ファンドでの資産運用を検討しているあなたに
近年ファンド(ヘッジファンド/投資ファンド)への注目が高まってきています。
これまで、日本には個人投資家が出資をできるようなファンドは少なく、海外のファンドに投資するか、一部の富裕層だけが活用できるハードルの高いものでした。
ヘッジファンドといえば、1億円からのスタートや、英語でのやりとりが必須という状態では、ほとんどの方にとって縁のないものだったのです。
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しかし近年、日本国内で1,000万円単位からスタートできるファンドも登場し、一般投資家にも身近なものになってきています。
ヘッジファンドでの資産運用はリスクが小さく確実なリターンが期待できるものとして、かねてより金融業界・資産家の間で、高い評価を得ています。
1,000~2,000万円の資産を保有する方が、よりリスクを回避するために選択してもよいですし、1億円以上の資産を保有している方が、パフォーマンスを安定させるために、ポートフォリオの主軸としてもよいでしょう。
ただし、ヘッジファンドに出資するためには、自分で情報収集し、自らの目で判断しなければいけません。
レストランやホテルを選ぶように、口コミや周りの評価に頼ることは難しいでしょう。
そこで今回は、優良なファンドを見分けるためのポイントを3つ紹介します。是非ファンド選びの際の参考にしてみてください。
優良ファンドの見分け方
ヘッジファンドでの運用をするにあたって、①安定したパフォーマンスを②中長期的に継続することを期待すると思います。その2点こそ、まとまった資金を運用する際に重要なポイントです。
ここでは、この2つを実現してくれる優良なファンドを見分けるポイントを3つ解説していきます。
① 株式投資を中心に伝統的な投資手法を採用している
資産運用の世界において、王道はやはり「株式投資」です。
FXなども投資商品としてメジャーですが、不確定な要素が多く、資産運用の対象としては不安が残ります。
運の要素が強いとも言われていますし、企業というレベルではなく、国家レベルでの分析・検討が必要になってくるため、個人はおろか組織(ファンド)でも難しいでしょう。
最近はフィンテック関連など、トレンドに乗っかった運用を行うファンドも生まれてきています。トレンドを活かした運用は、高いパフォーマンスが期待できますし、今後伸びていく可能性もあります。
反対に、未来に投資するようなファンドは、大損を被る可能性や、すぐに頓挫(廃業)する可能性も高いと言えるでしょう。
一方で、企業を相手取る株式投資は、その歴史も古く、また実績を残しているファンドも数多く存在します。
中長期的に継続する運用が見込め、またきちんと安定したパフォーマンスが期待できるのは、やはり株式投資での運用に限ります。
また、そこでの運用手法についても押さえておくべきポイントがあります。
それは、「伝統的な手法」を採用しているかどうかです。
投資の手法や理論には様々なものがありますが、根本的な考え方はさほど多くありません。
その一つが「バリュー投資」です。
バリュー投資とは、企業の価値を算出し、その評価額と株価(時価総額)を比較して割安な株に投資していくという方法です。
これは非常にシンプルな考え方であり、古くから投資の世界に根付いていると同時に、数多くの実績を残しています。
有名なところでは、世界一の投資家と呼ばれるウォーレン・バフェット(Warren Edward Buffett, 世界最大のヘッジファンドBerkshire Hathawayの会長兼CEO)は、バリュー投資によって実績を築いています。
また、そのバフェットの師にあたり、ウォール街の最長老とまで称されるベンジャミン・グレアム(Benjamin Graham)も 「バリュー投資の父」と呼ばれるなど、株式投資の世界において、最も歴史が古く数多くの著名な投資家を支えてきました。
細かい分析の仕方や評価方法などに違いはあれどバリュー投資を根底においている限り、安定したパフォーマンスを期待できるでしょう。
反対に、独自の理論を展開するファンドには注意が必要です。
新しい考え方や、オリジナルな手法は、もちろん当たる可能性もありますが、大きく外れる可能性も秘めています。
「理論」などと言われると、ついつい信用してしまいがちですが、複雑で難解なものほどよく注意が必要になってきます。
