50歳からの資産運用 ソフトバンク上場はどうだったのか。話題のIPO投資の結果を振り返る

ソフトバンク上場はどうだったのか。話題のIPO投資の結果を振り返る

ソフトバンクがついに上場しましたが、今回のIPO投資はなかなか厳しいものになってしまいました。
注目を集めていた大型上場だっただけに、損をしてしまった人も多かったかもしれません。
今回のIPO投資が上手くいかないことを見抜くことはできたのでしょうか?
ソフトバンク上場の経緯を振り返ってみたいと思います。

資産運用
最終更新日:2023年01月10日

ソフトバンクの初値は手痛い結果に

 

12月19日にソフトバンクが東証一部に上場しました。上場前から注目を集めており、多くの投資家がIPO投資に乗り出したかと思います。

 

上場の規模としては、時価総額が7兆円以上、市場から2.6兆円近く調達、と過去10年を見ても最大規模のものでした。この規模は、2015年のゆうちょ銀行と日本郵政に次ぐ歴代3位の大きさになります。

その次に位置していた2014年のリクルートの上場が時価総額にして1.77兆円程度だったことと比較しても、いかにソフトバンクの上場規模が大きかったかがわかります。

 

しかし、この上場にかこつけてIPO投資を試みた多くの投資家には手痛い結果となりました。

ソフトバンクIPOの公募価格は1,500円でしたが、残念なことに初値は1,463円、初日である19日の終値は1,282円でした。

 

初値で売り抜けた人で-2%、初日ホールドした人の含み損は-15%です。

「ほぼ確実に儲かる!」と考えてIPO投資に乗り出した人にとっては、思いも寄らない損失を被ったことになったと思います。

 

 

値崩れの原因

 

今回ソフトバンクの株価が思うように上がらなかった要因として、「ファーウェイ問題」「大規模通信障害」が考えられます。

 

ファーウェイ問題とは、アメリカが同社の製品の使用を禁止したことの影響を受けて、日本でもファーウェイに対する風当たりが強くなっていることを指します(※ここではファーウェイの製品を規制することになった原因や背景の説明は省きます)。

ソフトバンクは、ファーウェイ社(と共に規制の対象になっているZTE社)の製品を基地局に多く使用しており、政府の発表するガイドラインによっては、これらを置き換えなければいけないかもしれないという状況に立たされています。

 

ファーウェイ製品の全取っ替えなどとなると、コストもかかりますし、それに伴って業績が悪化する可能性も懸念されます。

これが「ファーウェイ問題」を起点に、ソフトバンクの今後の業績が懸念され、株価がなかなか上がらなかった要因の一つでしょう。

 

もう一つが、先日に発生した大規模な「通信障害」です。

ソフトバンクは12月6日の13時頃から約4時間に渡り通信障害を発生させてしまいました。その影響範囲は凄まじく、一般の方々だけでなく、多くの企業活動にも支障を来したと言われています。

 

この通信障害も、ソフトバンクの今後の事業を懸念する材料となってしまいました。実際に通信障害から5日間で1万件を超える解約があったようです。

特に、上場の直前だったため、普段以上に敏感な反応を示した投資家も多かったかと思います。

 

 

募集倍率からも予兆はあったのか

 

「ファーウェイ問題」と「通信障害」のようなニュース以外にも、ソフトバンクのIPOが今回のような結果になることを予想はできなかったのでしょうか?

注目するべきは、IPOに対する「募集倍率」です。

 

当初はたくさんの投資家が殺到すると考えられていたソフトバンクのIPOですが、蓋を開けてみるとわずか1.1倍という低倍率でした。

これは、応募したほとんどの投資家が当選したということになります。

 

上場を発表した当初は、このような結果になるとは想像もできませんでしたが、大きな2つのトラブルを抱えたことによって、多くの投資家が離れていったのだと分析することができます。

ニュースなどから懸念材料を分析することに加えて、「やたらと当選する人が多い」という状況からこの低倍率を見抜き、初値が奮わないことを見越して、購入を踏みとどまった投資家は今頃安堵しているはずです。

 

 

IPO投資にも「絶対」はない

 

初値〜初日の終値は、公募価格を下回る結果となりましたが、ソフトバンクの株価が今後どのように動くのかは想像できません。

十分値下がりし割安になったと判断した機関投資家が大量に買い付け、大きく反発し今後大きく値上がりすることも考えられます。

 

とはいえ、「ほぼ確実」と言われていたソフトバンクでさえ、(初値で考えると)IPO投資で儲けることはできませんでした。

 

投資に絶対は存在しません。

少しでも勝てる確率を高めつつも、長い時間をかけてコツコツと積み重ねていく必要があります。

ときにはファンドのようなプロの運用を活用するのも有効でしょう(ヘッジファンドこそが投資のプロであり、継続的に少しでも確実な運用ができるよう専門的なテクニックを存分に駆使しています)

 

上手に資産運用をするためにも、甘い話に惑わされることなく、中長期で確実な運用を心がけることをおすすめします。

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