50歳からの資産運用 資産運用 仮想通貨は今後どうなる?靴磨きの少年に学ぶ、バブル崩壊の予兆とは

仮想通貨は今後どうなる?靴磨きの少年に学ぶ、バブル崩壊の予兆とは

仮想通貨に注目が集まり、今やテレビやネットだけでなく、普段の会話の中でも話題に上がるようになりました。
仮想通貨で億を超える資産を築いた人のエピソードなども耳にするようになり、たくさんの人が興味を持っているかと思います。
そこで、これから仮想通貨を始めようかと悩んでいる人に向けて、仮想通貨の今後を金融の歴史から予想してみたいと思います。

資産運用
最終更新日:2023年01月10日

仮想通貨に価値はある?

 

仮想通貨に投資するべきかどうかを考えるとき、重要になるのは、

「仮想通貨に投資に値する価値があるかどうか」

です。

 

投資の基本的な考え方として、「価値の高いものに投資する」というものがあります。

 

「価値>価格」であれば、いわゆる「割安」状態なので、買っておけば今後値上がりして利益を得られる可能性が高くなります。

反対に「価格>価値」の場合、いわゆる「割高」状態なので、今後価格は下がり、損失を被ってしまうかもしれません。

 

仮想通貨に投資するべきかどうか(仮想通貨は今後も上がるのかどうか)を判断するためには、「仮想通貨の価値」を考えなければならないのです。

 

仮想通貨の素晴らしい点は「ブロックチェーン」という技術にあります。

ブロックチェーンとは以下のようなものです。

ブロックチェーンは「分散型管理台帳」ともいわれ、銀行のような主体が送金履歴や残高を管理するのではなく、参加者それぞれが同じ台帳を持つ。取引が一定数書かれた「ブロック」を相互に承認し、それまでのブロックに鎖のようにつなげる(台帳に追加する)ことで、送金や着金を成立させるのが特徴だ。過去の全取引履歴が記録されたひとつなぎの台帳を多数の参加者間で共有するため、取引履歴の改ざんが難しいとされている。

引用:DMMが仮想通貨を扱う理由 ビットコインの「価値」の考え方は – ITmedia NEWS http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1802/27/news006.html

 

難しく書いていますが、「この新しいIT技術(ブロックチェーン)によって仮想通貨は取引されている」と理解できれば一旦大丈夫です。

 

仮想通貨の価値については、実は有識者の間でも見解が大きく2つに分かれています。

 

「仮想通貨に価値がある」と唱えている人たちの多くは、仮想通貨の価値はこの「ブロックチェーン」にあると説明しています。

新しい技術インフラに乗ったこの通貨はいずれ、実通貨(日本が発行している円やアメリカが発行しているドルなど)と変わらない価値を持つと主張しているのです。

 

一方で、「仮想通貨に価値がない」と唱えている人たちの多くは、「ブロックチェーン」の技術を評価した上で、通貨にはなんの裏付けもないと説明しています。

技術は素晴らしくとも、そこで取引されている通貨そのものには価値を裏付ける根拠がないため、「ゲームのようだ」「ギャンブルだ」と捉えているのです。

 

ちなみに、世界的な有識者の中でも、特に著名な以下の2人は仮想通貨の価値に懐疑的です。

 

マイクロソフト(Microsoft)の創業者であり、世界でも1, 2を争う資産家であるビル・ゲイツ氏(William Henry “Bill” Gates III)は以下のように述べています。

「資産として仮想通貨は何も生み出すことはない。そのため、仮想通貨が高騰することに期待するべきではない。これらは愚かな理論によって成り立っている投資商品だ。(As an asset class, you’re not producing anything, so you shouldn’t expect it to go up.)」

「私はもし簡単な方法があるのならそれらをショートするだろう」

 

また、世界的な投資会社であるバークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway Inc.)の創業者であり、「世界一の投資家」「オマハの賢人」と呼ばれたウォーレン・バフェット氏(Warren Edward Buffett)も以下のように述べています。

「農場、マンション、株式等を買うのは全うな投資といえる。投資(先のビジネスや生産)からリターンがもたらされると期待できるからだ。だがビットコインやその他仮想通貨等を買ったとしても、それらは何も生産しない。ただ単に、後から買った人がより高い値段を払うことを願っているだけだ。

 

ブロックチェーンという素晴らしい技術によって取引されている仮想通貨ですが、このように否定的な意見も少なくなく、先行きは不透明と言わざるを得ません。

 

 

歴史は繰り返される?仮想通貨バブル崩壊の予兆とは

 

仮想通貨そのものの価値を評価することは非常に難しいですが、もう一つマクロの視点から、仮想通貨の今後を占うことができます。

つまり、世の中の流れや雰囲気から、仮想通貨の先行きを予測するのです。

 

投資(株式投資)に関する話の中で、非常に有名な「靴磨きの少年のエピソード」をご存知でしょうか?

