一大ブームだった仮想通貨
一時期大きなブームとなった「仮想通貨」をみなさん覚えていますでしょうか。
テレビなどでも大々的に取り上げられ、仮想通貨バブルで大儲けした、いわゆる「億り人」と呼ばれるビットコイン長者も数多くいました(仮想通貨の中でも、特にビットコインが注目されていましたね)。
普段は投資に縁もないような若い人たちまでが、仮想通貨で富を築き上げていくのを見て、数多くの人が仮想通貨に手を出していました。
しかし、ピークが過ぎると同時に、価格も下がり始め、後乗りした人の多くは大した利益を得ることもなく、むしろ損失を抱えながら泣く泣く退場していきました。
そして、現在ではほとんど耳にすることもなくなりましたが、ブームの過ぎた仮想通貨は現在どうなっているのでしょうか。
今だに、下火のままなのでしょうか。仮想通貨の変遷から投資の本質を見極めたいと思います。
仮想通貨の今昔(〜2019年8月まで)
仮想通貨の中でも、ここでは特に「ビットコイン」にマトを絞って話を進めていきたいと思います。
ビットコインの人気が加熱したのは2017年頃ですが、そのスタートは2009年にまで遡ります。
1BTC=0.1円からスタートし、その後、仮想通貨をはじめとするFintech(フィンテック)に注目が集まるのに合わせて少しずつ価値が上昇し、2010年には7円にまで価値を高めています(この頃ビットコインでピザが買えるようになったことで有名になりました)。
その後、様々なきっかけを経て、じわじわと価値を高め、2015年にギリシャがデフォルトしたことで、現実の通貨への信頼もゆらぎ、一気に仮想通貨に注目が集まりました。
そして2017年の頭に10万円を超えたあたりで一気に人気が加熱し、テレビなどで取り上げられるのと合わせて、”ブーム”と呼ぶほどの加熱ぶりを見せ、2017年の年末には200万円を超えました。
たったの1年で20倍以上にまで価値を膨らませたのですね。
この流れに乗っかって、多くの人が参入し異常な加熱ぶりを見せていましたが、2018年の1月の流出事件などをきっかけに、一気に下落に転じます。
元々、フィンテックについてあまり理解もできていなかったような層が一気に離れ、大暴落と言って良いほどの値崩れをしました。
2018年の年末には30万円代にまで値を下げていたので、たったの1年で80%以上も下落したのです。
と、ここまででが一般的によく知られている仮想通貨ブームですが、もちろん今でも仮想通貨の取引は続きています。
2019年に入って、じわじわと価格を戻した仮想通貨は、2019年8月現在で再び100万円を突破しており、一時期のブームほどではないものの、しっかりと価値を回復させています。
ブームに乗っかって投資した人たちの多くは、突然の暴落に驚き、早々に市場から離脱してしまいましたが、その後もきちんと投資を続けていれば、しっかりと利益を得ることもできたのです。
仮想通貨の変遷に見る投資の本質とは
ブームとその後ではプレイヤーが違う
2017年のブームの前からきちんと投資をし、ブームの値上がりに乗じて多くの利益を獲得した人たち(「億り人」となった人たち)の多くは、早くから「仮想通貨そのもの」の価値を理解し、投資していた人たちでしょう。
ビットコインをはじめとした仮想通貨には、
・ブロックチェーン技術を採用している
・海外を含めた送金などの手続きが便利
・もちろん、現物通貨との互換性もあり、経済的な価値も高い
などの魅力があります。
この点をきちんと理解していた人たちは、早くから、世の中が飛びついて急騰するよりも前にビットコインを取得し、その後のブームで大きな利益を獲得しています。
しかしながら、ブームとなった2017年末〜2018年にかけては、投資の経験もほとんどなく、仮想通貨の価値もほとんど理解していないような、人たちが大量になだれ込んできます。
彼らは、ブームによって富を得た人たちを見て、”遅れて”「自分たちも!」と勇んで参入してきたのです。
しかし、当然のことながら、ビットコインの価格は、すでに十分に高騰しており、後から入ってきても値段は上がるどころか下がってしまいました。
この時には、すでに十分な富を手にした投資家たちは、「利確」のためにもビットコインを大量に手放した(=売った)という話もあります。
やはり、価値もわからず、トレンドも理解できずに、“人が儲かったのを見て”投資に参入するような人たちでは利益は得られないのです。
そして、現在、ブーム後に再びビットコインを保有し、着実に利益を得ている投資家は、仮想通貨そのものの価値を理解し投資している、投資のプロたちです。
日経マネーの調査によると、ブーム直後2018年は投資家の25%(4分の1)以上が投資歴1年未満の初心者だったのに対し、2019年は、投資歴10年以上の、投資に精通した人たちの割合が25%(4分の1)以上と、割合が逆転しています。
また、2018年は、70%以上が100万円以上、さらに4分の1以上が10万円にも満たない少額の投資だったのに対し、2019年は約半数が1,000万円以上投資しています。
このように、ブームの前後で投資家の種類が大きく変わっているのです。
参考:
仮想通貨投資の勝率は3割 半数が元手1000万円以上|マネー研究所|NIKKEI STYLE
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO48256410W9A800C1000000/
投資の本質は、価値の見極め
仮想通貨ブームの例を見ても、投資の世界で勝つ(利益を得る、儲かる)のはやはり百戦錬磨のプロの投資家です。
やはり、流行りに踊らされて、価値もわからず後乗りするような素人投資家が勝つのは簡単ではありません。
投資の本質は、投資するものの価値を見極め、適正な価格を予想することにあります。
企業であれば、財務状況や事業内容、技術的な価値、市場規模、今後の成長、経営状況など、様々な角度から多角的に分析し、まだ市場で掘り出されていない(他の投資家が気づいていない)=高値が付いていない優良な銘柄を見つけ出し保有ことこそ、投資の本質です。
一方で、流行りに乗っかろうとするのは、正反対の行為です。
>流行っている=儲かった人がいる=既に人気になっている=価格は上昇済み=割高 の図式が理解できていれば、流行に乗った投資など、損をすることは明らかです。
投資とは、これから流行るものを作り、見いだすことが重要です。
>これから流行るものや、実は価値のある掘り出し物を見出す(本質的な価値を見極める)→世の中が価値に気づき人気が出る→価格が上がる→儲かる というのが投資で勝利する(儲かる)ための方程式です。
資産運用を考えているのであれば、甘い話などに飛びついたりせず、本質をきちんと見極めるようにしましょう。難しいようであれば、運用を任せられるようなサービスを活用するのも一つの手です。