50歳からの資産運用 資産運用 AI vs ファンドマネジャー|Fintechの進化でこれからの資産運用はどう変化するのか

AI vs ファンドマネジャー|Fintechの進化でこれからの資産運用はどう変化するのか

Fintechブームによって、AIを活用した資産運用サービスが拡がってきています。今までは人が行うしかなかった投資判断をコンピューターが行えるようになり、"人"が担当するサービスは縮小する傾向にあります。
このまま人の仕事はAIに取って代わられてしまうのでしょうか?プロの投資家であるヘッジファンドのマネジャーの仕事を今一度考えてみたいと思います。

資産運用
最終更新日:2017年10月08日

これからの投資はAIが行う?

 

Fintech(フィンテック)、AI…

 

これらの言葉を耳にしたことがある人は少なくないでしょう。

技術の進歩により、金融(Finance)の世界における、テクノロジー(Technology)のあり方が変わってきています。

 

これまでは金融の世界における技術(テクノロジー、システム)というものは、あくまでもトレーダーの働きをサポートするものでした。

圧倒的な情報収集やデータ分析など、今までもコンピューターの力は十分に活用していましたが、あくまでもそれらはツールであり、人が使うものでした。

 

しかし、そのあり方が今変わってきています。

その代表格とも言えるのが、AIによる投資”判断”を行うサービスです。

 

これまでは人が行ってきた判断を、システムが行う時代がついに始まりました。

イギリスの大手金融機関、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は「ルーボ(Luvo)」というロボアドバイザーの導入を拡大しており、既に500人以上の職員を解雇するに至っています。

 

 

AIの躍進を支えるのはビッグデータ

 

このようにAIを代表とするデジタルなサービスを支える背景に、ビッグデータ時代の到来があります。

 

これまでもデータ分析にITが活用されることはありましたが、それはあくまでも部分的なものであり、人が使うツールの範疇を超えませんでした。

システムが収集したデータや分析結果を元に、最終的な判断(=意思決定)は人が行ってきたのです。

 

そこにはいわゆる「システムの限界」があったのです。

そもそも金融で扱う情報は、とてつもなく膨大です。銘柄の数は膨大(日本国内だけで3,500以上 ※2017/10/5時点)で、またそのそれぞれが秒単位で動きを続けています。

 

例えば、株価の値動き一つ取っても、その要因は無数にあります。

景気、経済の状況や、その企業の経営判断、政治の動向から世界情勢まで、影響を与える他、最終的に株価を決定するのは、世界に数千万人以上もいる、全ての投資家一人一人の判断です。

 

世界中の投資家が、様々な情報に振り回されながら、上がるか下がるかを考え、売買をし、株価に影響を与えているのです。

これら全てをシステムが判断するのは非常に困難でした。

 

しかし、これを可能にしたのが「ビッグデータ」です。

ビッグデータとは、言葉の通り「大容量のデジタルデータ」のことを指しますが、今ではこれまで処理しきれなかった規模・種類・形式のデータを処理し分析することまで意味します。

 

これまでは雑多すぎて処理しきれなかった、最終的には人間がセンスや経験則、大局観と呼ばれるようなもので判断するしかなかったものを、コンピューターが取り扱えるようになったのです。

 

 

 

資産運用はAIに取って代わられるのか

 

ここまでの話を振り返ると、「これからはAIが投資の判断を行っていく時代が来るのでは?」という気がしてきます。

 

たしかに、AIが金融業界の中で占める割合は増えるでしょうし、AIやビッグデータを活用したサービスも幅が拡がっていくでしょう。

サービス一つ一つの質も向上していくはずです。

 

ですが、このまま資産運用のサービスがAIに取って代わられてしまうのかと言うと、”そうではない”のではないかと思います。

プロのトレーダーやファンドマネージャーと呼ばれる人たちの仕事は決して無くならないでしょう。

(質の悪いものは淘汰され、選りすぐられたものだけになるとは思いますが…)

 

なぜなら、資産運用(投資)の活動は、銘柄の判断や売買だけ”ではない”からです。

 

例えば、代表的なものに、「アクティビスト投資」があります。

これは、主にヘッジファンドなどが大株主として企業に働きかけ、経営陣と一緒になって経営の改善、業績の回復、そして株価の上昇に努めるものですが、まさに”人”だからこそできる活動でしょう。

 

投資とは、与えられた情報から判断するだけでなく、自分から働きかけて、交渉したり説得したりする必要もあるのです。

 

このように、AIが入ってこれない、人と人とがコミュニケーションをとることでしか成り立たない領域があるのです。

 

技術の進歩はめざましく、これからもますますITを駆使した金融のサービスは拡充してくることでしょう。

ですが、全てがシステムに置き換わるというわけではないでしょう。

 

プロの投資家やヘッジファンドが、ただ株の売買をしてるだけの存在ではないと言うことを改めて認識し、投資の奥の深さを今一度考えてみてはいかがでしょうか。