将来について考えはじめる30歳
30歳に突入し、結婚や子育てを機に、人生について真面目に考えるようになる人は少なくありません。
20代の頃は、浪費していく中で「なんとなく貯金をする」程度だった人たちも、守るものができ、責任が増すことで、家族や将来について様々なことを計画的に考えるようになります。
例えば、保険に入ることを真面目に考えるようになるのは、結婚のタイミングだと言います。
仮に自分の身に何かが起こってしまっても、家族に少しでも残せるように、リスクに備えるようになります。
また、子供が生まれることで、家族計画が具体化し、どんな住まいにどれくらいの費用をかけるのか長い目で考えるようになります。
それこそ、子供が成長していく過程や、あるいは子供が自立した後のことまで考える人もいるかもしれません。
その際に、「賃貸」なのか「不動産を購入する」のか計画的に試算するはずです。
お金について日本人が忘れていること
このように、多くの日本人は、将来のお金のことに対して、「リスクに備えたり」「ムダがないように考えたり」保守的な面は必死に考えます。
しかし、「どれだけムダに使わないか」も大事ですが、「どのように資産を築いていくのか」を考えていくことも非常に大切です。
日本人は、この「資産を築く」という観点が非常に欠けているのです。
これは、日本人の国民性や過去の国策が関係しているかもしれません。
日本では、「資源が足りない」となったときに、「新しい資源を獲得しに行く」よりも「今ある資源を上手く使おう」という考えが先行しがちです。
これは、島国という限られた世界で生活してきたからかもしれません。
また、かつて「子ども銀行」と称するものがもたらした弊害が今なお根付いているとも言われています。
「子ども銀行」とは、昭和23年に、当時の大蔵省(現在の金融庁)と文部省(現在の文部科学省)によって実施された施策で、子どもの頃から貯蓄を促し、銀行に貯蓄することの大切さを教えたものでした。
現在は廃止されていますが、当時小学生だった団塊の世代は、現在60~70歳となり、今もなお「貯蓄第一主義」を貫いています。
また、その世代に育てられた現在の30~40歳の人たちも「貯蓄こそ正義」という考えを教え込まれており、「お金は貯めるもの」「投資は危ないもの」という「偏見」を植えつけられています。
そのため、日本人の投資(資産運用)に関するリテラシーは非常に低いのです。
詳しくは『日本は金融後進国!?今、注目を集める有益な金融商品とは』で解説していますが、日本人は投資に後ろ向きなだけでなく、金融に関する知識レベル(リテラシー)も低いことがわかります。
また、日本の投資信託市場は世界的に見ても最低レベルで、先進国25カ国中下から2番目の24位、ランクはC-で全体の90%以上が、マイナス収益と目も当てられません。
しかし、そんな現代だからこそ、資産運用について真面目に考えることは非常に重要です。
特に、個人の投資ハードルがどんどん下り、ますます資産運用が活発になるこれからの時代は尚更です。
資産運用はスタートが大事
まだまだ日本人は投資に関して明るくないですが、少しでも早くスタートすることが肝心です。
「投資はお金が貯まってからはじめよう」「運用する前にまずは勉強して知識を蓄えよう」と考える人が多いようですが、これは間違っています。
「今すぐ何かに資金をつぎ込め!」というわけではありませんが、なるべく早く運用を始められるように、準備(勉強や情報収集など)は今すぐにでも始めましょう。
なぜこれほどまでに資産運用を急かすのかというと、資産運用は早く始めることで
・リスクを回避でき
・必要な資金も抑えることができる
からです。
例えば、仮に年+5%の運用ができたとして、定年の60歳まで運用することを考えた場合、
40歳で始めて20年運用した場合、2.65倍
30歳で始めて30年運用した場合、4.32倍
20歳で始めて40年運用した場合、7.04倍
とこれだけの差ができてしまうのです。
40歳で運用を始めた人と、20歳から運用を続けた人では、資産が2.6倍も違うことになります。
つまり、仮に同じゴール(資産の目標額)を目指す場合、元手が2.6分の1(38%)で済むのです。
また、仮に60歳までに資産を4倍にしようと考えた場合、
40歳で始めて20年で達成するためには、年+7.2%
30歳で始めて30年で達成するためには、年+4.7%
20歳で始めて40年で達成するためには、年+3.5%
で運用する必要があります。
つまり、同じゴールに向かって走るのに、早く始めれば早く始めた分だけ、小さな労力(資金、リスク)で済むのです。
とはいえ、いきなり「資産運用について考えろ」と言われたところで、何から手をつけていいのかわからない人も少なくないでしょう。
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