日本人は貯蓄傾向が強い
日本人の貯蓄好きは有名な話ですが、やはり世界と比較して自己資産の貯蓄の占める割合は大きくなっています。
日銀の調査によると、日本人の資産の半分以上(52.3%)は現金か預金となっており、アメリカやヨーロッパと比較してもその割合が突出していることがわかります。
参照:資金循環の日米欧比較, 日本銀行調査統計局
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf
2018年のデータでは、日本全体で1,000兆円以上が現金・預金として管理されていることとなり、その分だけ、日本経済が回っていないということになります。
もちろん、不況の時代に消費を促すのは簡単なことではありませんでしたが、お金を使うことで経済を回し、活性化させていくことが、景気の回復や発展には重要なのです。
「老後に備えて」という人も多いかもしれませんが、資産を塩漬けしてしまうことはインフレなども考慮した相対的な資産価値で考えるとリスクもあります。
ここでは効果的なお金の使い方について考えてみましょう。
資産運用で投資先・日本経済に貢献
「お金を貯めずに使う」とはいえ、いきなり浪費に走るのはおすすめできません。
もちろん、将来のことを考えて計画的に貯金をしている人は、そんな使い方はしたくないでしょう。
「お金をただ貯めておくのはもったいない気がするけれど、どう使って良いのかわからない」という人には、資産運用がおすすめです。
投資・運用を通じて、貯め込んでいた資産を経済に触れさせ、経済の発展に寄与するとともに、お金を使うことで、増やしていくこともできます。
また、資産を運用することで経済の発展にも貢献できます。
そもそも、株を買う=株主になる、ということは、その会社の成長や利益を期待し、資金を提供していることと同じであり、会社が儲かれば株主も得をし、損をすれば株主も損をするという構造になっています。
現在は、マネーゲームのような側面も強く、会社の利益や成長も見えにくいため、マーケット(市場)の評価・人気により株価が左右されますが、その評価も、決算の状況や事業展開などを元に判断されています。
直接株主になる株式投資だけでなく、ファンドなどで資産運用する場合にも、間接的に社会貢献に繋がるという意義があるでしょう。
例えばトータスパートナーズ(Tortoise Partners)は、後継者問題に悩む非上場の中小企業の中から、優良企業を選定し、投資・支援するとい投資理念を持っています。
このファンドは、一般の投資家が市場からアクセスすることのできない非上場の企業に対して、ファンドという機能を活かし、投資するだけでなく、経営の支援・改善にも着手しています。
つまり、このファンドに出資し資産運用することは、中小企業の再建に貢献できるだけでなく、地方経済や老舗企業の発展にも貢献することになるのです。
もちろん、このファンドも慈善事業を行なっているわけではなく、この活動を通じて投資先の価値=株価を向上させ利益を得るという目的もあります。
この社会課題の解決に寄与する活動を通じて利益を獲得し、結果として、出資者となる投資家にも利益が還元され、リターンを得ることができます。
ちなみに、「より社会的に意義のある投資活動の方が、単純にチャートを追うようなマネーゲーム的投資活動よりも、より確実なリターンを得られる」とのデータもあります。
単純にお金を右から左に動かすだけでなく、価値ある使い方をすることで、自分自身にもその利益が還元されるのです。
投資先を選ぶときには
このようにお金の使い方に悩んだときには、貯蓄でも浪費でもなく運用するのが有効な手段の一つです。
ほとんどの場合において、「使う=無くなってしまう」であるお金が「使う(運用する)→ 増えるかもしれない」という可能性がある資産運用は、使い道に迷っている貯蓄の使い方としておすすめできます。
もちろんどんな投資にも「絶対」はありませんし、利益が確実なものはありません。「投資」である以上、必ず損をするリスクもあります。
ですが、社会的な意義がある投資の方がより経済的な利益(リターン)にも繋がりやすいことや、経済を回すことにも繋がることを考えると、その価値は計り知れません。
資産運用を検討している人は、収益性だけでなく、是非様々な視点から投資先を検討するようにしてみてはいかがでしょうか。