最もメジャーな金融商品「投資信託」
投資信託といえば、投資に関して真っ先に名前が上がるほどメジャーな金融商品です。
そのため、投資(運用)を始めようと思った時、「まずは投資信託を検討してみよう」という人もたくさんいらっしゃいます。
そこで、皆さんが最も気にしているのが「投資信託は本当に儲かるのか?」ということではないでしょうか?
今回は、投資信託の「仕組み」や「儲かる確率(可能性)」について検証していきたいと思います。
【データから検証】実は投資信託で儲かる確率は非常に低い
「投資信託」は誰もが知っている(耳にしたことがある)用語ですが、金融商品としては「有名」なことより「儲かる」ことの方が重要です。
投資信託は、本当に投資家に利益をもたらす商品となのでしょうか?
まずは、投資信託全体の過去の実績を確認してみましょう。
投資やお金の総合サイトである「ザイ編集部」の調査によると、高分配型投資信託100本中、93本が年間の利回りがマイナスとなり、プラスを維持できたのは7本だったといういう結果が出ています。
つまり、実に9割以上がマイナス運用となっているのです。
さらに、人気順で見ても、驚くことに上位5本は全てマイナス運用となっています。
投資信託の「人気」と「実績」は関係がないのです。
▶︎ 参考:利回りマイナスの高分配型投資信託が激増!人気100本のうちで黒字をキープした7本とは?グロソブやゼウスなど人気投資信託もチェック!|ダイヤモンドZAi最新記事|ザイ・オンライン http://diamond.jp/articles/-/87927
投資信託が抱える2つの大きな問題点
このように、「有名」や「人気」であることと「儲かる」かどうかとは全く別次元の話です。
では、なぜここまで投資信託が儲かる確率は低いのでしょうか?
それには、投資信託の構造上の2つの欠点が関係しています。
銀行や証券会社の人が決して語らない投資信託の抱える大きな問題点をお伝えしましょう。
投資信託の問題①:損をしてもOKという運用方針
そもそも、投資信託は「損をしてもいい」という運用方針です。
こう書くと、「え、なんで?」とか「そんな訳ないだろ」と思う人も数多くいらっしゃると思いまが、残念ながらこれが真実なのです。
投資信託は一般に「ベンチマーク」と呼ばれる指標を基準に運用されています。
「ベンチマークを上回る成果を出すこと」が運用の目標なのです。
そして、このベンチマークは、日経平均やTOPIXなどの指標が対象となります。
つまり、日経平均が20%下がった場合は、たとえ投資信託が15%下がっていても、「ベンチマーク」を上回る(まだ”マシ”な)成果を残したことになってしまうのです。
投資信託はこの運用成果で大満足なのです。
実際には、投資家に15%の損失が生じているにも関わらず…
これによって、「投資信託は(場合によっては)損をしてもOK」という雰囲気が生まれてきます。
結果、顧客のために必死に努力して、絶対的にプラスの運用成果を出そうという気概が薄れてしまうのです。
これが、投資信託の儲かる確率が低い大きな原因の一つになります。
投資信託の問題②:投資信託は利益が出ようと損をしようとどちらでもいい
銀行や証券会社で投資信託を紹介(営業)されるとき、「あなたに代わって金融のプロが運用しますよ」というセールストークを受けると思います。
しかし、その金融のプロは、「運用で利益が出ようが損をしようがどちらでもいい」と思っています。
もちろん、良心がある人は「どちらでもいい」とまでは思わないかもしれませんが、いずれにせよ運用成果に対して利害関係がないのは事実です。
金融のプロと言われて運用を任せられている彼らの報酬は、運用成果(パフォーマンス)と連動していません。
この問題を理解するために、投資信託の「収益構造」から考えてみましょう。
投資信託は、購入時に「販売手数料」がかかります。概ね3%前後です。
加えて「信託報酬」と言われる管理手数料がかかります。これは投資信託を”保有しているだけ”でかかる費用で、年間0.05%~3%前後になります。
また、解約時には「信託財産留保額」として0.5%程度かかることもあります。
これらの手数料についてきちんと考えてみると、いずれも申し込みや解約などの「手続き」に関わるもので、成果(パフォーマンス)に関するものではないことがわかります。
皆さんの中にも、銀行の窓口で投資信託の切り替えを勧められた経験のある方は少なくないでしょう。
その理由は、申し込みや解約と言った「取引/手続きをすることで儲かる仕組みに」なっているからなのです。
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この
① そもそも増やすことを目標としていない
② 増えても増えなくても金融機関の儲けと関係がない
という2つの問題点によって、投資信託ではなかなか儲けることができない(90%以上がマイナス運用)現状ができ上がってしまっているのです。
投資信託は初心者向け、金融業界ではヘッジファンドが選ばれている
投資信託の「儲かる確率が非常に低いこと」や「構造上の問題点」は理解していただけたかと思います。
ですが、なぜこんなにも投資信託は買われている(人気がある)のでしょうか?
その最も大きな理由は、投資信託の始めやすさでしょう。
1万円からでも投資を始めることができ、インターネットで取引もできます。
早い話、投資信託は「これから投資を始めるたい」と言う初心者にとってハードルが低いのです。
ですが、実際にはほとんど儲かりません。
では、投資で本当に利益を上げたい(資産を増やしたい)という人は、どのように(何で)運用すればいいのでしょうか?
1つは株や不動産など、「自分の興味のある分野を勉強し、スペシャリストになる」という方法があります。
しっかりと勉強を積み重ねて、きちんとした知識やスキルを身に付けることができれば、十分な成果をあげることができるはずです。
しかし、これには「そもそも興味があるか」「その人の投資スキルがどこまで伸びるか」「どれだけ勉強の時間が取れるか」など、様々なハードルがあります。
これら全てをクリアするのは決して簡単なことではありません。
そこで、もう1つの手段として「投資のプロに資産を預けて運用を任せる」という方法があります。
ヘッジファンドに預けるのが代表的な方法でしょう。
「ヘッジファンド」というワードはあまり聞きなれないかもしれませんが、金融業界や投資に明るい富裕層の間では非常に代表的な選択肢です。
「運用のプロに預ける」と聞くと、「投資信託と同じではないのか?」と思う方もいらっしゃるでしょうが、決してそんなことはありません。
ヘッジファンドでは、先程指摘した2つの問題点がきちんと解消されています。
まずはじめに、ヘッジファンドはどんな相場でも投資家に利益をもたらす「絶対利益」を目標とします。
相場が上がっていても下がっていても、ヘッジファンドの目標は「運用成果(パフォーマンス)をプラスにすること」なのです。
そして、ヘッジファンドは基本的に「成果報酬制度」を導入しています。
つまり、運用成果(パフォーマンス)に応じて、ヘッジファンドの収益が増減するのです。
ヘッジファンドでは、運用の成果(パフォーマンス)がファンドの収益に大きく影響するため、きちんと”自分ごと化”して運用に注力してくれるのです。
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近年、個人投資家の数は増え、誰でも始められる金融商品(投資の選択肢)もどんどん生まれていています。
一方で、金融商品の種類が多すぎて、その仕組みや収益構造まできちんと理解している人は少ないかもしれません。
そんな方々に向けて、50歳からの資産運用では、金融の第一線で働いてきた経験を活かし、様々な情報を発信しています。
これから運用を考えようという初心者の方から、既に運用をスタートしている経験者の方にまで、様々な役立つ情報や考察記事を掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください。