個人ができる資産運用(投資)の中で、最も人気のあるものはやはり投資信託でしょう。
最近では仮想通貨なども非常に注目を集めていますが、仮想通貨の中でも最も取引量が多いBitcoin(ビットコイン)の取引高が1日あたり約2500億円前後(1ヶ月で約7.5兆円)なのに対し、投資信託の取引高は、1月で約203兆円です。
※Bitcoinの取引高は2018年2月5日現在のもの。投資信託の取引高は2017年11月のものです。
参考:Bitcoin (BTC) – JPY – Money flow, trading volume by exchange and total volume over time.
https://www.cryptocompare.com/coins/btc/analysis/JPY?type=Vol&period=ALL
投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数)直近データのバックナンバー – 投資信託協会
https://www.toushin.or.jp/statistics/statistics/data/backno_I011BG/
この2つの金額を比べただけでも、いかに投資信託が広く浸透しているかを肌で感じることができます。
そこで今回は、そんな大人気の投資信託について手数料や税金、はたまた最も難しく重要と言われる解約のタイミングについてその種類や注意点を解説していきたいと思います。
投資信託に必要な手数料は3つ
投資信託は、銀行や証券会社を通じて購入することができる金融商品です。
銀行や証券会社で「販売」されていますが、実際には「運用会社」が運用を指示しています。
その運用の結果として出た収益からを、「運用会社」や「販売会社(銀行や証券会社)」に手数料を支払った後で、投資家は利益(リターン)を得ることができます。
出典:投資信託の仕組み – 投資信託協会 https://www.toushin.or.jp/investmenttrust/about/scheme/
その際に必要になる手数料には以下の3つがあります。
1. 販売手数料
2. 信託報酬
3. 信託財産留保額
「販売手数料(買付手数料)」とは、投資信託に「購入時」に支払う手数料のことを指します。
販売手数料は、文字通り「販売」に関わる手数料なので、銀行や証券会社といった「販売会社」によって設定額が大きく異なります。
基本的にネット証券などは安く、対面営業を行っている一般的な証券会社は高い傾向にありますが、一般に 0~4% 程度で設定されていることが多く、特に販売手数料が0%のものを「ノーロード型」と呼ぶことがあります。
次に「信託報酬(運用管理費用)」ですが、これは運用にかかる費用(コスト)として投資信託を保有している間、継続的に払い続ける手数料のことです。
こちらは「運用に関わる手数料」なので、販売会社による差異はありません。一般的に 0.05~4%程度に設定されています。
最後に「信託財産留保額」ですが、これは解約時に支払う手数料です。
投資信託を解約して、現金化するためには、運用側も保有している株や債権を手放して現金を用意する必要があります。
その際にかかる費用や、解約者によって投資の機会(チャンス)が損なわれたことに対するペナルティのようなものだと考えると良いでしょう。一般に0 ~ 0.5% 程度で設定されていることが多いようです。
このように投資信託には様々な種類の手数料が複雑に絡み合います。
目先の手数料や、パッと見の手数料に惑わされることなく、全体をきちんと把握できるようにしましょう。
投資信託の解約(償還)時にかかる税金
そして、投資信託での運用に関する費用としてもう一つ重要なのが「税金」です。
投資信託で得た収益は、「配当所得」として取り扱われるため、所得税・復興特別所得税・住民税として、20.315%課税されます。
これは、決算ごとに支払われる「分配金」に対しても課税され、途中解約・売却する際に得る「解約益」「売却益」に対しても、償還時の「償還差益」に対しても、それぞれ課税されるのです。
個人での資産運用に関する税金は非常に複雑です。
