近年「ロボアドバイザー」を用いた投資に注目が集まっています。
ロボアドバイザーとは、投資や資産運用を行う個々人に合わせて、「適切な投資配分(ポートフォリオの作成)をアドバイスしてくれたり」「投資信託の売買を代わりに行ってくれる」AIを用いたインターネット上の投資システムです。
端的に言えば、「AIが代わりに投資をしてくれる」システムのことを言います。
ロボアドバイザーが注目される以前は、投資家が相談する相手は、証券会社の窓口やフィナンシャルプランナーが主流でした。
しかし、アメリカで開発されたAIを応用したロボアドバイザーが登場したことにより、一人ひとりに合わせた投資の提案を、より効率的に行なえるようになったのです。
ロボアドバイザーのAIは、利用者に対していくつか質問を投げ掛け、その質問に答えることにより自動的にその人に合った配分で投資を行なってくれます。
一見すると初心者にも”とっつきやすい”このロボアドバイザーですが、どのようなメリット/デメリットがあるのでしょうか。
今回は、注目が高まるロボアドバイザーについて、詳しく考えていきたいと思います。
ロボアドバイザーのメリット
まずは、ロボアドバイザーのメリットから考えていきましょう。
ロボアドバイザーのメリットとして、
① AIによる分散投資と自動リバランス
② 感情に任せない投資
③ 時間の短縮
の3つが主に考えられます。
① AIによる分散投資と自動リバランス
分散投資は複数の投資先に投資することによってリスクを減らす投資の大原則ですが、AIを用いることで最も収益が高そうな投資先に対して自動でそれを最適化(調整)してくれます。
また、分散投資は、時間の経過ととも最適な比率が変わってきて、安定した収益性が保たれない場合がありますが、これもまたAIを用いることで自動的に適切な投資バランスに戻してくれます。
これが「自動リバランス」です。
この「最適化」と「自動リバランス」が得られるということが、ロボアドバイザーを活用する1つ目のメリットになります。
② 感情に任せない投資
人が投資を行うとどうしてもそこには人間的な「感情」が介在してしまいます。
投資初心者ならより一層多いことですが、値上がりすると欲がでてしまいますし、値下がりすると取り返そうと躍起になったり、あるいはこれ以上の損失を恐れて早々に見切ってしまったりします。
AIには、どうしても排除できない人間的な感情がないため、ロジックに従って適切に投資をすることができます。
③ 時間の短縮
人間が株式投資をする場合には、投資先の候補の情報を四季報やIRなど様々なところから取ってきて、今後株価がどう上がるかを予想したり、株式購入後も日々目まぐるしく変わるチャートを見つめながらいつその株式を売却するかを常に意識していく必要があります。
これは想像以上に莫大な時間と精神を削られます。
こういった作業をAIに任せてしまえば、人が投資にかける時間を大幅に短縮することができます。
ロボアドバイザーのデメリット
ロボアドバイザーに様々なメリットがあることがわかりましたが、一方でデメリットはないのでしょうか?
見落としがちな3つのデメリットについてもここでは考えていきます。
① サービスの質の見極めの難しさ
ロボアドバイザーが開発されてからまだ歴史が浅く、各運営会社を比較してもサービスの質に大差がないように感じられます。
そして運用実績もまだまだ不透明な部分であるため、今後の経過をしっかりと見極めて投資していくことが必要になります。
様々なサービスが乱立する中で、質の良いサービスを見極めるのはまだまだ困難を極めるでしょう。
② 大きな値上がりは期待できない
ロボアドバイザーは基本的にはインデックス銘柄への分散投資をするので、リスクが少ない分、あまり大きなリターンは期待できません。
またそれに対してそれなりの「運用手数料」はどうしてもかかってしまいます。
本気で資産を増やそうと考えている人にとっては、利回りが不十分になることが予測されます。
③ 本当に個々人に合った運用なのかはまだ不透明
冒頭でも触れましたがロボアドバイザーは利用者に向けて質問を投げかけ、それに対する利用者の回答を反映させたリスク回避度の算出を行っています。
しかし、質問項目が決して多くはなく、利用者の個人個人の志向を反映するには情報が不十分だという意見も多くあります。
サービスの歴史が浅い分、まだまだ本当に個人に合った運用ができているとは決して言い切れないかもしれません。
運用を任せることができる投資手法とは
このようにロボアドバイザーにはメリットもあり、投資初心者の方にもってこいの手法のようにも感じる一方で、まだまだサービスとしての歴史が浅いがゆえのデメリットも見られます。
また、利回りについても、あまり期待できないため、決して優れている手法ではありません。
やはり、第三者に運用のアドバイスを求める、あるいは運用を任せてしまうような投資がしたいのであれば、ヘッジファンドでの運用がおすすめです。
ヘッジファンドは、AIではなく、投資のプロがあなたの代わりに資産を運用してくれます。
AIによる自動分散投資やリバランスではありませんが、「プロの投資家」であるファンドマネージャーが最適な運用を常に意識して行ってくれます。
ヘッジファンドは運用を生業にしたプロであり、投資初心者のように感情に流されることもなく、冷静に市場を読み切った運用を行ってくれることでしょう。
これにより、あなたは安心して自分自身の時間を割かれることもなく資産運用を行うことができます。
また、ヘッジファンドの多くは、運用成績に応じて会社の収益が決定し、常に実績を求められるため、死に物狂いで運用を行い、高い利回りを上げていくことを信条にしています。
ヘッジファンドであれば、高い利回りを、リスクを抑えて実現できるでしょう。
技術が進歩した現在でも、AIの運用はまだまだ実績もなく今後どのように変化・発展していくのかは未知数です。
AIの将来性には期待したいところですが、まだまだ時期尚早かなという気がします。
現時点では、より確実な運用を目指すのであれば、金融業界で長く実績のある、その道のプロの力を借りることが最も安全で信頼のおける手法でしょう。