高所得者向け金融商品の存在
「プライベートバンキング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは、高所得者に対して資産の管理・運用に関するアドバイスを行うサービスのことです。
言い換えると、ある程度のお金を持った個人をお客さんとする、資産まわりの総合コンサルティングサービスであり、金融商品の提案に始まり、税制面や法務面等、様々な助言を行います。
大々的に広告を打たないため一般的に知られた仕事ではありませんが、日本でもいくつかの大手金融機関がこのサービスを積極的に展開しています。傾向として、社内でも優秀な人が担当者になることが多く、富裕層に向けたビジネスへの注力が伺えます。
さて、私が突然この「プライベートバンキング」の話を持ち出したのは、海外ではこういった一部の高額所得者に向けたサービスが富裕層の間でごく一般的な常識である一方、日本ではこれらが驚くほど認知されていないからです。
医師や事業オーナーとしてそれなりに成功し、年収も数千万円程度あり、純資産総額が1億円以上あるような方々であっても、
「プライベートバンキングって何?」
「資産運用ってどうすれば良いの?」
「とりあえず証券会社の担当員オススメの投資信託を持っています」
「ラップ口座って何?」
というような方が非常に多くいらっしゃいます。
誤解を恐れずに言えば、日本のお金持ちは、自分が稼いでいる額に比して資産運用に関する知識がとても貧弱なのです。これは日本のお金持ちの勉強不足が原因だと言うわけではなく、あくまで日本の文化的・金融的な背景が深く関係している話なのだと思います。
どこからが高所得者(富裕層)なのか
ところで、お金を持っている人の呼び方には、百万長者・億万長者・金持ち・富裕層・高所得者など色々ありますが、一般的にはどの程度の額を稼いでいると高所得者(富裕層)になるのでしょうか?
一例として野村総合研究所の定義によれば、純資産総額が1億円以上の方を「富裕層」、5億円以上の方を「超富裕層」としているようです。
なお、ここで言う純資産総額というのは、預貯金や株式、投資信託や債券等の金融資産から負債を差し引いた総額のことです。
また富裕層に満たないものの、ある程度の資産を保有している層については、金融資産の総額が5,000万円から1億未満の方を「準富裕層」、3,000万円から5,000万円未満を「アッパーマス層」、3,000万円未満が「マス層」と定義しているようです。
「富裕層」と「超富裕層」を合わせると100万世帯超、5,000万円以上1億円未満の「準富裕層」も含めると300万世帯超に上ることからも、日本ではこうした高所得者が数多く存在していることが分かります。
自分のことを特別なお金持ちだと認識していないとしても、一般的には数千万円単位で自由に使える資金があれば、それは高所得者(富裕層)だと考えて差し支えないと思われます。
高所得者であるにも関わらず、優れた資産運用をしていない現状
さて、私自身の課題意識と言いますか、今の日本において非常に大きな問題だなと個人的に思うのは、このようにある程度の収入のある高所得者の方であっても、金融リテラシーが低い為に非常に非効率な資産運用をしてしまっていることです。
典型的な例で言えば「預金」が挙げられます。
日本人の貯金好きは有名ですが、個人金融資産の内、半数以上を現預金として管理している国民は、世界的な基準から言えば相当珍しい存在です。
米国では個人の金融資産に対する現預金の占める割合は13.5%程度。この現預金額が数百万円程度の話であれば良いのですが、富裕層の方が数千万円単位の額を現預金として保有しているのを見ると、いくらなんでも勿体無いことをしているな、と感じてしまいます。
手元に数千万円単位の資産があるのであれば、年間に数パーセント利回りが違うだけで10年後20年後は大きな差が生まれます。運用と言うのは誰にとっても大切というわけではなく、やはり資産を持っている人にとって”より”大切なものなのです。
私自身は、現在、ヘッジファンド(投資ファンド)と呼ばれる1,000万円以上の額を最低出資額とするような資産運用専門の会社を中心に自分の資産を預け入れているのですが、このような高所得者に向けた金融商品は、証券会社の窓口で販売されている一般所得者向け投資信託等と比べてとても質が良く、高いパフォーマンスが期待できます。
ヘッジファンドに関する記事はこちら
➡︎ ヘッジファンドを徹底解剖!世界の富裕層に選ばれる投資の世界を知る
➡︎ 個人投資家にこそ絶対におすすめのファンドへでの運用とは
高所得者こそ、質の高い金融商品に対してアンテナを高く張るべき
一定以上の所得があるにも関わらず「現預金」や「証券会社の窓口営業員に勧められた投資信託」にて資産を保有している方は、是非とも質の高い金融商品へ積極的にアクセスすることをおすすめしたいと思います。
優れた金融商品と言うのは向こうから勝手にやって来るものではありませんし、街中でふと見つけることも出来ません。そのため、自らの手で探し、積極的に話を聞きに行くことが重要になってきます。
本サイトでは、このように一定の資産を持ちながらも効率的な資産運用をしていないという方に向け、管理人の経験に基づく様々な記事を掲載しているので、是非とも参考にしてみて下さい。