最も一般的な「特定口座(源泉徴収あり)」を使用している場合、これらの税金は源泉徴収されるため原則確定申告は不要ですが、譲渡益が20万円以下の場合、税金を払い過ぎてしまうことがあるというデメリットがあります。
また、状況によっては確定申告の際に申告分離課税を選択して、「損益通算」することで控除を受けることもできますし、流行りのNISAなどを活用すれば部分的にでも非課税で投資の利益を回収できるかもしれません。
ここに書いた数行だけでも、税金やそれに関するルールがいかに複雑で面倒臭いものであるかはご理解いただけたかと思います。
最適な(最も損をしない)制度の活用方法は、千差万別でここには書ききれないため今回は割愛しますが、興味のある方は是非一度調べてみることをオススメします。
あるいは、自分が運用をしていく中で、その都度最適な方法を税理士などに相談してみるとよいかもしれません。
一番重要で難しいのは解約(売却)のタイミング
ここまで、手数料と税金の話をしてきましたが、これらはあくまでも仕組み・制度の話であり、投資の本質とは全く関係がありません。
投資(資産運用)において最も重要なのは、「何」を「いつ買って」「どのタイミングで売却」するかなのです。
仮想通貨の急騰と暴落で、一部の人が大金を手にし、また一部の人が多くの資産を失ったように、売買の判断こそが資産運用において最も重要なポイントとなります。
特に注意しなければならないのは「投資信託はプロが運用してくれるから安心」などと高を括ってはいけないということです。
投資信託とは、確かにプロが運用してくれますが、ここで言う「運用」とはポートフォリオのバランスを整える程度だと考えた方がよいでしょう。
「●●産業にフォーカスしている」「▲▲業界の銘柄でバランスをとる」などと言ったところで、銘柄の上下に合わせて細かく売買を繰り返しているわけではありません。
結局は
「どの投資信託が上がっているのか(上がりそうなのか)?」
「この銘柄の上がりはどの程度で止まりそうなのか?」
「他にもっと良い銘柄はないのか」
などと常に考えて自分で売買の判断をしなければならないのです。
一方で、売買するいうことはその度に手数料もかかりますし、税金も発生します。
マメに判断しなければならない一方で、その都度コストと手間が増大していくためよく考えて判断をする必要があります。
投資信託で運用することは本当に簡単なのか?
ここまで見てきた通り、投資信託で運用することは実はそんなに簡単な話ではありません。
「(目先の)手数料が安い」
「プロが運用してくれる(?)」
「皆んながやっている」
「銀行で勧められた」
などという理由で安易に始めてはいけないのかもしれません。
総合的なコスト(経費・手間)を鑑みて検討した場合、銀行や証券会社で取り扱われている投資信託での運用はあまりオススメできません。
それだったら似た金融商品であるヘッジファンドでの運用の方がまだオススメできるかと思います。
ヘッジファンドは、プロが運用を代行してくれる資産運用のサービスという点において非常に投資信託と似たものがありますが、運用の質や手数料の体系が全く異なります。
ヘッジファンドであれば、個別銘柄の売買や売り時・買い時(タイミング)の判断まで全て完璧に行ってくれるため、私たち投資家がいちいち頭を悩ませる必要はありませんし、「販売会社」などを経由せず直接契約をするため、余計な中間手数料もかかりません。
一般にヘッジファンドは手数料が高いと思われているようですが、表面的な数字に惑わされることなく、総合的なコストを比較するとヘッジファンドの方がムダがなく割安です。
また税金について先ほど「税理士などに相談」と書きましたが、身近に頼りになる税理士がいらっしゃる方はそう多くないでしょう。
ヘッジファンドであれば、資産運用(金融)のプロとして、税金面の対策についてもアドバイスをもらえる可能性が高いと思います(貴重な投資家を無下にはしないでしょう)。
そして、何より重要なのは投資における「利回り」です。
実は、日本国内で販売されている投資信託の9割以上がマイナスになっているというデータがある一方で、ヘッジファンドは業界全体として年間+5~10%程度のパフォーマンスが期待できると言われています。
「メジャーだから」「大手で紹介されたから」などと安易な理由で投資信託に飛びつくことなく、是非様々な情報に触れ、より質の高い資産運用を目指してみてください。