50歳からの資産運用 投資信託 金融マンが徹底解説!! 投資信託にかかる手数料と、その不思議なカラクリとは

金融マンが徹底解説!! 投資信託にかかる手数料と、その不思議なカラクリとは

多くの投資初心者が投資信託の手数料を調べ・比較する理由を、皆さんはご存知でしょうか?今日は投資信託の手数料について詳しく解説するとともに、この手数料という不思議なシステムに潜む罠を徹底的に暴いていきたいと思います。

投資信託
最終更新日:2017年11月12日

貯金ができて投資を始めようと思った時には、まずは投資信託を調べるのが定番ですね。

 

「投資(資産運用)と言えば投資信託!」というのが、日本人の一般的な考えになってきているようです。

 

さて、初心者が投資信託を選ぶ際に、まずは「手数料」を調べ・比較することが多いと思います。

そこで、今回は数ある投資信託のポイントの中でも「手数料」に話題を絞り、金融業界に長く身を置くことで得た知識や経験を元に、アレコレと解説していきみたいと思います。

 

投資信託の手数料って、実はけっこう奥が深いんです。

 

目次:
・なぜ手数料を比較するのか?意外な理由を解剖
・投資信託に必要な3種の手数料【販売手数料・信託報酬・信託財産留保額】
・手数料が安いと高い投資信託はどっちがよいのか?インデックス型 vs アクティブ型
・プロの金融マンは、商品の手数料をどう見ているのか

 

 

なぜ手数料を比較するのか?意外な理由を解剖

 

いきなりですが、「投資信託を選ぶ(買おうとする)人は、 “なぜ” 手数料から調べはじめるのか」皆さんご存知ですか?

 

投資信託というのは星の数ほどあり、それぞれに多種多様な特色があります。

 

例えば、
「どこの国に張っているのか」
「どのような業界に投資しているのか」
「どのようなファンドマネージャーが運用しているのか」 etc.

 

この他にも、投資の手法や期間、目標リターンなど比較できるポイントは数え上げればキリがありません。

 

このように、投資信託を選ぶ際には、様々な切り口から商品を比較出来るはずなのですが、なぜか多くの人は「手数料」しか気にしません。

 

「手数料の一番低い投資信託はどこだろう?」と調べるのが投資初心者によくある考えのようですが、多くの人が手数料を気にするには、実は意外な理由があります。

 

それは、「手数料くらいしか比較できる(理解できる)ポイントがないから」です。

 

手数料とは「誰の目にも明らかな数字」です。

それぞれ、〇〇手数料〜%、◇◇報酬〜%とはっきり示されています。

 

一方で、その投資信託が、どのような商品内容であるかというのは、実は理解するのが結構難しいことがあります。

 

「△△業界の、▲▲な銘柄へ集中的に投資する」

「◆◆市場との連動が強くなるように、☆☆理論を元にしたポートフォリオを組む」

 

投資信託の戦略を記した目論見書には、ある程度の専門用語が並ぶことになりますから、初心者ではそれをいくつか読んだところで、商品同士の善し悪しを比較することが出来ません。

 

ですが、手数料は別です。

「信託報酬 1%の投信」と、「信託報酬 3%の投信」が並んでいれば、少なくとも年間に支払う手数料分については誰でも明確かつ簡単に比較が出来ます。

 

このように、投資の初心者であればあるほど投資信託自体の価値について理解できる範囲が狭く、そのため「とりあえず自分の理解出来る要素」だけを元に商品を比較しようとしてしまうのです。

そして、結果的に「手数料比較」という結論に陥ってしまいます。

 

もちろん、先の例でいきますと、実は「信託報酬 3%の投信」の方が実際の利回りが高いなんてことはザラにあります。

正しく理解できないために、本当に儲かる投資信託を選べないということも珍しくありません。

 

一番大事なのは手数料を引いた後の、お客さん(投資家)にとっての利回りです。

 

よく分からないものを比較する際に、「とりあえず自分の理解できる切り口だけ」を考えて結論を出してしまう。

これは金融商品に限らず、多くの人に共通する心理的な傾向なのです。

 

 