 

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時は1920年代、ニューヨークは世界有数の大都市へと成長し、ウォール街は世界を牽引する金融センターの一つでした。

特に、1920年代後半からのダウ工業平均株価の値上がり具合は凄まじく、誰もがアメリカ経済の成長を疑うことなく、株に投資に没頭していました。

 

タクシーに乗っても、美容院へ髪を切りに行っても、配管工に水道の修理を頼んでも、主婦が井戸端会議をしていても、誰しもが株式投資の話題に熱中していたのです。

 

そこにはジョセフ・P・ケネディ(第5代米国大統領ジョン・F・ケネディの父親)の姿もありました。

ハーバード大学を卒業したケネディ氏は、著名な投資家として名を馳せ、映画会社の買収や再建を通じて巨万の富を築き、ウォール街にもハリウッドにも彼の名を知らない人はいませんでした。

 

そんな凄腕投資家だったケネディ氏は、ある日靴磨きに行きます。

すると、その靴磨きの少年までもが彼に株式投資の話を始めた(ウンチクを語り始めた)のです。

 

その場面に直面した、P・ケネディ氏は、持っていた株を全て手放したと言います。

ケネディ氏は、1929年の大暴落で周りが大きな損失を被っている中、これを回避し、さらなる富と名声を築いたと言われています。

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このエピソードで肝になるポイントは、普段は株になど一切縁のない靴磨きの少年までもが、投資の話を始めるほど、猫も杓子も株式投資に興味を持っていたという点にあります。

 

株は、人気が集まれば(需要が高まれば)価格が上がります。

「この株を買いたい!」という人が増えれば増えるほど株価は上がるのです。

 

靴磨きの少年までもが、株に興味を持っている状態は、確実に株への注目が高まりすぎており、株価は必要以上に高騰していると考えられるでしょう。

人気が人気を呼び、根拠や裏付けのないレベルまで株価が上がりすぎてしまっているのです。

 

このように、上がりすぎた株価はいずれ暴落します。

 

この予兆を察したP・ケネディ氏は暴落を回避することができたのです。

 

この「靴磨きの少年までもが投資に興味を持つ」という状況は、今の仮想通貨に対する世間の過熱っぷりに近しいものがあります。

テレビやネットで、普段投資に縁もゆかりもないような人たちが、ビットコインがなんやかんやと騒ぎ立てているのは、明らかに過熱している(必要以上に盛り上がっている)と言えるでしょう。

 

そう考えると、今の仮想通貨の価格は、根拠や裏付けもないまま、「本質的な価値以上に価格が上がりすぎてしまっているのでは?」と考えられます。

 

つまり、今後の大暴落が予想できます。

 

仮想通貨の本質的な価値や今後の発展性はまだまだ意見が分かれるところですが、少なくとも今の状況は過熱していると見て間違い無いでしょう。

 

ちなみに、このような過熱っぷりは、1980年代の不動産バブルや、2000年代ITバブルのときにも見て取れます。

その後バブルが崩壊していることを考えると、過熱の後に来る大暴落には注意が必要と考えられます。

 

 

話題の仮想通貨はこれから先どうなるのか?

 

今やどこに行っても仮想通貨の話を耳にするようになりました。

 

資産運用やフィンテック(Fintech)の専門誌などはもちろんですが、テレビやネットでも仮想通貨の話題は事欠きません。

ワイドショーでも連日取り上げられていますし、SNSなどで芸能人が仮想通貨に投資している話などもよく目にします。

 

仮想通貨で1億円以上の資産を築いた人を「億り人」など呼び、テレビで特集が組まれていることもあります。

 

このように、「仮想通貨で大儲けした!」という話をあちこちで耳にすると、

「自分も始めてみようか?」
「今から始めても儲けられるだろうか?」

と興味・関心を持つのも無理はありません。

 

特に、テレビなどで目にする仮想通貨長者の多くは、投資初心者や女子大生などで、「自分にもできるかも!」と未来を夢見たくなります。

 

しかし、この状況は明らかに注目が集まりすぎていると考えられます。

「靴磨きの少年のエピソード」と比べてみても、普段投資に縁もゆかりもないような、テレビタレントや女子大生が仮想通貨に興味を持っている現状は、仮想通貨の天井とも考えられるのです。

 

仮想通貨の魅力は、何と言ってもそのリターンの高さです。

最も有名だと思われるビットコイン(Bitcoin)を例に見ると、本格化の兆しが見えた2012年12月頃は1BTC=約1,000円だったものが、2017年12月には10万円を超えており、5年で100倍以上になっています。

 

仮に100万円しか投資していなかったとしても1億円を超える資産に膨れ上がるため、簡単に億万長者になることができたのです。

 

ちなみに、さらに2年間遡り、2012年から投資していたとすると、20円→10万円で資産は5,000倍になります。

10万円でスタートして、5億円になる計算なので、世の中にビットコイン長者が溢れていても不思議ではありません。

 

今後、今までと同じように値が上がるかはわかりませんが、もし同様のリターンを期待するのであれば、大きな資産をつぎ込む必要はないでしょう。

「当たればラッキー」くらいに考えて、運用資金の一部を充てておけば十分かと思います。

 

仮想通貨への投資は「投機」にすぎません。

きちんとした資産形成をしたいのであれば、大部分は不動産やヘッジファンドと言った、長年多数の人間が取り組んでおり、理論や裏付けのしっかりしたもので運用した方がよいでしょう。

 

当サイトでは、投資に精通していない個人投資家にもおすすめの運用手法を様々な角度から考察しています。興味のある人は是非参考にしてみてください。

 

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