100万円と1,000万円では運用の考え方が異なる
「100万円を運用しようと思っていますが、オススメの運用方法はありますか?」
こんなことを相談されることがあります。
恐らく管理人自身が金融に深く携わっているので、「〇〇の株を買えば良いんじゃないか!」というようなアドバイスが貰えるのではないかという期待のもと、相談してくれるのかなと思います。
本サイトでは、基本的に1,000万円~3,000万円程度の貯蓄がある方を対象に、どうすれば過度のリスクに晒すことなく年間10%程度の利回りを継続的に達成出来るのかということを考察しています。
その点、100万円の運用というのは額として非常に小さく、これは1,000万円以上の額を運用する時とは少し違う考え方が必要になります。
まず100万円を元本にした場合、年間で10%の利益が出せたところで利息は10万円にしかなりません。1,000万円を年間10%で運用した場合には、利息が100万円程度になりますので、これは大きな違いです。
月々約1万円の臨時収入が入るのか、10万円の臨時収入が入るのかの違いと考えて頂ければその差が分かると思います。
複利で、長期間運用した場合には、以下のような差が出ます。
1)100万円の元手を年率10%で運用した場合
▶︎ 5年後 :161万円
▶︎ 10年後:260万円
▶︎ 20年後:673万円
2)1,000万円の元手を年率10%で運用した場合
▶︎ 5年後 :1,610万円
▶︎ 10年後:2,600万円
▶︎ 20年後:6,730万円
上記を比べて頂ければ分かると思いますが、100万円を元手に20年間年率10%を達成した場合のキャピタルゲインは、673万円-100万円 = 573万円です。
一方、1,000万円を元手に同様の運用をした場合のキャピタルゲインは、6,730万円 – 1,000万円 = 5,730万円になります。
100万円 or 1,000万円?どちらの方が運用が簡単なのか
「元手が10倍なんだから当たり前だろう!」と思った皆さん。
実はこの数字は、非常に大切な”誤解”を含んでいます。
この「100万円を元手に573万円を得る活動」と、「1,000万円を元手に5,730万円を得る活動」、皆さんはどちらの方が「簡単」だと思いますか?
答えは、「1,000万円を元手に5,730万円を得る活動」なのです。同じ利回りを目標とするのであれば、元手が大きい方が圧倒的に簡単です。これは、金額の大きい人の方が優れた金融商品にアクセス出来る可能性が高いためです。
活動としての難しさで言えば、100万年を元手に色々と頑張る方が遥かに大変です。
それなのに、結果としてはその「簡単な方法」の方が5,000万円以上も儲かる。重要なのは、初期段階での900万円という差だけ。これが運用の世界です。
あらゆる誤解を恐れず率直に実態を指摘して良いのであれば、
「お金のない人のところへはそれ相応の商品しか寄ってこない。それにより一向にお金が儲からない」のです。これにより貧富の差はますます広がってしまいます。
だから、まずは100万円をどのように運用しようかフンフンと頭を悩ませるよりも、まずはしっかりと生活を見直して1,000万円以上を貯金し、それからガツっと運用を始めた方が良いのではないかと思います。
それなりの金額が貯まってくれば一流のファンドで運用することも可能です。100万円で、適当な投資信託を持つよりは幾分か意味があるでしょう。