投資信託に必要な3種の手数料【販売手数料・信託報酬・信託財産留保額】

 

手数料だけを比較するのは危険ですが、一方で、手数料についてきちんと理解することも非常に重要です。

そこで、ここでは投資信託に投資(資産運用)する際に必要になる3つの手数料について、順を追って解説していきます。

投資信託に関わる手数料には以下の3つがあります。

1. 販売手数料
2. 信託報酬
3. 信託財産留保額

 

 

投資信託の手数料1:販売手数料

「販売手数料」とは、「買付手数料」などと呼ばれることもありますが、投資信託を購入するタイミングに一度だけかかる手数料のことを指します。

 

この手数料は、一般的に購入する金額の 0~4% 程度で設定されていることが多く、特に販売手数料が0%の投信は、「ノーロード型」と呼ばれます。

 

例えば、100万円分投資信託を買う際に、その投信の販売手数料が3%のであれば、購入時に一度だけ3万円を支払う、ということになります。

とてもシンプルですね。

 

なお、投資信託というのは、どのような銘柄を買う/売るのかを考える「資産運用会社」と、その会社の組成した商品を売る「販売会社」とに分かれています。

 

投資家の皆さんが直接話をする野村証券の担当営業員等は、この「販売会社」の方になるわけです。

実は、彼ら「販売会社」の人間は、投資信託を設計したり、運用に指示を出したりしているわけではありません。

 

あくまでも、「売買のお手伝いをしてくれる(取引を仲介したり、アドバイスをくれたりする)」のが銀行や証券会社といった販売会社です。

 

したがって、販売手数料は、同じ投資信託でも、この「販売会社」によって大きく異なります。

基本的にネット証券などは安く、対面営業を行っている一般的な証券会社は高い傾向にあります。

 

「ネットで買うとノーロードだけど、証券会社の営業員から買うと1.5%取られる」というようなことも、ザラにあるので、販売会社を選ぶ際にはいろいろと比較してみると良いでしょう。

 

 

投資信託の手数料2:信託報酬

次の手数料は、「信託報酬」です。これは「運用管理費用」と呼ばれることもありますが、こちらは販売手数料と違い、継続的に支払う必要のある手数料になります。

 

この手数料は、投資信託を運用するのにあたって継続的に必要な費用として支払うことになります。売ったり/買ったりの指示・判断をするファンドマネージャーの人件費などもこれに含まれます。

 

信託報酬は一般的に 0.05~4% 程度の範囲内で設定されていることがほとんどです。

 

こちらは販売手数料とは違い、どの「販売会社」を通しても手数料が変わりません。

 

実際、長期的に保有することを考えると、販売手数料よりも信託報酬が大切になってきます。

ただし闇雲に信託報酬の低い投資信託を買えば良いのかというとそういうわけでもありません。

 

大切なのはパフォーマンスと手数料の両方を考慮した結果、その投資信託が儲かるかどうかなのです。

 

 

投資信託の手数料3:信託財産留保額

「信託財産留保額」は、上述した2つの手数料と比較すると金額の小さい手数料です。

 

簡単に言うと、「解約時に、購入した額のうち〜%貰いますよ」という形の手数料です。一般的に、0 ~ 0.5% 程度で設定されています。

 

まとまった数のお客さんが解約してしまうと、投資信託として自分たちで保有している銘柄をいくつか手放さなくてはいけません。

その際にコストがかかるので、「この分は解約するお客さんから貰いますね」というのがこの手数料の意味です。

 

 

手数料が安いと高い投資信託はどっちがよいのか?インデックス型 vs アクティブ型

 

さて、投資信託にどのような手数料があるかは理解して頂けたかと思います。

「販売手数料 3%、信託報酬 2%、信託財産留保額 0.5%」と書かれていれば、「最初に3%払って、毎年2%払って、最後に0.5%払う」、ということになります。

 

では、一般的に、どのような投資信託の手数料は高く、どのような投資信託の手数料は安いのでしょうか?

