50歳からの資産運用 ベンチャー投資ってどうなの?個人でベンチャー企業に投資したい時に考えたいこと

ベンチャー投資ってどうなの?個人でベンチャー企業に投資したい時に考えたいこと

ハイリスクハイリターンな投資として思い浮かぶ「ベンチャー投資」今回は、ベンチャー投資の実態やその注意点について説明していきたいと思います。

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最終更新日:2023年01月10日

 

投資を考えるときに「ベンチャー投資」というキーワードが頭をよぎることがあると思います。

 

サッカー選手でもある本田圭佑氏や、実業家のホリエモンこと堀江貴文氏のように、夢あるベンチャー企業に投資して、資産を築いている人の話を目にすることもあるでしょうし、ハイリスクでも、高いリターンが期待できるベンチャー投資には確かに魅力的な側面があります。

 

実際に、ベンチャー企業に投資して元手を何十倍にも何百倍にも増やしている人もおり、「自分も同じように!」という気になるのも無理はありません。

 

ですが、ベンチャー投資は本当にそんな簡単なものなのでしょうか?

ここでは巷でよく耳にする「ベンチャー投資」について考えていきたいと思います。

 

 

実は高いベンチャー投資のハードル

 

さて、実際に「ベンチャー企業に投資したい」となった場合、上場している株を買うわけではないので任天堂やTOYOTAの株を買う時のようにパソコン上の取引だけで簡潔することはありません。

 

非上場企業の株式は、基本的に株を持っている人との「直接交渉」によってしか購入できません。

 

例えば今、あなたが「X社」という、とあるネットサービスを展開している会社に注目していたとします。

まさにベンチャー企業である「X社」に投資しようと、株を買おうと思っても実質的に株を購入するのは難しいでしょう。

 

これは、単純にその企業の社長や、株を持っている人(株主)とのコネクションを作り出すのが難しいからです。

上場もしていないベンチャー企業の株主になるためには、会社の社長・創業者などと直接やりとりして株式を譲渡してもらわなければいけません。

 

また、そういった物理的な問題に加え、ベンチャーと呼ばれる規模の小さい会社が株主に対して「期待する役割」に関する問題もあります。

 

例えば、今あなたの手元に1,000万円の資金があったとして、これでTOYOTAの株を買ったとしても、TOYOTA株主であるあなたに、特に何も期待はしませんし要求もしません。

 

しかし、ベンチャー企業の場合は違います。

 

ベンチャー企業の株を持っている人は、基本的に株主として積極的に企業の経営をサポートすることを期待されます。

つまり人脈的なメリットのある人や、特定の分野への知見のある人に株を持って貰い、仲間として事業を運営していくことを求められるのです。

 

逆に言うとそのようなメリットのない人間は、そう簡単に株を持たせてもらうことは出来ません。

 

TOYOTAは個人投資家に多くを求めないと言いましたが、上場企業においても株主が経営に対しポジティブな影響を与えることが求められるケースも当然存在します。

実際に大企業でも関係の深い会社の株を持ち合い、互いに資本関係のある会社同士でシナジーを得る取り組みをしています。

ただ、大企業の場合、個人投資家が少々株を持ったところで、影響も小さいため、あまり意に介さないのです。

 

それがベンチャーの場合はより個人に、属人的に、そして具体的にその効果を要求されます。

 

 

ベンチャーキャピタル

 

さて、非上場のベンチャー企業への投資に本当に興味があり、なんとかしてベンチャー投資に一枚噛みたいと考えたときには、ベンチャーキャピタルを介して投資してくのが現実的な方法になります。

 

ベンチャーキャピタルとは、ベンチャー企業に集中的に投資を行っていくファンドであり、彼らは様々な若い起業家達と関係を構築しています。

一投資家としては、そういったVC(Venture Capital)に資金を預け入れることで、間接的にベンチャーに投資をすることが出来るようになります。

 

 

ベンチャー投資の本当の難しさ

 

さて、ベンチャーキャピタルを通じて資金を入れれば、実質的なベンチャー投資ができることはわかりました。

投資先の妥当性なども彼ら(VC)が判断してくれるのでベンチャーに関して知見が深くなくても大丈夫、と思うかもしれません。

 

しかし、それは大きな誤りです。

 

結局、どのベンチャーキャピタルが優れた投資をしているのか、ということ判断できないと、投資で勝つ(儲ける)ことはできません。

そして、ベンチャーキャピタルの善し悪しを判断する為には、結局ベンチャー企業の成長性に関して自分自身が目利きできないといけません。

 

どのような経営者、どのような創業メンバーが、どのようなビジネスモデルで、どのようなタイミングでマーケットに入ると勝率が高いのか。

 

これが分かっていないと、儲け続ける(資産を増やす)ことはできないのです。

 

そしてこの「起業」に関する理解は、大企業で仕事をしても深まることはありません。

詰まるところ、普段サラリーマンをやっている状態ではこういった「勘所」が育たないのです。

 

結果的に、ベンチャーが一山当たると何となく思っていたとしても、普段からベンチャー界隈で慣れ親しんでいる人でない限りそう簡単にベンチャーの旨味を享受することは出来ません。

 

ある程度の貯金があり資産を運用したいと思っていても、ベンチャー界隈 “以外” の人にとっては、ベンチャー投資は魅力的な投資方法とは言えないかもしれません。

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