資産運用を考えたとき
・自分で株を買うか
・投資信託を買うか
・不動産を買うか
・ファンドに任せるか
など、様々な金融商品から「何を使って(どうやって)資産運用するか」を考えがちです。
それぞれの金融商品には、それぞれの特徴があり、それら一つひとつから自分にあったものを選択することも重要ですが、それと合わせて考えなければならないポイントに「どれくらいの資産運用をするか」ということが挙げられます。
ここでは、どれくらい運用すればどのくらいのリターンが得られるのかということについて様々なパターンをシミュレーションしていきましょう。
様々な金融商品の特徴については以下の記事でも詳しく紹介しています。是非参考にしてみてください
関連ページ:『様々な金融商品について考える −メジャーなものから意外なものまで−』
リターン別資産運用をシミュレーション!やはり資産運用は必須
年間のリターンを設定して、複数年複利で運用した場合のシミュレーションをしてみましょう。
今回比べるのは以下の4つのパターンです。
パターンA:年利+0.025%(貯蓄した場合)
パターンB:年利+2~3%(ローリスク・ローリターンな運用をした場合)
パターンC:年利+5~10%(ミドルリスク・ミドルリターンな運用をした場合)
パターンD:年利+15~20%(ハイリスク・ハイリターンな運用をした場合)
それぞれのパフォーマンスを30年間継続した場合、それぞれの資産は以下のようになります。
※それぞれ平均をとって、Bは2.5%、Cは7.5%、Dは17.5%で計算しています。
このグラフからわかるように、パターンDの資産の伸び具合が凄まじいということがわかります。
表にすると以下のようになります。
30年運用しても、パターンAは7.52%しか増えないのに対し、パターンDは資産がなんと126倍にもなっています。
仮に1,000万円を30年運用すると以下のようになります。
パターンA(+0.025%)▶︎▶︎▶︎ 10,075,272円 (1,008万円)
パターンB(+2.5%) ▶︎▶︎▶︎ 20,975,675円 (2,098万円)
パターンC(+7.5%) ▶︎▶︎▶︎ 87,549,551円 (8,755万円)
パターンD(+17.5%) ▶︎▶︎▶︎ 1,262,222,734円(12億6,223万円)
パターンBでさえ、資産は2,000万円を超えますので、資産運用をする場合としない場合とでは、結果が非常に大きく開くことがわかるかと思います。
一方で、年間のパフォーマンスが15~20%で運用を行なった場合、資産が12億円にもなることがわかります。
一概には言えませんが、日本で一般的な生活を送るにあたって12億円も必要なケースはあまり多くないでしょう。
資産運用において、パフォーマンスを追求すると、一般にリスクは高くなってきます。
不必要に高いリスクを取らないためにも、自分にとって適切なリターンを設定することは非常に大事なことです。
上のグラフからもわかるように、年間で5~10%ぐらいの設定がオススメかもしれません。
パフォーマンスに見る安定感の重要性
どの程度のパフォーマンス必要になってくるのかをシミュレーションしてみましたが、同じ「年利+10%」でも、そのパフォーマンスが安定しているのかどうかによって、実はその後の結果が大きく変わってきます。
ここでは、安定感のパターン別に、資産運用をシミュレーションしてみましょう。
パターンX(安定感高):過去5年が+11% ,+7% ,+12% ,+11% ,+9%で平均+10%(振り幅5%)
パターンY(安定感低):過去5年が+20% ,-10% ,+30% ,+5% ,+5%で平均+10%(振り幅40%)
この2つはいずれも過去5年間のパフォーマンスを平均すると年+10%になりますが、きちんと複利で計算すると以下のグラフのようになります。
同じ、パフォーマンスに見えても、実はパフォーマンスが安定している方が、長期的に見るとより大きなリターンになることがわかります。
複利での運用は”掛け算”で行われるので、安易に過去のパフォーマンスの”平均”を謳っている場合は注意が必要になります。
同じパフォーマンスに見えている場合でも、それが安定しているのかどうかという点まで、注意深く確認するようにしましょう。
必要なパフォーマンスは年5~10%!なるべく安定していることが重要!!
パフォーマンス別のシミュレーション(A,B,C,D)と安定感別のシミュレーション(X,Y)を通じて、実際にどの程度のリターンを求める必要があるのかの目安を考えることができたかと思います。
また、一見同程度に見えるパフォーマンスでも、その安定感によって長期的なリターンに差が出ることもわかりました。
これから資産運用を検討されている場合は、「株だ、FXだ」などと考える前に、まずどの程度・どのような資産運用が必要なのかを考えることから始めてみてはいかがでしょうか。