ヘッジファンドとは、一般的な投資信託とは違い、「私募」で投資家を集め、極めて専門性の高い運用手法によって投資家の絶対利益を追求する資産運用の専門組織のことを指します。
ヘッジファンドはその性質上、一般顧客に向けて広く名前が知れ渡ることはありませんが、日本にもいくつか優良なものが存在します。中には価値の高い投資を実践しているファンドもあります。
しかし、情報が出回らないためか、ヘッジファンドに投資する際にネックになってくる(気をつけないといけない)ポイントについては多くの投資家が理解できていないようです。
今回はヘッジファンドに投資する際に絶対に注意しておきたいポイントを4つご紹介します。
1. 投資額が元本を下回る可能性がある
これは投資をする以上は至極当然のことなのですが、ヘッジファンドに投資をしようと思っている投資家の中にも「元本が保証されている」と勘違いしている投資家は意外と多くいらっしゃいます。
しかし、基本的に元本は保証されません。
(中には元本を保証するファンドもありますが、怪しいファンドの可能性が高いです。詳しくは以下の記事で解説しているので、是非ご一読ください。
関連ページ
➡︎ あなたは騙されている!詐欺ファンドの見分け方3選
➡︎ 優良ファンドの見極め方!確認するべきポイントを徹底解説
投資している金額が減っていく可能性はあるので、あくまでその前提を持つことは大切です。
2. 投資手法によっては、評価額にボラティリティがある
ヘッジファンドの中には、信用取引といって他の金融機関から資金を借り込むことにより、実際の資金以上の金額で投資しているものもあります。
これを「てこの原理」になぞり「レバレッジをかける」と言いますが、この手法により、運用はハイリスク・ハイリターンなものになります。
一部のファンドは大きくレバレッジをかけることで、非常に大きなリスクをとりながら、非常に大きなリターンを狙っている場合があります。
こういったファンドは、月単位・年単位で見て、ファンドの評価額が大きく上下することがあります。
つまり、上がったり下がったりが激しいということです。
確実に資産を運用したい場合には、こういった、価格の上下の激しいヘッジファンドへの投資は避けるべきでしょう。
個人的にもハイリスクハイリターンな投資は好まないので、必要以上のリスクを取っていないかは最も重要視しています。
3. 預け入れ金額(最低出資金)のハードがある
これが、恐らくヘッジファンドに預け入れる際の最も大きな障壁でしょう。
優良なヘッジファンドはどこも最低預け入れ(出資)金額を設定しています。
預け入れの最低額は小さい場合で500~1,000万円程度、大きいと1億円を超えるところもあります。投資信託は1万円程度から購入できることを考えても、初期のハードルは大きく異なります。
「投資信託」のように公募する前提の金融商品として国に届け出を出している場合には、募集するお客さんの数に制限はありませんが、一方で大抵のヘッジファンドには、金融商品としての法的な登録の関係上、投資家の人数に制限があります。
ヘッジファンドが預け入れ額に最低金額を設定しているのはこれが理由であり、一人ひとりの投資家からそれなりの金額を集めないと、ファンドとして規模が大きくならないのです。
ただし、投資信託のように公募を前提とした商品と違い、ヘッジファンドにだけ許された良い面もあります。
例えばですが、自分たちのポートフォリを開示しなくて良いため、より独自性の高い運用を他社に真似される可能性が低い点が考えられます。
また、投資手法に制限がないため、独自の理論やスキームを用いて、投資信託以上に高いリターンも期待できるでしょう。
ヘッジファンドとは、公募としての許可を取って広告を打つという「お手軽な集客」を放棄する一方で、一部の投資家のみから資金を集めながら独自の投資を行っているのです。
4. 特定のタイミングでしか解約できない
投資信託等であれば、毎日好きなタイミングにて現金に戻すことができますが、ヘッジファンドは投資家が解約できるタイミングが決められています。
預け入れてから1年間や2年間といった期間の解約を禁じているファンドもありますし、解約タイミングを「半年に一回」「四半期(3ヶ月)に一回」などと定めているファンドもあります。
ヘッジファンドが解約のタイミングを決めているのは、顧客の数が少ないことが主な理由で、投資家の一人が抜けるとファンド全体の投資額が比較的大きく減ってしまう可能性があるからです。
基本的には多くの投資家が4年5年と長期的に保有することを前提に投資先を選定していますので、投資可能額が増減すると戦略が定まりません。
この為、ヘッジファンドは一定期間の間投資し続けて貰うことをルールとして設定しているのです。
この解約出来ない期間のことを“ロックアップ期間”と呼びますが、個人的には余りにも長く(数年単位の)ロックアップ期間を設けているファンドは避けたいと思っています。
************************************
今回はヘッジファンドに投資する際に懸念点となってくるポイントを整理してみました。
これらの懸念点があるものの、それを乗り越えればヘッジファンドへの投資は高いリターンが期待できます。
しっかりとリスクを認識し、優れたファンドを探していきましょう。