難解なキーワードや”それっぽい”法則などに惑わされることなく、より堅実で実績のあるものの方が確実です。
② 設定リターンが不必要に高くない
高すぎるリターンを設定しているファンドにも注意が必要です。
ヘッジファンドがいくら優秀であるとはいえ、投資の世界のルール、つまり「リスクとリターンはトレードオフ」であるという大原則からは逃れられません。
高いリターンを設定するということは、それ相応のリスクをはらんでいるということです。
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そのため、「期待利率年50%!」などと謳っているようなファンドは気をつける必要があります。
ヘッジファンドの世界でのパフォーマンスは高くても年20%前後が相場です。
つまり手数料や成功報酬等を引いたあとであれば、投資家に10~15%も返ってくれば十分ということになります。
それと比較して、50%!60%!などと目標を掲げているところには注意した方がよいでしょう。
ちなみに、かの有名なバークシャー・ハサウェイは約50年をかけてその資産をおよそ8,000倍(1,000万円預けていた場合800億円)にしています。
ですが、これは年利に直すと、なんと19.6%です。
このように複利で長期的・安定的に運用できる場合、15~20%という数字がいかに十分すぎる値であるかがご理解いただけたかと思います。
高すぎる目標リターンを設定しているファンドは、長く続けることを念頭においていないかもしれません。あるいはこの複利の話でさえ理解できていないかもしれません。
これらの点においてもリターンが高すぎるファンドはよく確認する必要があります。
③ 中長期的な視点を持っている
当たり前のことですが、中長期的な視点を持っていなければ、長きに渡って運用を続けることはできません。
そもそも長く運用するつもりのないファンドも存在します。
短期的な利益を追求している場合や、収益が見込めるところに飛び込む形で事業を営んでいる、誤解を恐れずにいえば「一発を当てにきている」「儲け話を拾いにきている」ファンドも存在します。
そのようなファンドでも短期的な収益を上げることはできるかもしれませんが、長期間の運用をお願いするには不安が残ります。また、引き上げ時を間違えれば損失を被ることもあるでしょう。
そのようなファンドを見分けるポイントは、ズバリ、戦略や理念に「長期的」というキーワードが入っているかどうかです。
当たり前のことですが、事業として長く継続していくこと、将来にわたって営んでいくことをきちんと理念に掲げることは重要なことです。
言葉に表れていない場合も、直接問い合わせて確認してみるとよいでしょう。続ける気がない人には続けられないのは当たり前のことです。
【まとめ】ヘッジファンドに問い合わせた際に確認すべきポイント
ここまで、優良ファンドを見分けるポイントとして
① 株式投資を中心に伝統的な投資手法を採用している
② 設定リターンが不必要に高くない
③ 中長期的な視点を持っている
の3つを紹介してきました。
また、ヘッジファンドはなかなかその情報にリーチできる機会も限られているため事前に調べたり分析することが困難です。
そこで当サイトでは、日本国内で個人が投資できるヘッジファンドをランキング形式で紹介しています。独自の調査・分析による評価を行なっているのでよろしければ是非参考にしてください。
そして、最終的には直接問い合わせていただき出資を検討していただきたいのですが、話を聞きに行った際に是非とも投げかけていただきたい”魔法の質問”があります
それは
「あなたはこのファンドに出資していますか?」
という質問です。
個人の資産を取り扱っており、またそれが増えるものだとして説明をしてくるスタッフであれば、当然個人の資産を投入しているはずです。
(「資産を増やせる」として紹介しているものに、自分が出資しない理由はありません)
ちなみにこの質問は投資信託や不動産での運用を検討している人も同様に活用することができます。
投資信託を営業された場合など、是非とも銀行員に同じ質問を投げかけてみてください(きっと自分でもその商品を購入している人は、ほとんどいないと思います)。
ヘッジファンドのスタッフに直接会って話を伺うことができた際には、是非この質問を投げかけてみてください。そのファンドが信用に足るかどうかを即座に判断することができるでしょう。