまった時にどうするのかをあらかじめ検討しておく必要があります。
もちろん、あまり貯蓄のできていない人が、そのままご自身の貯蓄の足しにするのは構いません。
しかし、すでにある程度の資産のある方が、そのまま貯蓄額を増やすのは「もったいない」の一言です。
せっかくの資産で運用できるチャンスを逃すという機会損失は、ある意味損をしているとも言えます。
相続した資金をそのままではなく、相続は定期預金として、今まで貯めてきた預金を運用に回す形でも構いません。
大切な残してくれた大事な資産だからこそ、塩漬けにせず有効に活用するべきではないでしょうか。
あらかじめ様々な手段を検討することで可能性を拡げましょう。
低リスクで確実な運用を
相続した資金は有効に活用した方が良いとは言え、闇雲に使ってはいけません。
せっかく故人が残してくれた大切な資産なのですから、無駄なもので浪費してしまい形も残らないなどといったことは避けるべきです。
ここではなるべく低いリスクで確実に運用することを考えてみましょう。
株や投資信託の注意点
運用と聞いた時に、まず株や投資信託を思い浮かべる人は少なくないでしょう。
実際、銀行でも定期預金の運用として、オススメされるかもしれません。
しかし、これらの代表的な投資は、個人投資家にはおすすめできません。
株式投資は、専門的な知識や、調査や分析に充てる膨大な時間、手間や労力、ストレスなど生半可な気持ちでやりきれるものではありません。
そして最も厄介なのが投資信託です。
そもそもほとんどの投資信託は儲かりません。
また、銀行や証券会社が投資信託を勧めてくる(営業してくる)ものは、投資家(私たち)の利益のためでなく、銀行側の利益目的(手数料や信託報酬)であることがほとんどです。
投資信託の仕組みが抱えている問題については以下の記事で 詳しく解説しているので興味のある人は是非ご一読ください。
➡︎ 投資信託だけは買ってはいけない3つの理由 − 金融のプロはどうやって儲けているのか
➡︎ 投資信託に潜むワナ – 銀行や証券会社は本当に投資家の味方なのか –
➡︎ 本当に頼りになる投資アドバイザーは誰か!?銀行や証券会社に相談してはいけない3つの理由
おすすめの運用方法 – ヘッジファンド、独立系投信、ロボアドバイザー –
今まであまり投資をしてこなかった方や、これからもあまり運用に割く時間がない方には
・ヘッジファンド
・独立系投信
・ロボアドバイザー
での運用がオススメです。
これら3つの運用サービスはいずれも、低リスクかつ低コストで(あまり手間ひまをかけずに)運用できるというメリットがあります。
ヘッジファンドは言わずと知れた最高峰の資産運用サービスで、安定したハイパフォーマンスの運用が見込めます。ファンダメンタルズ分析に基づいた堅実な運用をするファンドであれば、より着実な成果を期待できるでしょう。
ただし、ある程度の資金(1,000万円程度)が必要というハードルの高さもあり、誰でも活用できるというものではありません。
そういった方には、少額からでも始めやすい独立系投資信託がオススメです。
特に、最近注目を集めているひふみ投信などは、カリスマ投資家として名高い藤野英人氏がCIO(最高投資責任者)を務めており期待ができます。
ヘッジファンドや独立系投信ほど積極的に運用したいわけではないという人は、ロボアドバイザーの活用がオススメです。
ほとんど手間なく、またコストもゼロに近い運用ができますし、ヘッジファンドのような高い利回りは難しいかもしれませんが、リスクを抑える設定をすれば、着実な運用が期待できます。
それぞれのサービスについて、オススメできる具体的な、運用先は以下の記事で言及しています。興味のある人は是非参考にしてみてください。
➡︎ 【BMキャピタル vs セゾン】注目ファンドの評判は?資産運用で話題の投資先を徹底比較
➡︎ トップ3を徹底検証!! 注目のファンドを独自の評価でランキング【2021】
➡︎ ひふみ投信は今後どうなる?大きくなりすぎた注目ファンドの10年後について考える
➡︎ ウェルスナビってどうなの!?No.1ロボアドバイザーの手数料から期待利回りまで徹底解説
この他にも、比較的出資がしやすいおすすめのファンドをランキングページで紹介しています。興味のある人は是非参考にしてみてください。