 

簡単に言うと、「運用が大変なものほど手数料が高くなる」というのが答えとなります。当然の話ですね。

 

市場の調査をして、会社の調査をして、適切なタイミングで銘柄を購入し、適切なタイミングで銘柄を売却し、というように運用を成功させるために細かく動く必要があるものほど運用が大変になってきます。

 

ここで”キー”となってくるのは、「インデックス型」「アクティブ型」という投資信託の種類です。

 

「アクティブ型」とは、日経平均やTOPIXなどの特定の指標よりも高い成長率を目指して運用される投資信託のことを言います。

一方、「インデックス型」は、とアクティブ型とは違い何かしらの指標に”連動する”ように商品設計・運用されます。

 

一般に、アクティブ型の投資信託は、特定の指標を上回る成果を上げるべく、常にポートフォリオの最適化を図っており、運用が大変になる傾向があります。

 

一方で、インデックス型の投資信託というのは、運用にあたって継続的に必要となるコストが高くなく、手数料が小さくなる傾向があります。

 

つまり、アクティブ型は手数料が高く、インデックス型は手数料が安いという考え方もできるのです。

 

アクティブ型は、この”高い”手数料を加味しても、投資家の利益が大きくなるよう、様々な工夫を凝らした運用をし、一方インデックス型は低コストで、特定の指標に連動して動くような商品なのです。

 

 

プロの金融マンは、商品の手数料をどう見ているのか

 

投資信託の比較をしているサイトや、投資信託について語るブロガーの人達、また金融のことを少し知っている風な人達は、「アクティブ型の投資信託は長い目でみると儲からない」と結論付けていることが多いようです。

 

「結局アクティブ型でも、長期的に見るとマーケットと”どっこいどっこい”くらいの運用しか出来ない。結果的に、インデックス型に手数料分負けてしまう。」

このように結論付けている人を、よく見かけます。

 

この意見は実際、紛れもない事実の一つでしょう。

世界にある様々なデータをまとめてみると、多くのアクティブ型投信は手数料を加味するとインデックス型投信に”総合的に”勝てていません。

 

世界中の投資信託の情報を一手にまとめている情報ソースはないため正確なことは言えませんが、私の体感では、7~8割のアクティブ型投信はインデックス型投信に負けています。

 

手数料分を取り戻しながら市場に勝つというのはそれだけ難しいのです。

 

では、本当に運用に長けている人や、長年資産運用を継続している人は、この事実を受けてインデックス型の投資信託で自分の資産を運用しているのでしょうか?

実は、全くそんなことはありません。私自身も、インデックス型の投資信託での運用はしていません。

 

なぜなのでしょう?

 

簡単に言えば、金融に関するリテラシーの高い人は、本当に優れた投資先であれば高い手数料を加味しても長期的に市場に打ち勝つということを逆に体感として理解しているからです。

 

問題は、そういった投資先をどのように探すのかという点にあります。

 

例えば「独立系」と呼ばれるような、大手の金融機関と関係を持たない投資信託で市場に対して大きく勝ち越しているものも稀にあります。

今で言うと「ひふみ投信」などがその良い例で、近年の成績は好調です。

 

また、金融業界出身で数千万円クラスの投資先を探す人は、投資信託でなく「ヘッジファンド」を視野にいれることも多々あります。

ヘッジファンドとは、簡単に言うと不特定多数の客を相手にしない、少人数制の投資信託のようなものです。

 

ヘッジファンドは、投資信託とそもそもの手数料の制度が違い、投資家が支払うべき手数料の額が大きいのですが、一方で、運用の世界でもプロ中のプロと呼ばれる人達がマネージャーを務めています。

 

本当に優れた投資家であればどのような市場でも勝ち続ける。

これはウォーレンバフェットに代表されるような投資家を見れば明らかであり、相当額の資産を保有するような人達は手数料と関係なく優れたファンドに預け入れることが正しいと理解しています。

 

金融のプロ達にとって、手数料というのは”本質的に”重要な指標ではないのです。

 

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投資信託の手数料の仕組みや、本当に金融に詳しい人達がどのように手数料を捉えているのかがお分かり頂けたかと思います。

 

大手の投資信託、独立系の投資信託、そしてヘッジファンド。50歳からの資産運用では、まとまった額を運用したいと考えている人にオススメの投資先について詳しく分析しています。是非参考にしてみてください。