【年金受給者】新藤さんの場合
地域・年齢・職業・家族構成・資産など、その人の置かれている状況や、将来どのような生活がしたいかといった価値観などによって、ベストな資産運用の方法は変わってきます。
今回は、現在「年金受給者」という立場の新藤さん(仮名)に、資産運用について様々なお話を伺いました。現役をリタイヤされ、これまでに築いた資産と年金によって生活を成り立たせる立場になった方には、どのような資産運用方法が適切なのでしょうか。
※一部個人が特定できる内容については内容を伏せてありますがご了承ください。
インタビュー対象者:新藤 達夫(仮名)67歳。栃木県出身、神奈川県在住。新卒から勤めた企業を定年退職。妻と2人の子供がおり、お子さんは2人とも結婚されているとのこと。現在は妻との2人暮らし。
– まずはじめに簡単な自己紹介をお願いします
新藤:新藤 達夫(仮名)です。今年で67歳になります。新卒で横浜にある化学品系のメーカーに入社し、そのまま定年まで勤め上げました。現在は退職し、妻と2人で年金生活を送っています。
– 現在の「資産」について、お話しできる範囲で教えて頂けますか?
新藤:現預金、あとは勤めてきた会社の株を中心に国内の株、これをあわせて2,000万円ほど持っています。そこに退職金が2,000万円ほど加わりましたので、そういった意味では合計で4,000万円ほどの資産があります。
不動産に関しては、自分の家が5,000万円ほどなんですが、これが色々と事情があってそれなりの年齢になってから買いまして、まだ完済していないローンが500万円ほどあるような状態です。
これは退職金から払い出す予定なので、まあ色々とまとめると、3,500万円ほど金融的な資産が手元に残るのと、あとは5,000万円の不動産ですね。
– 自社株を中心とした株式、というのはどのような考えで購入・保有していますか?
新藤:これは、ずいぶんと前に買った銘柄なんですよね。もう20年くらいから時々買って、それをずっと持ってるんです。
まあ当時は真面目に考えてはいたんですが日本のこの分野が来るんじゃないかと当たりをつけて買っていましたね。現金で持ってるのもアレだろうと思いまして。結果的に増えてる時も減ってる時もあったんですが、今見てみると多少の損でしょうね。
世界のビジネスの動向だとか、一会社員が当てられるもんじゃあ、ないですよ。証券会社のお姉ちゃんにも、もう随分昔ですが、買うタイミングで色々とアドバイスは貰いましたが何も当たりませんね、彼女達の言うことは(笑)
– 一方、現在の「収入」はどうですか?
新藤:そうですね。収入といっても年金ですが、妻の分も合わせた公的年金と企業年金で、合わせて月に30万円ほど貰っている状態です。
– 3,500万円ほどの金融資産と5,000万円の不動産、あとは年金関連で収入が30万円ということですね。退職されてからの支出はどうでしょう?
新藤:毎月妻と国内旅行に行ってるので、支出は合計すると40万円くらいになるんですね。10万円ずつくらいマイナスになっている状態です。そこに、子供やら孫やらのお祝い事が定期的にきて、それで毎回、数百万円必要になるでしょ。それなりに支出は多いですね。
– 資産運用については、どのように考えられていますか?
新藤:資産運用は、ちょっと安定的に運用できる先に纏まった金額をお願いしたいなと思っている状態です。もう伸びない会社の株とか、あと現金で持っていても、仕方ないでしょう?運用して数パーセントでも利益が出れば、多少は足しになりますからね。
– 資産運用に関して、もう少し具体的な目標やプランはありますか?
新藤:今あるこの3,500万円の内で、2人の葬儀代や今後の子供孫の結婚祝い、あとは急な出費なんかを考えると1,000万円は絶対に安全な形で手元に置いておきたいんですね。
なので、残りの2,000万円を運用に回す、というようなイメージです。今収支でマイナスになってしまっている分がなくなるくらいの運用利回りが出れば私としては嬉しいですね。現在、年間に120万円程の赤字になっているので、それが回収出来ると言うと6%くらいですか。これくらい運用で利益が出来れば嬉しいんですよね。
ただし、それくらいになれば理想だな、ということなので数パーセントでも利益が出れば良いという形で運用をしたいとは思っています。
– どこか、運用を任せるにあたって想定されている先はありますか?
新藤:それがないので困ってるんですよね。もう証券会社の窓口の言う事は信じてないのでそれは違うなと。一方で、信頼の出来る投資方法というとなかなか思いつきませんので、何か良い資産運用の方法があればと思い、金融関係に勤めた友人伝いに探しているような状態です。
ただ、お金の話となると気の知れた友人でも気を使うと言いますか、中々何でもかんでもベラベラ話せるわけではないですから、誰か良いファイナンシャルプランナーの人がいたら引き合わせて下さい、というようなことをお願いしているようなところです。
– 有難う御座いました。最後に資産運用について思っていることなどがあればなんでもおっしゃってください。
新藤:そうですね、この年になって余り自分の運用を何も考えていないというのも恥ずかしい話ですが、実態としてはそういう状況なのかなと思っております。リスクの低い方法で、年に数パーセントでも黒字になるようなものがあれば、是非知りたいなとは思いますね。
− 編集後記 − 新藤さんにオススメの運用について考える
今回お話を伺った年金受給者の新藤さんは、一定の資産を保有しつつも、資産運用に関してはまだ考え中といった状態だとお見受けしました。
「取り敢えず大昔に日本株を買ってみて、その後放置したが、随分と目減りしてしまった」というのは新藤さんに関わらず、退職者の中には結構多い出来事なのではないでしょうか。
特に高度経済成長期の日本のメーカーへの評価と現在のそれらへの評価では相当な乖離がありますので、当時では考えられないような評価額になってしまっている場合もあります。
さて、今回新藤さんのお話を聞いて私から彼に提案した資産の運用方法は、金融資産3,500万円に対して、以下の比率です。
ヘッジファンド 2,000万円+日本国債1,200万円+現預金 300万円
ヘッジファンドというのは、預け入れの段階で最低投資金額の問題がハードルになることが多いですが、2,000万円をまとめて入れるのであればクリア出来る可能性は高いでしょう。
ファンド側から預け入れの承諾を貰えるのであれば、新藤さんのように一定のリスクを受け入れた上で確実にリターンを出したいという方には最適だと思われます。
ヘッジファンドに関するページはこちら
➡︎ 個人投資家にこそ絶対におすすめのファンドへでの運用とは
➡︎ ヘッジファンドを徹底解剖!世界の富裕層に選ばれる投資の世界を知る
日本国債の1,200万円というのは、「何があっても減らないこと」を目的とし、最も堅実に保有する枠です。これは超低リスク低リターンの商品である債券を保有のが最適だと考えられます。
最後に、咄嗟に現金が必要になった場合に備えて、現預金を300万円は残しておきましょう。このようにすることで、理想的なポートフォリオが形成されると考えられます。
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