暴落したビットコイン、その背景とは
ビットコインの価格が一時的ではありますが、急落しました。
ことの背景としては8日(2017年9月)に、中国において国内での仮想通貨の取引を閉鎖するという報道が出たことが原因として挙げられています。
この報道を受けて、同日大きな価格破壊が起こっています。
出典:【10%急落】中国政府がビットコイン売買にも規制か?取引所閉鎖?
http://www.shumai-view.com/cryptocurrency/bitcoin-20170908/
日本時間の9月10日には一時3,976ドル前後にまで値を下げ、8日に記録したの4,700ドルからわずか2日で15%以上も値を下げています。
出典:ビットコイン一時急落、半月ぶり4000ドル割れ:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGD11H1H_R10C17A9EAF000/
同月2日には5,000ドル以上の値を付けていたことから考えると、実に20%以上も暴落していることになり、今回の一連の騒動がいかに大きなものだったか理解できるかと思います。
ちなみに、日本でもビットコインの価格は10%近く下落しています。
なお、この「中国での取引閉鎖報道」について真偽のほどは確認されておらず、むしろ「誤報道」だったのではという見解も相まって、価格の急落にはブレーキがかかりました。
ちなみに、同月4日にICO(Initial Coin Offering,新規仮想通貨公開)を禁止していますが、この内容が記事に含まれていたことにより、真偽が不確かになったことが原因として考えられます。
とはいえ、ほんの1週間の間に価格が20%以上変動するということは並大抵のことではありません。
今回の騒動を受けて、なぜビットコインの価格がこんなにも不安定なのか、その原因について考えていきたいと思います。
暴落の原因はなんだったのか?「雰囲気」に流されるビットコイン
今回の、中国での閉鎖報道に伴う暴落騒動は、資金流入が減る(あるいは止まる)ことを懸念した投資家たちが、慌てて利益を確定しようと売りを出したことが発端となっています。
これに伴い、売りが売りを呼ぶ下落のスパイラルが発生し、ここまでの大きな価格崩壊となりました。
また、人民元とビットコインには強い相関がある(中国人がビットコインのマーケットに与える影響が大きい)と言われていることも原因の一つでしょう。
今回の騒動を受けて「暴落の危機を回避する方法」や「これを機に、より利益を得る方法」といった投資のテクニックを論じる記事が散見されていますが、ここでは、もっとビットコインの「本質」に注目したいと思います。
そもそもビットコイン(仮想通貨)はボラティリティ(価格変動)が大きなものとして広く認知されています。
最近では「値上がり(急騰)」にばかり注目が集まっていますが、短期間のうちに値段が大きく上がることもボラティリティが高いことを表しています。
以下の記事では、“「暴騰」と「暴落」を繰り返しいる”とまで言われており、その価格の不安定さが見て取れます。
▶︎ 参考:ビットコインが20%も急落!?何故暴落したのか原因を探ろう! https://www.beginner-binary.biz/bit/bit_bouraku/
価格変動が激しいことが悪いわけではありません。
大きく価格が動くものはそれだけ大きな利益を得るチャンスですし、そういったものに投資する戦略が間違っているとも限りません(もちろん大損を被るリスクも伴いますが)。
ビットコインについて問題だと感じるのは、価格を裏付ける根拠が非常に脆弱であるという点です。
今回の騒動では、中国の「不確かな報道」一つで、ここまで大きく値を動かしてしまいました。
そもそもの価格に根拠がないのですから、様々な情報に振り回されて「雰囲気」で相場が左右されても文句は言えません。
そもそも最近までビットコイン全体の価格が急騰していたのも、「最近ビットコインが”アツイ”らしい」といったトレンドに引っ張られたものであり、テレビCMの効果なども大きかったのではないかと思います。
そもそもCM一つでビットコインの価値が変わるはずもないのですが・・・
トレンドで決まるビットコイン価格!個人投資家に勝ち目はあるのか?
ビットコインの価格が相場の雰囲気、つまりは「トレンド」のような形で決まることを考えた場合、私たち個人投資家に勝ち目は本当にあるのでしょうか?
トレンドを作るのは、私たち個人投資家ではありません。
ビットコインを例に挙げれば、早くから目をつけていた「業界に精通したの投資家」や、大きな資金を投入して市場に与えるインパクトの大きな「機関投資家」などがそれに当たります。
中国の騒動を見ても、報道を知った「業界の投資家」が売りを出すことを発端に、「機関投資家」が売りを出したことで急落に拍車をかけ、ニュースになってやっと「個人投資家」が気づくのです。
トレンド勝負をしている世界では、「情報力」と「資金力」で劣る個人投資家に勝ち目はありません。
もちろん、後追いでも利益を得ることは可能でしょうし、価格の変動が大きなマーケットでは、大きな利益を得ることができるかもしれません。
しかし、今回の騒動のように、「報道」や「市況」に振り回されて狼狽する可能性も決して小さくないでしょう
価格の急騰から注目が集まっているビットコインですが、そういったことも含めて、投資するべきなのが検討する必要があるかもしれません。